参議院選挙での圧倒的な優勢が伝えられている民主党。
 民主党が優勢というよりも、安倍自民党が一人で、自爆、自滅してくれているというところだとおもうのだが、さすがに、選挙の風をよむのがうまいのが、民主党の小沢一郎だ。

「檄」
緩めば負ける。必死で戦え

 という檄を全候補者にばらまいた。

ozawageki

 

 

 

 

 

 


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 選挙に強いといわれている小沢一郎だが、実は、その手法はきわめて自民党的なドブ板選挙が原点にある。
 かって、新生党時代、新進党時代、自由党時代にたくにみ、世論に働きかけ、風をおこして、選挙を勝ち上がってきた実績がある。ま、失敗もあったけれど、それは今回かくと面倒になるので、一応、「選挙上手の小沢」という文脈でいく。

 小沢一郎というと、自由党時代の「殴られるCM」や、「改革派か、守旧派か」という巧みなキャッチフレーズや、イメージ戦略巧者だとおもうかもしれないけれど、本当は、特定利益団体に働きかける利益誘導選挙や、選挙区をくまなくわまるドブ板選挙が基本だ。なんせ、小沢一郎の師匠は、あの「田中角栄」だからだ。
 これは、小沢さん本人に直接きいたことがあるけど、最初の選挙で、田中角栄さんのところにいったら、軍資金ももらったけれど、「5万戸まわれ」といわれたそうだ。選挙区をくなまく「戸別訪問」して、そこでの「陳情等」ときいてまわれということだ。もっと、小沢一郎本人は、いわゆる2世議員で、選挙基盤があったから、そんなにしゃかりきこいて、戸別訪問しなくても勝てたという事情があったから、実は、そんなに個別訪問はしていない。この辺は、田中角栄を師匠とすると同じ民主党の羽田孜や渡部恒三とはちがうところかもしらない。
 そういえば、田中角栄のもとで、かって7奉行といわれたひとで、のこっているのが小沢、羽田、渡部の3人だけど、いずれも自民党でなくて民主党にいるというのは不思議なことだけど、これは、これでまた別の機会にボスにでもしゃべってもらおう。

 そこで、あらためて今回の小沢の「檄」を読んでほしい。
 つまり、もっと個別訪問しろ!ドブ板選挙をしろ!といっているのだ。
 これは、小沢側近の一人に解説してもらおう。

「正直いって、民主党の候補者の選挙基盤は甘い。選挙区でのぼりをたてて、そこでスピーカーかかえて、叫んでいればそれが、選挙運動だとおもっているアマちゃんがおおい。もっというなら、風頼りの選挙。自分で、選挙区をほりおこして、それこそ3万戸でも、5万戸でも戸別訪問するというドブ板選挙をやっている人がいない。今回は、小沢の風で勝てるかもしれない。しかし、また、郵政民営化みたいな風がふいたら、半数は討ち死にでしょう。これが、前回の衆議院選挙で証明されている。このことを、小沢さんは危惧している。
 選挙の風向きなんて、直前に簡単にかわる。そのことがわかっていない。
 だいたい、こんなことでは、政権なんて担えるはずはない。
 政権交代可能な、2大政党時代を切り開いたのが、小沢さんです。風向きしだいで、簡単に政権なんてぶっとぶことをしっている。となると、やはり選挙運動は、基本の戸別訪問しかない。ドブ板選挙が一番なんですね」

 たしかに、劣勢が伝えられている自民党候補者は、みな目つきが変わってきている。必死をこえて、死にものぐるいになってやってくる。
 アマちゃんの民主党の候補者だと、最後の最後まで気を抜くことができない。
 小沢さんも、大変といえば、大変だ。
 ま、自民党も大変かもしれないけど、参議院選挙でまけても、政権与党からころげおちるわけじゃないし・・・・というやや余裕というよりも、あきらめもある。
 安倍さんは、いまだに、「勝てる」とおもっているようだし。

 だいたい、「事前の数字がよすぎる」と一番、危惧していたのが小沢一郎本人だった。
 かくして、選挙戦は中盤から、後半戦に突入するのでした。

以上
 

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