衆議院の福島2区、宮城2区の補選の結果はまだ、でていない。およその結果はわかっているが、今、それ書くと怒られるので、書かないが、いずれにもしても、政局がはじまる。
 
 「私は当選してもしばらくは幹事長に戻る気はありません。当選直後の仕事はまず『郵政民営化に関する特別委員会』の委員長をやって、小泉さんの悲願である郵政民営化方を成立させることです」
 補欠選挙が始まる前、永田町関係者が山崎拓前幹事長を囲む会を行った。この時、山崎前幹事長は堂々とこう言い放った。前回の衆議院選挙では女性スキャンダルで失脚したのに、今回は民主党の候補者が悪かったのか、たいした自信をお持ちだった。
 
(日本一早い政局情報は、続きへ。その前に、人気blogランキングへ感謝)
 「中国国内の暴動デモ問題」で頭を悩ます小泉純一郎総理は4月23日、ジャカルタで胡錦涛国家主席と会い50分に渡って会談。
胡主席は、日本は歴史問題と台湾問題で
「中国とアジアの人民の感情を傷つけた。中国とアジアの人民の強い反応は、日本側が深く考えるに値する」と注文をつけた。
 しかし、日中関係については、
「中日友好を発展させるという方針は変わっていない。両国の善隣友好をさらに発展させることは、両国の大多数の国民の願いである」
「中国と日本は、アジアと世界で大きな影響力を持つ国だ。中日間の深刻な問題をうまく処理しなければ、両国関係だけでなく、アジアの安定と発展にも影響する」
 との発言をひきだし、中国の国内デモを沈静化することに成功したようだ。

 中国問題に一応の解決を見いだした小泉総理だが、日本では政治生命をかけた人生最大の大一番・郵政民営化問題が横たわっている。
 自民党幹部はこれまで「強引にやると政局になる」を小泉総理へ忠告していた。
 4月18日、怒号渦巻く中、自民党合同部会は園田座長が強引に一任を取り付け、自民党内での郵政民営化を推し進めつつある。
 旧橋本派、亀井派を中心とした郵政民営化反対派議員は「絶対潰してやる」と息巻いている。
   
 平沼赳夫前経産大臣。
「いま、政府は郵政民営化法案を出すと言っているが、これは優先順位からすると15番以下の話だ。この国を想い将来を考えたなら安全保障、憲法改正、教育基本法、少子高齢化など問題が山積している。
 私は郵政民営化問題を政治の最大目的化するのに反対する」

 亀井静香元政調会長。
「「改革」というなら中身はどうでもいいというのか。
 小泉さんといえども全知全能の神ではない。日本のどこが悪いのか。国民の声を聞き国民のために政治をやるべきだ。
 郵政民営化が課題だという。郵政公社は小泉さんが総理になっていた2年前に造ったもの。みんなが努力して黒字を出している。郵政公社に対して国民が遺憾と言っているわけではないんだ。
 郵政民営化は小泉総理はあと一年の任期内に成立させようと躍起になっている。
 古代ローマ王朝ではあるまいに・・・。
 国民にも反省してもらわなきゃならん。今の体制は国民から選ばれた議員をないがしろにしている。『国会議員を相手にしない』とすれば拍手が出る。
 我が志帥会はこれからも一丸となって難局を乗り切っていく」

 亀井静香は4月12日に行われた高村派のパーティに出席した亀ちゃんは堂々と
「小泉総理は『解散するぞ』とできもしないことを言って我々を脅しているが、政治家は脅しに屈して信念を曲げてはならない」
 と息巻いていた。

 前衆議院議長綿貫民輔。
「私はいま毎日テレビに出ているが本当は恥ずかしい。毎日私の所に『がんばれ』とか『早くやめろ』という電話がしょっちゅうくる。
 日本取り巻く情勢は『株も下がる』『教育問題もある』というのに郵政が本丸だと小泉総理は言う。
 国民の関心事から言うと郵政民営化問題は10%以下しかない。それがコップの嵐のように自民党がゴタゴタし喧嘩しているように見える。
 郵政民営化問題より先にやることがあるはずだ。議会制民主主義を無視しているし、今の政治の進め方は間違っている。
 私は小泉さんの「議会は後からついてくればいい」という態度に「これはだめだよ」とたびたび注意してきた。今の議長は何も言わないのか分からないが・・・。
 小泉の印籠を出せば「ハハー」となるのはおかしい。
 郵政民営化問題も一つだがー私は志帥会と一緒にやるつもりだ」

