<以下は、ある限定された会合で、話した内容です。一部を、本人の了解をもらい掲載します>

ロビイストの質の差

 福田康夫さんに、北朝鮮からの献金の事実などがでている。そういえば、安倍晋三さんの地元も、パチンコ屋がらみ。
 北朝鮮、韓国、中国、台湾、ロシア、アメリカといった日本と密接に利害関係をもっているところは、これまで積極的にロビイスト活動をしてきた。これに、創価学会、統一協会といった宗教系のロビイスト活動も加わる。

 以上のことをいうと、すぐに工作だの、陰謀だのと騒ぐけど、騒ぐ前に考えてほしいのは、それぞれの団体が、それぞれに金やら人材を動員して日本国政府、つまり政治家や政府、官僚、マスコミに積極的かつ巧みにロビー活動をしてきたということです。

 これをここでは、「ロビイストの質の差」として話していきます。

 ここにいわゆる北朝鮮系といわれるパチンコ屋が、我が国へどのようなロビー活動をしてきたかという概要をしめしたレジメがありますので配布しますけど、これは部外秘としてください。
 さらに、中国系といわれるロビー活動、韓国系のロビー活動、ロシア系のロビー活動、はたまたアメリカのロビー活動の概要もまとめてみました。一部は、事件となって報道されたケースもあるし、スパイ事件として摘発されたケースもある。ただし、そうした法律にふれるケースというのは、特殊なケースであって、むしろ、合法的、かつ継続されているロビー活動のほうが多いということを、忘れないでほしい。この資料も部外秘とさせてください。

 今回話すのは、こうした外国からのロビー活動がけしからんとか、こうした工作は、日本のスパイ防止法案がないからだとか、こうしたロビー活動のターゲットになった政治家や、官僚やマスコミがけしからんという話ではありません。それは誰か、別の人にやってもらいます。もちろんそれをいうのは各人の自由だから、それを止めたりはしません。ただ、吠える前に考えてほしいのは、そこでおきた客観的な事実です。

 米国で、なんとかホンダという人が、なんとか対日法案をロビー活動して議会に通しました。日本は政府をはじめ多くの日本人が憤慨しましたが、考えようによって、なんとかホンダさんがそれだけ一生懸命ロビー活動してきたということです。もちろんその法案をささえる中国か、韓国かの積極的なロビー活動があったかもしれない。しかし、そこで熱心なロビー活動があったという事実をみとめなくてはならないわけです。
 多分にこうしたロビー活動は、米国内の国内法にしたがい、合法的かつ合理的になされたと想像できます。そこには、そのロビー活動をささえる資金も、人材も、情報も、かなりの量が投入されたはずです。なんせ米国議会に正式に提出されたわけです。そこには大変な努力の痕跡があっただろうと認めざる得ない。

 それぞれが、自分たちの生存の権利や自分たちの商売の権益を守るためのロビー活動をおこなうというのは、民主主義国家では認められるし、合法的な活動に関しては認めるべきだおもいます。それが、中国であろうと、北朝鮮であろうと、ロシアであろうと、ユダヤ人であろうと、宗教団体であろうとです。

 もっというなら今の永田町をみていると、政治資金としてそうした外部のロビー活動の資金が大量に流入していると思う点です。与野党とわずです。それもここ4−5年の話ではありません。10年、20年いや、戦後直後からこうしたロビー活動がなされてきたかもしれない。
 ロビー活動資金、政治資金というとすぐに、政治家がポケットする金=賄賂と考えがちだけど、それは一部であって、むしろ合法的に広報活動や日常の陳情活動、はたまた選挙などにおいての運動資金や、そうしたロビー活動を支援、もしくは賛同する市民運動やNPO法人という形式をとったところに援助資金として流入している。これを、すべてけしからんといっては、民主主義国家は成立しない。思想、信条の自由が保障されているし、保証すべきです。そのための政治運動や日常活動は誰もさまたげることはできないわけです。

 一方、考えなくてはならないのは、そうした外国というか、外部によるロビー活動や、特定宗教団体によるロビー活動にくらべて、ここにいるみなさんのような国内というか、内部のロビー活動はいかがだろか?そうした外部や特定の宗教団体のロビー活動に対して、違和感や嫌悪感をもつのはいいとして、では、それに対抗するだけのロビー活動をしているだろうか?してきただろうか?という素朴な疑問があるわけです。

 ひとつ我が国のロビイスト集団として、経団連などの経済団体があります。農業や漁業者のための団体、農協などがあるかもしれない。靖国神社をまもるための遺族会もあるかもしれない。それぞれの業界団体が、それなりの政治団体をつくっている。それぞれがロビー活動をしてきた。しかし、そうした政治団体が、本当の意味でのロビイスト集団として機能を果たしてきたかどうか?という疑問があるわけです。これが、私のいいたい「ロビイストの質の差」ということです。

 既存の我が国の政治団体といわれるところが、選挙の票をあつめ、圧力団体として機能してきたかもしれない。それぞれがロビー活動をおこない、ロビー活動をするための政治資金を投入してきたかもしれない?しかし、それは有効に機能してきたであろうか?むしろ逆でないか?

 これは表現としてかなり極端になるけど、むしろ「たかり」「おねだり」の政治集団として、既得権益をまもるだけの、守りの政治集団になっていないだろうか?さらに、その既得権益は、時代の趨勢のなかで、はたして合理性や整合性のある既得権益だったのか?

