5月25日に、サーベラス問題で、糸川議員脅迫事件での初公判が行われた。被告の山元康幸容疑者は罪状を否認した。

 これは、外資系ファンド「サーベラスグループ」日本法人の下請けとして、南青山の土地開発に関与していた大証2部上場の不動産会社「平和奥田」の元相談役で東京地所の元相談役の山元康幸容疑者が、昨年の2月に糸川正晃衆院議員(32)が国会でサーベラスグループの地上げについて質問したけんで、糸川議員を脅迫したして、逮捕された事件の初公判。

 まずは、これを報じた3つの記事を紹介。

 

糸川議員への脅迫を否認、初公判で会社役員(ピックアップ)2007/05/26, , 日本経済新聞 朝刊

 東京・南青山の土地取引をめぐり国会で質問した糸川正晃衆院議員(32)を脅したとして、脅迫罪に問われた会社役員、山元康幸被告(50)は二十五日、東京地裁(登石郁朗裁判官)の初公判で「話はしたが脅迫はしていない」と、無罪を主張した。
 会話の内容については「ばかにするような態度を取られたので『政治家や暴力団、右翼が触っていた物件だから、ひどい目に遭わされても知りませんで』と言っただけ」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、山元被告が昨年三月に福井市内のスナックで糸川議員と会った際、店内に暴力団関係者風の客が複数いたため「ここで脅せば、仲間だと思って怖がるだろう」と考えた、と犯行の経緯を指摘した。 
 
   糸川衆院議員脅迫:被告が無罪主張−−東京地裁初公判2007/05/26, , 毎日新聞 朝刊

 東京・南青山の土地取引を巡る国会質問をした国民新党の糸川正晃衆院議員に対し、再質問しないよう脅したとして、脅迫罪に問われた中堅ゼネコン元相談役、山元康幸被告(50)は25日、東京地裁(登石郁朗裁判官)の初公判で「起訴事実は違う」と無罪を主張した。
 起訴状によると、山元被告は、糸川議員が衆院予算委員会で地上げ問題を取り上げたことに憤慨。06年3月3日夜、福井市内のクラブで脅迫した。
 山元被告は捜査段階では認めていたとされるが、この日の初公判では「『あの件は政治家や右翼、暴力団が絡んでいる物件。私の所にも右翼や暴力団が来た。先生もひどい目に遭わされても知りまへんで』と言った(だけだ)」と説明。弁護人も「脅迫罪には当たらない」と主張した。 
 
 糸川議員脅迫男 罪状を否認2007/05/26, , 産経新聞 東京朝刊

 国民新党の糸川正晃衆院議員(32)が東京・南青山の土地開発に関する国会質問をめぐって脅迫された事件で、脅迫罪に問われた会社役員、山元康幸被告(50)の初公判が25日、東京地裁(登石郁朗裁判官)で開かれた。山元被告は「詰問させていただいただけ」などと述べ、起訴事実を否認して無罪を主張した。
 検察側の冒頭陳述によると、山元被告は外資系ファンド「サーベラスグループ」日本法人の下請けとして、南青山の土地開発に関与していた。
 昨年2月の糸川議員の国会質問で、取引の中断に追い打ちをかけられたと感じた山元被告は翌3月、福井市の飲食店で、糸川氏を「あそこにどれだけ金を突っ込んでいるか知っているのか。僕らが何カ月もかけてやってきたことをあんたは壊した。東京の仲間は許さない」などと脅迫した。
 

 

  脅迫の現場となった、福井市内のスナックのでのやりとりを、もう一度みてほしい。

2006年4月5日毎日新聞の大平記者が糸川議員を取材 2007年05月24日

 いわゆる糸川メモといわれるもの。
 ここでの糸川証言では、脅迫の中心人物は、サーベラスグループの昭和地所副社長で国際興業副社長の河井一彦となっている。

 以下、糸川証言から、抜粋

>「糸川先生はこちらです」と座らされて、僕の右隣にサーベラスの副社長の河井(注意:昭和地所副社長 国際興業副社長の河井一彦。ただし後に糸川氏は、この場に河井はいなかっと証言を翻している)がきた。
「河井です」
という。
「サーベラスの副社長ですが、わかりますか」という。
ここに大野防衛庁長官の秘書がいた。