反対派の息は上がっているようだ。

 それに対し、小泉総理は
「政局になろうとなるまいと関係ない。国会閉会にはまだ時間はある。会期延長は考えてない」 
 小泉総理はジャカルタでこう語り完全に腹をくくった「解散辞せず」という決意を見せたのである。
「郵政民営化問題」は「郵政民営化に関する特別委委員会」を造って、審議することになると思われるが、その委員長に就任する山崎拓前幹事長の技量が問われそうだ。
 特別委員会は週2回しか開かない常任委員会と違って、毎日何時間で審議ができることになっている。サボタージュをしようと郵政民営化反対派が山崎委員長は職権を持ってでもやるつもりのようだ。
 衆議院は与野党ともに反対派もいる。だが、解散が怖い。
 小泉総理ー山崎連合軍は「解散をちらつかせながら」議員の恐怖感を利用して特別委員会ー本会議を乗り切るつもりだ。
 郵政民営化法案は衆議院では何とか可決されそうだが、参議院では過半数確保には与野党差が18名。亀井派は18名を要している。
 亀井派の荒井広幸は
「衆議院は関係ない。衆議院と参議院は違うんだというところを見せてやる」
 参議院の橋本派議員が言う。
「郵政民営化は自民党の合同部会で執行部が強引に一任を取り付けた。しかし、自民党議員のほとんどが反対派。それでも政局になれば解散か小泉内閣総辞職しかない。「自民党を壊す」という小泉さんなら解散するだろう。この問題は衆議院の解散を参議院が仕掛けるというような次元では語れない問題だ。解散ー総選挙なら自民党は都市部で焼け野原になる。青木さんもそのあたりを分かっていると思う。」

 共産党9名、社民5名も反対に回りそうで、亀井派全部が反対しなくても自民党議員数名が欠席するだけで「郵政民営化法案」は否決されてしまう。
 一般論でいうと郵政民営化法案は衆議院に戻し、採決をやり直す。3分の2の賛成で可決成立することになるのだが、国会会期も残り少ない。参議院で法案否決なら郵政民営化法案は廃案の憂き目にあいそうだ。
小泉総理は「変人」とやゆされながらも十数年来言い続けた「郵政民営化」は参議院の亀井派、つまり亀井静香がどう動くかで決定されるようだ。
 
 もしこのまま解散になった場合、郵政民営化に賛成する自民党若手議員は落選。地方の反対派は当選するという「何のための解散か」ということになってくる。
 そこで今、小泉総理は解散に備えて地方の若手議員をピックアップしているという。自民党の若手議員は民主党議員と同じような考え方が多い。
旧橋本派の都市型若手衆議院議員は
「解散の可能性が大いにありそうだ。都市部の人にとって今はFAX、メール、ヤマトなどの宅配便時代。郵便局とのつきあいは「年賀状」を出すくらいなもの。それでも地方のボスは郵便局長とのつきあいが大事だと思っているし、
労働組合も自分らの生活のために必要だという。
「民間にできることは民間に」という小泉さんのやり方は正しい。いつまでも役人が仕事をするー税金を垂れ流すという構図の維持。
1000兆円もの赤字を抱える日本はこんな事をやってる場合じゃない。
5月の連休は外遊しようと思っていたが、それはやめた。
解散総選挙に向けてとにかく選挙区で3000人に会うつもりだ。
選挙はどうなるか分からないが、自民党の時代は終わったかもね」

連休明けは国会から目が離せなくなった。
 今度の解散、総選挙は与野党ともに「天下分け目の関ヶ原」となりそうだ。
仙谷由人民主党政調会長は、
「総理は本気だから解散の可能性も出てきた。
しかし、自民党に「解散だ?、おうやろうじゃないか!」という度胸のあるやつがいるのかね。こっちはいつでも受けて立つ。
こういった短期決戦なら、金もかからないし、面白い。
さあ!政権交代だ」
 とおもしろがっている。

 自民党も小泉自民党、綿貫・亀井自民党に分かれて戦うのか。こうなれば、自民党は大敗?。民主党が晴れて政権を取れるか。
 総選挙後には与野党入り乱れて小泉ー民主党連合の都市型政党と綿貫・亀井地方型政党に糾合していくだろう。
 5月の連休明けからの国会攻防戦。いよいよ面白くなる。
 暑い夏になりそうだ。 
  
文責・辻野匠師