 たとえば、建設・土建業界の政治団体が、かなりその力をうしなっているというのは先の参議院選挙の結果をみれば明らかでしょう。ここにはその関係者もいて、さきほど、「もう地方はがたがたです」という話をしていた。
 つまり、政治に対する圧力団体として、さらに選挙時においての集票機関として、さらにその活動を支える集金能力そのものも衰えている。
「公共事業費が削られたから」「小泉改革のとばっちり」という。つまり、お上のさじ加減ひとつで、簡単に衰退したり、繁栄したりする程度の政治団体だったのだろうか?これは、厳密な意味でのロビイスト集団とはいえないのでないか?
 建設業、土建業は、本来は国の根幹をなす事業のはず。田中角栄が「土方は、地球の彫刻家」といいました。そのプライドと意識があるのだろうか?公共事業にぶらさがるたんなる「たかり集団」でないはずです。たんなる「たかり集団」であれば、だれからも支持されない。そのロビー活動も波及力はない。ただ、卑屈になるだけ・・・・・。
 ここには、その関係者がいるので、あえて厳しい表現をつかいましたので、お許しください・笑。

 他に、衰退している産業がある。構造不況におちいっている業界もある。

 労働組合というのも、その一つに含まれるかもしれない。ここには連合の人もいるのでいいやすいのですが、組織率も動員力、集金力も衰えている。当然、その政治力も衰えている。
「若い人が、組合に加入しない」という話を先ほどうかがいました。「若い人が組合に加入するためのなにかいい方法がないか?」という質問もうかがいました。
「ないですね」と私は即答しました。

 私が、その若い人だったら、今の組合や連合さんのパンフレットみても残念ながら加入しないかもしれない。理由は、「なんか格好悪いから」「ナウくないから」です。
 労働組合が、自分たちの生活や職場をまもってくれるとはとても思えない。自分たちの生活や職場をささえる国家をまもってくれるとはとても思えない。それでなくても安月給なのに、そこから組合費を天引きされたらたまらない。

 これが、ごく普通の感覚でしょう。組合とはなんなのか?その役割はなんなのか?その目的と、その手段が明確でない。
 
 かつては、より住みやすい社会、搾取のない経済、一部資本家だけが利潤を独占する、資本主義の社会から、平等で公平や社会主義社会をめざすための組合という幻想としての存在があった。もちろん今の連合ではありませんけれど、こうした幻想があった時代に、そこそこ組合に若い人があつまり、そこそこの政治力があった。ま、結果的に社会主義というのは幻想だったということで、その幻想が一気に瓦解してしまう。未だに、その幻想を抱いている組合もあるようですが・・・・・笑。
 とすると組合として考えてほしいのは、ロビイストとして何ができるか?ということですね。ロビー機能をもっているか。

 ロビイスト、ロビー活動というのは、その団体、組織の利害、利益関係の目的達成が第一です。ただし、そのロビー活動が反社会的なものなら、だれにも受け入れられない。さらに、その考え方や運動方針が、一般に支持されないと波及しない。つまり、影響力もたない。影響力をもたないロビー活動というのは、くずみたいものです。

 また、組合の話で恐縮ですが、公労協などは、地方の公務員の組合です。いま騒がれている、社会保険庁の職員などもそうした組合にはいっている。残業はしない。45分働いたら、15分休憩。人事は組合に事前通知する。ネコババがばれても、すぐに首にしない。まず組合に相談する。そして、毎年、給料はベースアップする。福利厚生施設は毎年、拡充する。・・・・これはそこではたらく公務員にとって、非常に便利のいい組合です。これが、民間会社だったら、すぐに倒産するけど、なんせ親方日の丸です。当然、ロビー活動もします。自分たちの権利をまもってくれる組合の幹部などを、国会議員にする。そうした政党や国会議員を応援する。立派な圧力団体ですし、立派な政治団体です。立派な集票マシーンでしょう。これもロビー活動です。

 しかし、この内容が一般に明らかになったらどうでしょうか?猛反発をくらう。一般に支持されないどころか、「そんな組合つぶせ」となってしまう。そして、実際に潰れる。

 ですから、ロビイストとか、ロビー活動というのは、その資金力、政治力も大事ですが、もっとも大事なのは、広報、PR活動です。ひろく一般に支持されるロビー活動でないと、限界があるということです。

 先ほどの話にもどりまして、建設・土建・橋梁関係のロビー活動をみてみましょう。「小泉改革で公共事業が削られた。だからけしからん。自分たちの死活問題だ。もっと公共事業予算をふやせ」というのが、そのロビー活動の究極の目的だとします。しかし、そのためになにをするか?昔の、組合みたいに、旗掲げてデモ行進か、国会前に座り込みますか?ま、それをやってもいいとして、それは一般に支持されますか?好感をもって迎え入れられますか?
 そこを考えなくてはならない。

 ここで考えなくてはならないのは、ロビー活動の内容であり、ロビー活動の質です。

 と考えると、好き嫌いは別として、北朝鮮、韓国、中国、ロシアといった外国のロビー活動は、金もつかっているし、人もつかっているし、マスコミにも働きかけているけれど、そこでいえるのは、かなり巧みで、まじめで、一生懸命だということです。上手ですね。とくに世論にうったえるのがうまい。ただ、政治家に金をばらまいているだけでないわけです。
 ここに明確に、ロビー活動の質の差があります。

 では、具体的に考えてみましょう。

・・・・・・・・・・・以下略・・・・・・・・・・・・・・

(談話を起こしたものですので、一部にふさわしくない表現がふくまれていることを、お断りさせていただきます。なお、談話内容ですので、転載、引用はお断りさせていただきます

管理人拝