「何だ、これは。真っ黒けで内容が分からない。全くデタラメだ」
 というのはBSE問題を追求し続けている川内博史沖縄特別委員長である。

 昨年暮れ、農水省と厚生省の役人がアメリカとカナダの牛肉輸出認定施設を現地調査した。
 今年も1月から調査に行くはずだったが、1月に骨付き牛肉の混入が発見されたことから日本は米国産牛肉を禁輸処分にした。
  政府は4月下旬、これまでやった牛肉輸出認定施設調査報告書を農水委員会関係者に配布したのである。

アメリカ分ーA4 105ページ。
「米国における日本向け牛肉輸出認定施設等の査察及び調査結果報告書 平成17年12月13日(水)〜24日(土) 厚生労働省 農林水産省」

カナダ分 ーA4 26ページ。
「カナダにおける日本向け牛肉輸出認定施設等の査察及び調査結果報告書 平成17年12月13日(水)〜23日(金) 厚生労働省 農林水産省」

以下はその報告書の一部だ。

BSE1BSE2

 

 

 

 

BSE3BSE4

 

 

 

 

 川内委員長が言う。
「こんな酷い報告書を見たのは初めてだ。政府は国民に対し必要な公開義務を負っている。 ところがこの報告書は検査官の人数とかヘタリ牛の発生数、EVプログラムの実施状況など肝心な物が全て塗りつぶしてある。
 そこで農水省と厚労省の役人を呼んで
『どうしてこんなに塗りつぶした物をい寄越すんだ』と聞くと
『実は我々が作った調査報告書をアメリカにこれでいいだろうかと報告した。アメリカではこの調査報告書を英訳し『この辺はマズイ』という所に黒く塗りつぶした物を送り返して来た。
 それを元に我々も調査報告書に墨を付けた』
 と平然と言う。
 何是、こんなに塗りつぶす必要があるのかと言っても、『いやーまあ』などと口を濁す。
 役人というのは国民よりアメリカのご意向で動いているなんてけしからん。
 国会に報告する文章には何故黒く塗るのかという法的根拠を示さなければならないはず。この黒塗りには全く法的根拠がない」

 肝心なところが塗りつぶしてある調査報告書ではあるが少しは解明できる所もある。
 どこの生産工場でも毎週か毎月、ヘタリ牛が見受けられること。
 牛の解体は脊髄を切断。その後、吸入装置で脊髄を除去していることが分かった。
 この方法では裁断の際、BSE感染のおそれがある髄液が飛び散り他の枝肉を汚染するおそれがある。
 こうした吸飲方法では完全な髄液吸収は出来るはずがないのだ。

 前出、川内委員長が言う。

「報告書にはBSE感染のおそれが最も多いダウナー牛いわゆるヘタリ牛が週に何頭も出ていたと言うことが書かれている。
 アメリカOIG報告書には『アメリカ国内のダウナー検査にはダウナー牛が紛れ込んでいる恐れがあり疑問がある』と言っている。
 今年度、米国産牛肉輸入再開に懐疑的だった食品安全委員会プリオン調査会のメンバー6人が辞任した。金子さんらは『米国牛の安全性には全く科学的根拠がない。我々は政府のアリバイに使われたようなものだ』と言っていた。
 米農務省は食肉牛のサーベイランスの縮小を言い出している。米国産牛肉の安全性が確保されない限り輸入再開はさせるべきでない」

 元農水相の官僚で現民主党農水委員である篠原孝議員が言う。

「この報告書は戦前に行われた検閲と同じ。国民に都合の悪い事は全て隠そうという政府の姿勢が見え見え。
 牛肉処理工場へ調査に行った役人連中には米国の食肉処理工場の実態がいかにいい加減で危ないか分かっていた。それがばれると大変だと言うので肝心なところを塗りつぶしたんだ」

 政府の隠そうとする体質は戦前から今日まで変わっていないというのか。
 民主党米国牛肉処理工場調査団に加わった医者でもある岡本充功議員も言う。

「こんな酷い報告書は始めて見た。調査報告書で延々と黒く塗ってあるところが肝心なところ。この部分には各牛肉処理工場が日本向けEVプログラムをどのようにやっているかの手順が書かれていたはず。
 それが社外秘だから出せないと黒く塗ったとしたらとんでもないことだ。
 黒く塗った部分はアメリカがこれは塗りつぶせというのでその部分を塗りつぶしてある。
 しかし、カナダ分の調査報告書にも検査官の人数などアメリカ分と共通する箇所が塗りつぶして有る。これは、厚生、農水の役人がカナダ政府に対し
『アメリカ政府の方はここの箇所を塗りつぶすように言ってます。あなたの国もアメリカと同じように隠した方がいいんじゃないですか』
 と要請して同じ箇所を塗りつぶしたんじゃないかと思う。
 私は4月24日にこの調査報告書を貰った。私は今年の一月、米国やカナダに行った調査報告書を早急に出せと厚労省の役人に言うと『多分、4月23日か24日頃に出せるでしょう』と言っていた。
 この真っ黒け報告書を見てその意味が分かった。アメリカにお伺いを立て隠蔽に時間がかかったと言うことなんだろう。しかし、役人はしぶといね。
 何でこんなに塗る必要が有るんだと何度も調査報告書の本文を出せと厚労省、農水省の役人にせっついた。
 ある日、厚労省の役人が議員会館の事務所にやって来た。
『先生、もう堪忍して下さいよ。これはアメリカの牛肉処理工場企業秘密なんで出せないんです』
『何を言ってるんだ。何で隠す必要がある』
『分かりました。先生には内緒で元の報告書を見せます。その代わり一切、外に出さないで下さいよ』
『何だ。私一人を懐柔しようなんてとんでもない。これは日本国民の食の安全にかかわる大事なことだ。そんな妥協は絶対しない。本物の資料要求は国会の場できっちりやるし、追求する』
 と役人を追い返した。全くふざけた話だ。」
 と憤慨する。 

 米国産牛肉輸入再開のプロセスは次のようになりそうだ。
 昨年11月、京都で小泉・ブッシュ会談後米国産牛肉輸入が再開された。
 しかし、1月に骨付き牛肉が日本に到着されたことで輸入はストップ。
 政府は米国産牛肉輸入再開に向けて食品安全委員会プリオン調査会の反対派メンバーを追い出す。
 その後、連休前のどさくさに真っ黒に塗った調査報告書を国会に提出。
 さらに6月下旬、小泉総理が訪米しブッシュ大統領との首脳会談が行われる。この時また米国産牛肉輸入再開が約束される。
 米国産牛肉輸入再開は早ければ6月下旬か7月だろう。
 こうして日本政府は着々と米国産牛肉再開への布石を打ている・・・・
 
 上記報告書も全文公開したいところだが・・・・

参考:米国産牛肉「黒塗り報告書」のデタラメ【吉野家はどうする!?】
    http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2005835/detail?rd

以上