東京地検特捜部に逮捕された堤義明前コクド会長(70) 実は、コクドと西武鉄道の関係は、いまお騒がせのニッポン放送とフジテレビの関係とパラレルになっている。いや、だから、日枝会長が逮捕されるという話ではない・・・・  愛人がたくさんいたらしいが、最近はフツーのサラリーマンや主婦だって愛人(うん?セフレ?)がいるぐらいだから、そう問題ない。松永にも3人いることは、周知の事実だ。(この愛人3人説は松永の持論で、大変にためになるダビンチ的な話なので、今度、ぜひ、書いてもらおう)  では、問題はなんであるか?西武と癒着してプリンス系のホテル、ゴルフ場、スキー場で優待されていた複数のジャーナリストの話でもない。というオレも、実は、軽井沢の72ゴルフ場で優待をうけた。プリンス系のホテルはマスコミの名刺をだしたら、15−20%割引してくれるから、それをまったく利用したことがないかと、もし、東京地検特捜部に追求されたら、シラを切りとおせる自信はない。 だが、東京地検特捜部はオレのところに、今のところくる気配はない。  そう問題は、東京地検特捜部だ。特捜検事とマスコミの癒着関係については、相関図を書くことができるが、これ、書くと、今後の取材活動に悪影響をおよぼすことがあるので、今の、ところ誰も、公表する元気はない。  実は、ジャーナリストにとって、最大の情報源とは、癒着なのだ。政治記者をまじめにやろうとしたら、政治家とマジに癒着しなくてはならことがあるし、司法記者をしようとしたら、検事。事件記者をしようとしたら、警察。経済記者をしょうとしたら・・・・なのだ。  なんか、どんどん前ふりがながくなっていっていくが、これは、辻野せいだ。だいたい、あいつが長い原稿書くから、オレもついつられて、長くなる。悪いのは辻野だ。ここのメインライターはオレだ!というプライドもある。  そう問題は、堤前会長であり、東京地検特捜部なのだ。 「完オチどころでない、まったく従順なポチ」 ポチというとすぐ小泉首相とブッシュの関係をおもいおこすが、ここでは、堤会長と、東京地検特捜部の関係をさす。  西武・堤前会長の容疑は、1)有価証券報告書の虚偽記載2)インサイダー取引 の2点。 その最大の焦点は、「会社のトップである堤前会長がその違法性を認識していたかどうか」(地検特捜部関係者)の一点にかかるといわれていた。 しっかし、あっさりと認めるどころか、「どんどんしゃべる。検察の調書はどんどんそのページ数をふやしていく」 これは何を意味するか、 やや専門的な言い方でわるいのだが、「検察のシナリオにのる」 という言い方をする。 簡単に説明すると、たとえば、万引きして警察につかまるとする。 警察は余罪をどんどん追求する。「おまえな、全部正直に話せば、心証もよくなる。これもやっただろう?あれは、どうだ?うん?正直に話せば、カツ丼くわしてやる。煙草もう一本すいたいだろう?正直にいえば、罪もかるくなる。お父ちゃんや、お母ちゃんも心配しているぞ!はやく楽になれ!」 とまあ、密室でどんどん、なだめたり、すかしたり、おどしたりする。 これは、実はえん罪をうむ構造で、この辺の問題点にはついては、人権派の弁護士さんのホームページをひらけば、いろいろ書いてあるので、参考にしてほしい。 つまり、冷凍パックの「たらこ」580円なりを、万引きしたはずなのに、いつの間にか「高級本マグロ」や「北海道礼文島産のウニ」を万引きしたことになっていて、さらに「万引き常習犯」とされて、さらにいきつくと、未解決のサラ金強奪殺人事件まで、「オレがやりました」となってしまって、気付いた「強盗・殺人罪」で、無期懲役が求刑されるかもしれなくなる。 これを、警察は犯罪を摘発するだけでなくて、「犯罪をつくる」こともあるといわれる所以だ。笑い話とおもったら、とんでもない。こういう例をいくつもしっているし、実際にその被害にあった人を取材したことがある。最終的に、警察がつくった犯罪は、えん罪となったが、実はそのために10年もかかった。  堤サイドの弁護団は、1)有価証券報告書の虚偽記載2)インサイダー取引については、容疑をはやめにみとめて、経営から完全にはなれることを明言して、はやめに保釈されて、本裁判で執行猶予つきの判決をもらおうという戦略をたてたようなのだ。これは、今後のコクドと、西武の再建問題と密接にリンクするから、「犯罪より経済を優先させる」という「地獄の沙汰も金次第」っという市場原理がまさっているのだ。  ところが、堤前会長。帝王といわれた人だ。ワンマン?なんて目じゃない。帝王だよ、帝王。子供の頃から、帝王学をみにつけさせれれて、本当の帝王になった人だ。 帝王、インテリほど、いざ逮捕されたら、簡単に「オチル」という。エリート官僚なんか、その典型。地位名誉のあるひとほど、簡単にポチになってしまうといわれる所以だ。 その点、鈴木宗男ぐらいの厚顔で苦労人は、逮捕されても簡単にオチない。いやいや、オチないどころが、「不当逮捕だ!」と喧嘩する度胸もあるし、実際に検察相手に、どうどうと喧嘩している。  そこで、何をいいたいかというと、「検察と喧嘩しろ!」といっているわけではない。鈴木宗男が正しいといっているわけでもない。  帝王からポチになった堤さん。「大丈夫か?」と言いたいのだ。  昨日、ゴールデン街で飲んだ安酒が、まだ残っているので、これで前編としておく。以下は次号へ。  文責・北岡隆