「私の国作りはまだ半ば。これを仕上げることが私の使命であり、責任だ」
「敗北は私に責任がある。年金問題や政治と金の問題で国民に批判をいただいた。人身を一掃せよということだ」
などなど、敗軍の将は大いに兵を語る。
「自分の政策は支持されている。閣僚の不祥事や年金など、前任者の不祥事が重なり自民党が歴史的敗北をした、それでも私には国民と約束した憲法改正、教育改革という大きな使命があるので総理大臣を辞めません」
という。
やはり、「美しい国」づくりは大変なのだ。
「私を選ぶのか、小沢さんを選ぶのか」と参議院選挙で政権選択を自ら問うた国政選挙だった。民意は小沢さんを選んだわけじゃない・・・兵の不始末がよろしくないというのだろう。たぶん、「辞任はしません」と言うのだから。
参議院選挙の直前に、その他とかくとあれだけど、ま、その他複数の、政治記者や政治評論家を密かにあつめて「ご意見拝聴」という会が何度かあった。帰りがけに、締め束一本(注意、約ウン万円のこと)ぐらい配ったのかもしれないけれど、間違って呼ばれてしまったボスなどは、「喘息の発作がおきたので勘弁」と丁重にお断りしたようだけど、「昔の経世会なら五本は配っただろうに、中途半端なんだよな。安倍は・・・」とボスはブツブツいっていたから、本当は、この人は出席していたのでないか?という疑惑がある。
すでにおわかりかもしれないけれど、うちの辻野記者は、自民党は好きだけど、徹底した安倍晋三嫌いだ。だいたい、辻野記者のレポートは「きっこの日記」も真っ青なぐらいに、反安倍色が強い。ま、だいたいそのままブログではのっけているけど、たまにボスなどが、「うん・・・。政治記者の書く記事としてはやや逸脱していないか?」とオレにいうけど、そんなの「辻野さんにきいてくれ」としかとする。
辻野記者も安倍総理とおなじ山口県出身。同じ長州人だ。同県人として、辻野記者が嫌うことはないのではないか?とおもっていたら、
「晋三は長州人でない。東京育ちの偽長州人。ただのボンボン。長州の屁理屈とはいえ、無謀とはいえども幕府に楯突いた馬鹿な集団で、たくさん新撰組に斬られたが、責任の取り方、腹の切り方はみなしっている。この後におよんであれこれいう安倍晋三は長州の恥だ」
ボスの締め束一本の疑惑を、オレが密告したら、
「ならぬ・・・それはならぬ。オレがボスを切り捨て、その後、腹をきる」
と酒の上とはいえ暴れたので、森事務所の田辺秘書にでも仲介してもらおうとおもったら、間違って小沢事務所に連絡してしまって、かえって話はややこしくなった。ということがあったけれど、ま、刃傷沙汰にはならず、全員無事ですので、選挙後、みなさん、いかがお過ごしですか?
以下、辻野記者の選挙レポートです。
写真付きです。
そもそも、安倍総理は大変な勘違いをしているのか、日本人を馬鹿にしているのか、居直っているのか。
そもそも、自民党の総裁選挙は自民党党員百数十万人くらいの人が自民党の総裁を選ぶ選挙でしかない。それを70〜80万人が「安倍支持」で自民党総裁になり、国会の多数決で総理大臣になっただけの話。自民党員イコール日本国民思っているんじゃ勘違いも甚だしい。
日本人の1億2千数百万人は安倍晋三さんの政策は素晴らしい。是非とも総理にしたと応援した記憶がないのだ。
にもかかわら「私の責任は国民との約束を果たす事」として日本国の責任者に居座るというのでは開いた口がふさがらない。
7月12日公示日、安倍総理は夕方渋谷駅前で遊説した。
この時、安倍演説を聴いた聴衆は700人。マスコミ、警察関係、平沢勝栄事務所がほとんどで、有権者は立ち止まって聞いてくれないのだ。
安倍人気もこの様子では過半数をとれないと思われた。
自民党敗北の危機感を察した小泉純一郎前総理は7月19日、埼玉県三郷市市民会館に出現。1300人収容の会場に2000人くらいが詰めかける大盛況。会場への入場に20分かかる始末だった。
会場主催者も
「これで勝てる気になった。大きな声では言えないが安倍さんじゃこうはいかないよ」
小泉人気のおかげで陣営に気合いが入り古川俊治候補は見事当選した。
7月28日、参議院総選挙の最終日。安倍総理は夕方から隅田川花火大会が行われる浅草雷門で街頭演説を行った。
選挙戦最終日に至っても安倍不人気は続く。雷門に集まった聴衆は約800人。3年前に小泉総理が来たときには押せや押せやの大盛況。5000人もの聴衆に身動きもできない状態だった。
にもかかわらず今回は花火大会で集まっているバズの若者はほとんど街頭演説に見向きもしない。通行人も足も止めない。
