真名さんも、devoさんも、森川も、「すっきりしない解散」といっている。
 すっきりしない解散!をすっきりさせようとは、おもわないけれど、聞きかじりでもうしわけないけれど、解散直前でなくて、自民党分裂直前、情報書きます。

 ボスが、「これは、小泉VS郵政民営化反対派、抵抗派でなくて、小泉VS森前首相、青木参議院会長とみたほうが、あとの展開がみえてくる」
 とわけのわからんこといっている。

 そしたら、森のお父さんが、しっかり小泉首相を説得しようとしたけど、「匙をなげた」。青木参議院会長は「無言」。
 もともと、森のお父さんの「会長辞任」を含めた一連の行動は、

「首相の出身派閥である森派の会長辞任を示唆することで、今国会で法案が成立しなければ衆院解散・総選挙に踏み切る構えを見せる首相をけん制する狙いもあるとみられる」
 とおもわれていたが、実は森首相は森首相で郵政民営化をめぐる動きで参議院の採決内容にかかわらず、さらに、解散のあるなしにかかわらず、「自民党は分裂する。小泉首相はそう仕掛けている」とおもっていた節がある。

 森前首相は、これまでなんども、党内融和をとなえ、参議院の青木会長とともに、えてすると独断専行する小泉政権の運営を「なだめすかしてきた」と自負している。
「小泉首相には、なんども煮え湯をのまされた」(森前首相)というわけだ。
 それもこれも、「自民党のため、党のためという一心」だという。しかし、郵政民営化をめぐるやりとりの過程では、とうとう森前首相をして、「小泉首相の暴走はとめることはできない」(森前首相)と腹をくくったとみれる。

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  森前首相は、参議院での採決を前にして、複数の有力議員とあい次のように話している。

「自分は自民党が野党時代の幹事長をやっている。あの時、どれだけつらかったか?
 そのつらさを、小泉首相は本当にしっているのだろうか?小泉首相が考える解散は、自民党が野党に転落することを、意味するだろう。
 その話を小泉首相にしたところ、まったく意に介するところはないという風情だった。 確かに、首相は腹をくくっている。本気で自民党を壊す気でいる。これはこのまま見逃せない」

 もっともこうした森前首相の親心を、小泉首相周辺は、クールにみている。

「首相は、郵政民営化は、自分が総理になったときの公約だとおもっている。さらに郵政をふくめた構造改革を掲げて、衆議院選挙、参議院選挙とたたかってきた。それに反対するということは、公約違反のなにものでもない。と考えています。
 また、森首相に関しては、『ありがた迷惑な面もたたあった』ともらしていますね。小泉首相としては、旧橋本派を含めた抵抗派とは徹底してたたかうつもりでいた。しかし、そのたびに、党内融和をかかげた森前首相らがたしなめてきた。
 亀井静香、平沼赳夫、古賀誠、堀内光雄、綿貫民輔、高村正彦らの中2階組みの抵抗派をそのたびになだめてきたのが、森前首相であり青木参議院会長だった。
 しかし、小泉首相からみると、彼らを、これまでなだめてきたのが、今回の、郵政民営化をめぐる党内の混乱だとみている。
 道路公団民営化を含めた、改革がややもすると骨抜きというか、すっきりせずに、改革の本来の趣旨から離れていると、国民やマスコミから批判されるのも、こうした融和策だったとおもっている節がある。
 靖国参拝もしかり。中国派の福田のいうことをきいて、8月15日参拝を姑息にも日にちをずらしてしまった。内心、忸怩たるものがある。
 つまり、抵抗派は、もっとはやめの段階で、つぶしておくべきだった。
 中途半端に融和政策をとってきたので、この段階に際して、抵抗派が一斉に団結して、蜂起してきた。つまり、これは倒閣運動なのだ。となるのです」


 自民党内部を取材すると、ことは想像以上に深刻だということがわかる。
 森派の若手議員は、
「実は、すでに自民党には亀裂がはいっている。それも深刻な亀裂だ。解散のあるな
しにかかわらず、すでに政局というよりは、政界再編はうごいている」
 という内容を、以前に書いた。

 さらにこれも書いたけれど、

 山崎拓が、
「小泉首相の任期が来年の9月?そんなことだれが決めた!」と漏らした話は有名だ。
 つまり、郵政民営化が衆参で可決して法案成立したとしても、小泉首相は、9月には解散にうってでるという話なのだ。

 小泉首相は9月人事を断行するといっていた。ここでサプライズ人事はむずかしい。郵政民営化の論功行賞人事になることはあきらかだ。
「しかし、来年の9月が任期とわかっている小泉政権は、レイムダック政権になる。こんな人事よりも、ポスト小泉で政界がうごくことはあきらか。これに、民主党の小沢一郎も手をつっこんでくる。郵政反対派にとっても最後の巻き返しのチャンスだろう」
 といっていたのは、小泉政権の現閣僚だ。