 その河井氏が、話の主導権を握っている。

>「糸川さんねえ、あなたなんでね、サーベラスやったんだ」
 という話になったんですよ。
「今、サーべラスは毎日新聞を訴えている話はしっていますよね」
ええ、知っていますよ。調べてから私も質問していますよ。「なんでやったんだ。堤から言われたのか」
 というんですよ。たぶん相当堤さんと悪いんですよね。
「なんだ、党か?」
綿貫先生から言われていることです。
「代表か」
代表が党ですからといった。亀井先生もいますし。だからそういう質問もしていますしという。
「なんでサーベラスなんだ」
という。

 この糸川証言では、河井氏の口から、中川秀直幹事長の話もでてくることになる。

>そうしたら、「あんたね、糸川さんね。ぼくらはね、どんだけ金かけているかわかっていいますか」と。
 値段をいっていただかなければわからない。と
それはあれだけでも、本来何ヶ月もかけて中川秀直と話をして、青の土地が買えるという話をしてよくやく詰まってきたろことで、大野さんともやっているとも、言っていた。糸川さんが予算委員会でやったことで手をひいた。「やばいといってきた」「あなたがそんな余計なことをしたから、ぼくらが何ヶ月もやってきたことを、あなたは台無しにしたんだよ」と。「すみませんが、中川先生が絡んでいるですか」と聞いたら、「いやいやそんなことはないよ」となった。

>「糸川さん、土地はね。ものすごい資産を生むんですよ。もう質問しないと思うけど、質問するようなことがあればね、僕らが納得したとしても、東京の仲間は許さないと思うよ。それなりの仁義の中で生きている人達だからね」と河井がいった。
 僕も命がけでやっているんだから、仲良くやっていきましょう。といった。
 そうしたら、僕(河井)は赤坂にいるから、赤坂に挨拶にきたらどうですかという。
 僕はあまりそういうところに乗り込んでいかないのでと言った。

 今回逮捕されて起訴された山元康幸容疑者は、糸川証言ではほとんど発言していない。名刺交換しただけとなっている。

 つまり、初公判で山元康幸容疑者が、「起訴事実は違う」と無罪を主張したというのもうなずける。
  つまり、直接、糸川議員を脅迫したのは、河井一彦氏でないのか?

   糸川議員への脅迫行為の中心人物は、サーベラスの子会社、昭和地所副社長で、国際興業副社長の河井一彦だとおもわれるが、後に、糸川氏は、「サーベラスについての国会質問をしていたことなどから、山元容疑者をサーベラスの子会社昭和地所の役員と思いこんでいた」と訂正している。

 つまりいつのまにか、すり替えられているのである。

 しかし、糸川証言メモを何度もみても、糸川証言テープを何度もきいても、「糸川議員は、確信的に、河井氏の名前をだしている。
 糸川議員の周辺ではさまざま、ことがあったというのは、こちらも間接的にながらきいている。
 糸川議員は、河井氏の顔写真をみて、最初は、「この人です」といいながら、その後で、「こんな人はみたこともない」と証言を取り消してもいる。

 いまここで糸川議員を糾弾してもはじまらない。
 糸川議員が証言を取り消ししたり、替えたのは相応の事情があったのだろう。しかし、今からでもおそくないだろう。もう一度、糸川議員は、きっちりと証言すべきでないだろうか?

 さらに、糸川脅迫事件を捜査した警視庁。
 警視庁は、「河井氏はそのスナックにいなかった」というアリバイをちゃんととっていなかったのだろうか?

 いや、いまからでも遅くはない。警視庁はその威信にかけて、再調査、再捜査すべきでないだろうか?
 それでなければ、この事件事態も、さらに、この公判自体もおかしなことになる。

 山元氏でなく、河井氏が主犯であるとされた段階で、これまでのサーベラスサイドの話は全部崩れることになる。サーベラスは、100%子会社の副社長が「脅迫容疑で逮捕」というこの事実だけで、米国における法人取り消しの処分をうけることになるかもしれない。

 これだけでない。サーベラスがおこなった南青山での地上げで、暴力団と関係のある会社をつかっていたということを、証明されると、これも米国における法人取り消しの処分をうける要件になる。

 以上のふたつを、ひとつひとつを、ひもとく作業が、いま求められているし、すでにあちこちで、この作業が進められているといっておきたい。

 

以上