動員されたとおぼしきふ深谷隆陣営や島村宜伸陣営も応援する代議士の演説が終わると同時にさっさと引き上げ、安倍晋三総理の演説を聴く耳を持たない。
安倍総理は演説を終えてその場にいる聴衆と握手を求めるパフォーマンスを展開したが、頑丈に配置された警察・警備に阻止されて聴衆に中に入っていくことはできなかった。
その後、新橋駅頭で石原慎太郎とカップリングの街頭演説を行ったにもかかわらず、聴衆は約800人。ほとんどが動員という情けなさ。
これじゃ、自民党は予想通り惨敗かなと思うしかない。
7月29日、自民党本部では開票速報に際して多くのマスコミが待機。8時開票直後から民主党議員の当確報道が続いていく。
ところが、2年前の小泉総選挙に比べて党幹部が集まらない。9時過ぎでも中川秀直幹事長のみ。
安倍総理は9時半過ぎに自民党本部に「口を真一文字に結び渋い顔」で入ってきた。
10時過ぎに自民党開票場に姿を現した安倍総理は「総理続投」を言い放つ。
「なんだこれは。もう安倍さんに聞くことはない」とばかりにマスコミ各社は自民党本部から数十メートル離れた景気のいい民主党本部へと流れていく。
11時すぎると安倍総理がNHKとのインタビュー中にもかかわらず、マスコミ関係者はほとんど半減してしまった。
「マスコミは現金な者だ。調子のいい方に流れていくのだ」とつくづく思い知らされたのではある。
参議委員選挙が終わわると大変な騒動が起こる。
まず、落選議員は3日のうちに事務所をかたづけ、きれいにして城を明け渡さなければならない。
投票日の翌日、30日には参議院事務局事務員が素早く落選議員の事務所へ備品のチェックにやってくるのだ。
彼らは温厚な顔をして「外交旅券(通称・グリーンパスポート)」の返還を要求する。その後、参議院所有の備品、コンピューター(2台)椅子、机、衝立などをチェックし、緑色のビニールテープを貼るのだ。
「これは国の者だから落選したおまえたちには使わせない。絶対返せよ」というわけだ。
これまで「イヤー先生、お元気ですか」
なんて愛想笑いしていた事務員も落選途端、強面役人に豹変するのである。
落選した議員事務所はそれでも文句を言えず、3日以内に大挙を余儀なくされるのはしょうがない。
落選した事務所には数年、あるいは数十年に収集した資料や名詞、古美術、備品が所狭しと置いてある。
1年生議員はとも数十年にわたって議員会館に君臨した片山虎之助事務所なんかは大変なゴミ処理を余儀なくされるわけだ。
それらを
「これどうしようか、3年後か6年後に使えるかなー」
「これは自宅に送って」
「こんな物使い物にならないよなー」
「地元事務所も狭いし、捨てるか」
などなど、引っ越しは次期選挙の思惑もからめ、思い出が一杯詰まったゴミ処理はなかなか進まないのである。
そんなこんなでゴミ置き場は、各落選事務所のゴミと重なり満杯状態になる。
与野党の落選事務所も日頃の攻防戦をよそに「お互い大変ですねー」と元気なく言葉を交わす。
何とも盛り上がらないのが、落選後の引っ越し風景なのだ。
「猿は木から落ちても猿だが、政治家は落選すれば猿以下だ」
とは昔から言われている。
参議院は衆議院と違って、落選したら後任が決まるまで支部長手当(月50〜80万円)が全く出ない。
次を目指しても金がないのが現状。この時点から落選議員も秘書も無給という状態に置かれるのである。
それも、3年後か6年後に当選できるのか見込みは全く立たない。
国家議員なんていつもイイカコして歩いているように見えても「因果な商売」「浮き草稼業」なんだと改めて思い知るのが、この引っ越し時期である。
それにつけても「あいつはだめな議員だ」「こいつは結構勉強してる」などといわれている議員でも落ちればタダの人以下。
国家議員なんていつもイイカコして歩いているように見えても「因果な商売」「浮き草稼業」なんだと改めて思い知るのが、この引っ越し時期である。
それにつけても「あいつはだめな議員だ」「こいつは結構勉強してる」などといわれている議員でも落ちればタダの人以下。
「私には国作りをする義務も責任もある」なんて嘯いて総理の座に居座る安倍総理。
選挙での勝敗は仕方がない。
しかし、これまで挫折を知らなかった安倍総理に落選議員や大勢の秘書の痛みが分かるのか。
今回の参議院選挙大敗北は日本の美しき伝統・武士道精神を語る安倍総理なら分かるはず。自ら率先して責任を取っり「切腹」すべき由々しき事態なんだと。
「一将功成って万骨枯る」
これが「美しい国」とはとても思えない。
以上