 つまり、郵政解散があってもなくても、9月小泉政権の最大のサプライズは、解散だったというのだ。
 武部幹事長は、以前から、
「造反したら、公認しない」といってきた。これにこたえるように、公明党も「造反議員の推薦は、難しい」といってきた。
 これは、当初は、造反議員への最大のしめつけとおもわれてきた。
「しかし、郵政にかかわらず、小泉は解散をするきでいる」という話が、ひそかに自民党内にはひろまっていたことになる。

 反対派の亀井静香は、
「どうせ解散をするきだ。だから、解散のカードはきかない」とまでいっていた。これは、半分、あたった。解散カードで、反対派をおさえることできなかった。
 結果として、造反議員への締め付け策であった「解散」カードは、「おしゃべりの武部」のせいで、効果がきかなくなったということだ。
 党内融和をとなえてきた、森前首相もお手上げ状態だ。

 一方の、小泉首相サイドも、だまっていない。
「郵政民営化反対派は確信的に政局にもっていこうとしている。確かに、それしか彼らには浮かぶ瀬はない。
 しかし、小泉首相は、
『すべては郵政民営化法案を法案化してから。改革はまだまだ、道半ば』という言い方もしていた。小泉首相は、薄氷でもいいから、参議院で可決させる。それから、民意を問うとして、最初から、解散にうってでるつもりでいたのでないか?
 その時に、反対派議員と、民主党との選挙協力もあるだろう。だが、民主党の中には、郵政民営化に本来は賛成の議員もいる。小泉首相はそうしたところと連携する気だろう。その日程は、今回の件で少し、はやまるかもしれない。
 自民党も、民主党もガラガラポン。
 これは、政局というレベルでないね。郵政民営化を糸口にした政界再編になる。どうも最近の小泉首相の発言をきいていると、それが、一番の狙いでないか?とおもうようになってきた」といっていた小泉首相側近もいる。

 政局秋の陣は、今回の解散をまたずしても、すでに政界再編をふくんで動いていた。  

 政局好きの小泉首相の、総仕上げとして!

 小泉政権の後見人を自任している森前首相は以前からぼやいていた。
「純ちゃん、レイムダック政権をずるずるひきずるタイプじゃない。みんなそのことにすこしづつ気づき始めてきた」
 森前首相、青木参院会長ら、融和派らの狙いは、
「解散をさけて、総辞職。後任には、反対派も納得しやすい福田康夫。福田なら中国との関係の修復もできる。問題は、小泉首相。郵政花道論でやめていただくという、筋書きもくるいはじめた」


 解散のあるなしにかかわらず自民党は分裂。これが小泉首相の本音のようだ。
 さらに官邸の一部では、分裂構図をリストにしたチャートまでできているという。
 以下、官邸の関係者。
「衆議院で造反した、37人は、選挙では公認せず。欠席、棄権した14人は個別に事情をきき、それぞれに対応。参議院も同じにあつかう。解散になった場合は、そのまま選挙に突入。公認をはずした37人のところには、新人の公認候補をたてる。もしくは、民主党で、郵政民営化に賛成している議員を、民主党から離党させて、自民党公認でたてる案まである。その候補者リストもある。岡田民主党なら、いくらでも手を突っ込むことができる。
 参議院が、解散にならない場合も同じ処置が考えられている。
 37人に関しては、最悪は除名処分」

 

その分裂構図は以下のようになる。
 
旧橋本派、綿貫民輔を筆頭に、5名。
亀井派  亀井静香、平沼赳夫、伊吹文明、小林興起らを筆頭に、8名
堀内派  堀内光雄を筆頭に3名
山崎派  野田毅
高村派  高村正彦ら2名
無派閥  野田聖子
 数だけを足すと、19名になる。それプラス重複するが、造反票をとうじた37人。

 つまり、自民党から分裂する、もしくは除名にする議員は、40人前後となるというのだ。ここで、新党の話もでてくるだろう。しかし、あくまでも選挙対策ようのにわか新党でしかない。だが、この数は多いのかすくないのか?

「解散総選挙になれば、40数名のうちの半分は落選するだろう。その半分が民主党にながれ、のこり半分は、自民党に流れる。新党?こんなの便宜上。国民に相手にされない。つまり、いずれにしても自民党と公明党の連立で過半数をとることができる。
 また、分裂するのは、自民党だけでない。民主党からの造反も、合流もある。だから、政界再編といってもそれほど、たいした数ではない。これまで改革に熱心でなかった抵抗派を一掃するだけのことです。
 小泉首相は、仮に自民党と公明党で単独過半数とれない場合も想定している。しかし、その場合、民主党と、自民党除名議員が連立を組んだとしても、政策はばらばら、自然崩壊するのは目にみえている。とみています」(官邸関係者)

 確かに、自民党から離党もしくは反旗をひるがえすとみられる40数名に関しても、あきらかな旗印や、政策の一致があるわけでもない。まして、いまの民主党執行部と簡単に政策協定をむすべるわけでもない・・・・。と小泉執行部はみているのだ。

 今回の解散で、小泉自民党は大胆な政策提言をするという。
「峻別なき改革」?
「公務員半減」?
「抵抗派の一掃」?
「改革か、破綻か」?

 ま、それは、おしえてくれなかった。

文責・ききかじりも含めて、一応、北岡隆志