来週の28日に、「再チャレンジ・安倍内閣」の組閣が行われる。
参議院選挙でぼろ負けした安倍内閣。
安倍内閣の最大の後見人にして、安倍内閣の実質的なオーナーといわれている小泉純一郎前首相や、「小泉の頭脳」といわれている飯島秘書官の動きが活発だ。
「参議院選挙での敗北はある程度予測していた。中途半端な敗北なら政変になったかもしれないが、逆にこれだけ大敗をきすと政変にもならない」
ともらしているのは、飯島秘書官。
これは、
「負けた自民党も大変だが、勝った民主党も大変」
という小泉首相の発言への伏線につながるのだろう。
その伏線のひとつである「小池百合子防衛大臣」 vs 「守屋武昌次官」戦争について、辻野記者のレポートでみてみる。
小池百合子 vs 守屋武昌次官戦争
文責:辻野匠師
小池大臣の守屋次官切りは「増田好平人事教育局長が事務次官に昇進」することで決着した。
大臣と次官の戦争は結局、双方痛み分けに終わったのか。
「しょうがない」発言で辞任した久間章生前大臣の後を受け7月4日、首相補佐官から横滑りで防衛大臣に就任した小池大臣は当初、単なる参議院選挙の「人寄せパンダ」だと思われていた。
小池大臣は参議院選挙で選挙区各地から引っ張りだこだった。
これで安倍総理に信任を得たと勘違いしたのか、小池大臣は自民党の惨敗でも意気は揚々だった。
参議院選挙直後から「防衛省の天皇」といわれる守屋武昌事務次官更迭に動き出すのだ。
守屋次官は小泉純一郎前総理や飯島勲総理秘書官をバックに自分の政敵となりそうな人物を次々、切り捨て事務次官の頂点に昇り、防衛省に君臨してきたのである。
これに対し、小池大臣も時の権力の実力者をかぎ分け、その間をうまく渡り歩いただけの人物であり、大臣も次官も似たような者。
小池大臣は今年で5年目になる守屋事務次官に代わって「お友達」であった警察庁出身の西川徹矢官房長を就任させようとした。
小池大臣にしてみれば大臣のいうことを聞かない守屋よりお友達の西川だったら防衛省を自分の思うままに動かせると思ったらしい。
一方、守屋次官はそろそろ引退を考え、自分の子飼いを自分の後釜に据え、守屋自らは「防衛省」へ院政を引こうと考えていた。
小池大臣が根回し無しに「次の次官は西川」と毎日新聞の親しい記者にリーク。
毎日新聞は「守屋事務次官辞任」と大スクープを掲載した。
これに怒った守屋次官は「オレは聞いてない」と大反発するのだ。
「辞任のことはあなたにちゃんと携帯電話へ電話したのに、あなたは出なかった」
「いや、私は12時には寝ている。翌日早朝、大臣に電話したら出なかった」
とまるで子供のケンカだ。
8月13日には大臣と次官がともに「辞めさせろ、辞めない」と安倍総理へ直談判するという大騒ぎに発展した。
防衛政策とは全く無関係の騒動に世界中が呆れている。
次官の人事を決めるのは塩崎恭久官房長官が主催する「人事検討会議」である。小池大臣の失敗は「大嫌い」な塩崎に相談せずとも守屋切りは何とかなると安易に考えていたことだろう。
これで塩崎官房長官がへそを曲げ、人事案件は双方の思惑とは全く違ってしまった。
この騒動で大きな問題が浮かび上がった。
1,次官といえども自衛官だ。大臣の命令は絶対であり、それを自衛官が拒否するなら「シビリアン・コントロール」が効かなくなっている。
2,「人事案件」など重要な案件を「大臣」と「次官」が話し合うなんてとんでもない。
3,数時間も連絡が取れないのでは「防衛有事」の時にはどうするのか。まして、携帯電話という電波は盗聴の恐れもある。
つまり、
「日本では防衛省のトップ同士でも危機管理が為されてないことがばれてしまった」(ニューヨークタイムズ記者」
このゴタゴタを仕切れない安倍総理の統治能力にも問題がある。
さて、小池大臣が守屋次官を切ろうとしたのにはもっと裏があったといわれている。
小池大臣にはブローカーやっているという怪しげな兄弟がおり、沖縄利権で暗躍しているそうだ。これは、現在、2誌ほどの週刊誌が取材しているので、詳細はここでは、書くのはやめておこう。
小池大臣は以前、沖縄開発庁長官に就任。この頃から一兆円とも言われる普天間基地移転問題に関与することになった。
沖縄普天間問題では守屋次官が進める辺野古岬のV字滑走路設置計画と地元・沖縄が進める沖だし・埋め立て問題で対立していた。
小池大臣は守屋次官が進めるV字案では地元・名護市や沖縄県にあまりうまみがないし、守屋が次官でいるから沖縄新興資金がストップしているんだと言いふらし、守屋更迭には仲井間弘多県知事と島袋吉和名護市長の「守屋を切れ」っとの発言があるのだ。
別紙で、地元市議が告発している。
仲井間知事、島袋名護市長は仲泊弘次が経営する「東開発」が全面バックアップで選挙戦を乗り切ったと言われている。
東開発は辺野古岬の普天間代替え地に基地施設を全面投入できるような採掘場を持っていると言われている。
守屋試案ではこれらの業者が儲からないというわけだ。
この話を聞きつけた小池大臣は高市早苗沖縄担当大臣も巻き込んで沖縄を取り込み、沖縄の意向をバックにつけて守屋次官の更迭に走ったというのだが、何かの大騒動の陰には利権の問題があるんだろう。。
守屋次官が「小池大臣就任」直後、アメリカに行き「F-22を是非、日本に売ってくれ」と直談判したことも小池大臣が頭にきた理由だともいう。
「私が大臣なのに余計なことをするな」というわけだったのだったのか。
田中真紀子外務大臣が人事問題で大騒ぎしたとき、小泉総理は大臣も野上次官もバッサリ切った。
安倍総理もこんな大臣を跳梁跋扈させず、バッサリ切るぐらいでないと政権は持たない・・・・のだが。
なお、本件に関しては、参考資料として、二つの情報を公開しておく。
1:平成19年8月13日 前軍特委員長 名護市議会議員 照屋全哲氏署名よる「小池大臣の森屋次官卸しは確信犯である事が判明
2;平成19年8月7日 名護市長 島袋吉和氏による「普天間飛行場代替施設に係る環境影響評価方法書
以上