昨日の読売新聞の記事ライブドアとフジ、月内にも和解へ」という、ある意味ですっぱ抜き記事のおかげで、ライブドアVSフジテレビの攻防は、業務・資本提携へという流れができたかにみえる。ところが、ちょっとまってくれ!という情報がはいってきた。
 そもそも、この読売新聞のネタ元はどこか?ライブドアとフジテレビが交渉を続けていたことは明らかだが、その交渉過程で決定していない情報を、どこの誰がながしたのか?
 ライブドアの公式見解は、「フジとの資本提携、業務提携、当社による同放送株の今後の保有について協議を行っているのは事実だが、詳細は決まっていない」
 フジテレビの公式見解は「ライブドアと同放送を含めた今後の関係について協議を行っている」
 だけだ。
 
 これはよーく考えてほしい。この記事のおかげで、ライブドア、フジテレビ、ニッポン放送ともに証券市場全体がぱっとしないなかで、株価を上げた。
 もし、交渉当事者である、ライブドアか、フジテレビが確定していない(まだ、細部がつまっていない)業務・資本提携の話をリークしたとするなら、そこには、「風説の流布」という重大な疑惑が生じるでないか?
 
 その片棒をかついだ、読売新聞、および後追いした新聞、テレビの責任はどうなるんだ。
 
・・・・・といきなり強気な内容から入ります。ま、ホリエモンもフジテレビの日枝さんも、村上(ファンドでなくて、社長のほうね)さん、SBIの北尾さんも悩んでいたわけ。
 ま、うちのボスも悩んでいる。うん?3Iをぬいて、7Wをいれるべきか否か・・・・。(こっちは、ヘボゴルフの話)
 
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おしてくれたらうれしい)
 そもそも、この情報、ちょっと証券市場をしっている人なら、まず?するはずだ。ボスの知り合いの大手証券会社のアナリスト。
「風説の流布とはいわんけど、大丈夫かいな?という印象はうけましたね。まず、ニッポン放送の株主総会は6月。その総会での、議決権がみとめられる名義人の変更と届けは3月末で締め切れている。この時点で、ライブドアは50%、フジテレビは36%。つまり3月末をおえた段階で株式争奪戦はおわっている。次にくるのが、4月末までに取締選任案や議題など株主提案をする。これは、議決権を50%以上もっているライブドアに優先権はありますよね。
 そして、株主総会になる。ここで、役員改選、新役員などが決められる」
 うんうん。
 それでどうして?問題あるの?
「つまり、株主総会がおわるまで、もう株券は動かせない。問題は、過半数をおさえたライブドアが、どうでてくるか?それに対して、否決権ベースをもっているフジテレビがどう対応するか?これにかかっていたんですよ。
 ところが、いきなりニッポン放送の株式を譲渡して、資本提携、業務提携の話でしょう。これは?としなくてはいけない」(前出・大手証券会社のアナリスト)
 なるほど、それで唯一、朝日新聞の取材におうじたホリエモン。13日夜、「妄想です」と突き放したのか。(「和解か、瓦解か ライブドア・フジ和解案、決着は不透明」2005年04月14日 朝日新聞)

 さてこの和解案。最大の問題がある。そこをみなパスしている。
 ライブドアの幹部のお話。
「うちがもとめたのは業務提携の話。しかし、業務提携の話は具体的には一向に進んでいない。うちは、業務提携の話が第一。しかし、フジテレビさんは、資本提携の話が、第一であるようです」と言葉をにごす。

 では、なんなのか?
 いえることは、読売新聞のすっぱ抜きにはじまった和解案は、フジテレビ側は「おおむね歓迎。ライブさんもこれをのむしかないだろう」(フジテレビ幹部)というように、フジテレビ有利の感がつよい。

 そこから邪推すると、リークしたのはフジテレビサイドで、さすがに産経新聞に抜かすわけにはいかないから、読売新聞だっただろうって、業界の人は考えて、ひそひそ話す。そして、「記事を書いた奴はだれだ?お、あいつか・・・」ってなるわけ。
 いや、ライブだって、株価がさがってこまっていたじゃないか?って思う人がいるかもしれないけど、株価なんて下がる時には下がる。上がるときには上がる。それを手元の情報で操作することは、「犯罪である」ぐらいのことは、ホリエモンはしっている。堀江嫌いでもいいけど、そこまで馬鹿にしないでほしいよね。

 じゃなんなの?奥歯に物がはさまったようないいかたしないでよ!っていわれるかもしれないけど、ボスから、「その辺は慎重に書くように」っていわれているので、慎重にかきます。

 今回の報道があるなしにかかわらず、ホリエモンの態度はきまっていた。そりゃそうでしょう。3月末で株式の争奪戦はおわった。フジテレビだって、焦土作戦でもなんでもいいけど、株主総会までは、無茶はできない。
 つまり、4月末までに役員改選案をふくめて、どういう株主提案を提出するかを考えていたわけ。つまりホリエモンからみると今回の一連の報道は「妄想」ってうつる。でも、ここには少しワナもある。それは、「業務・資本提携をフジテレビサイドからいってきた」ってこと。でもなんで、せっかく高い金でかった50%ものニッポン放送株を「簡単にフジに渡さなくてはならないんだ」っておもうよね。だいたい、SBIの北尾さんのところにいったフジテレビ株の行方だって気になるし、肝心の業務提携話がなにもすすでいないんじゃないか。だいたい交渉中の話をなんでリークするんだ!
 そして、すこし寒気もするんだね。
「マスコミは怖い」ってね。
 そうそう、ホリエモン。
 ジャーナリズムはブログの人気投票じゃないんだよ。時には恣意的にうごく。第4の権力として、ペンでなくて、剣以上の武器で、おそいかかってくる。これが、ジャーナリズムのもう一つの顔だ。
 でも、これは、ただで、教えてあげるけど、ここで策に策で対抗したら、あんたの負け。時流というか、時の流れを膚で感じること。歴史の流れは一度流れ出したら、どんな権力者だって、ひとたまりもない。この歴史の積み重ねぐらいしっているよね。
 だから、すこし無口になるほうがいい。ライブドアの幹部にも、発言をひかえるように指示したほうがいい。一切、ライブドアからの情報漏れはなくす。ここで、つまらん、リークしたり、PRしたら足もとすくわれるよ。
 淡々と、6月の株主総会をむかえてください。

 うん?だんだん、おれ、ホリエモン派になったか?
 そんなことはない。ちょっと相手が策を弄してきたんで、公平に勝負できるように、ルールを教えてあげただけです。はい!

文責・北岡隆志