「12月4日公示、12月16日投開票日」
 今、永田町で衆議院選挙の日程がささやかれだした。
 本来、福田政権の方針は、「丸呑み解散先延ばし作戦」だったはずだ。

  7月の参議院選挙で自民党は「松岡利勝農水大臣の自殺」や「赤城徳彦絆創膏大臣の出現」などで自滅。民主党が大勝し参議院で与野党逆転の状況を招いた。
 小沢一郎民主党代表にとって「政権交代」へ押せ押せムードのはずだった。

 ところが、臨時国会冒頭で安倍晋三が突然総理を辞任、福田康夫総理が誕生した。

 突然の内閣交代は民主党の戦略を大きく変えざるを得ない。前安倍内閣はとにかく右翼的な国家体制を強行しようと対決姿勢一本槍だった。
 しかし、福田内閣は「野党と話し合って物事を決めていきたい」とひたすら低姿勢。

「福田内閣はクリンチ作戦。相手に抱きついて打たれないようにしている」
 鳩山由紀夫幹事長が言うように低姿勢に終始し、相手の出方をうかがいながらそれに応じて対応し自民党復活への時間を稼ごうというのが福田内閣なのだろう。


 参考:福田康夫政権をつくった新5人組の合意メモ 2007年09月30日
     小沢一郎・民主党の政権奪取の前哨戦 2007年10月04日


 民主党が「クリンチ作戦」でもたついている間に自民党は徐々に逆襲に出てきた。
 民主党の渡部恒三最高顧問が政治団体の届け出の不正を指摘され最高顧問を辞任。
 また、小沢一郎代表の政治団体が家賃収入を得ていた問題が発覚。政治団体が営利事業をすれば政治資金規正法に違反するのだ。
 小沢代表はこれまで得た家賃収入の総額2600万円を返却するといわざるを得なくなったのである。

 さらに小沢代表には「自由党解散」時の政治資金が不透明だったことが指摘されている。自由党が解散し民主党に合流したとき、それまであった自由党の政治資金数億円が別の団体へ寄付され、この金がどうなったのかわからない。小沢代表の裏金になったのではないかと噂されているのだ。自民党の次の「小沢ネタ」といわれている所以だ。

 参議院で大勝し押せ押せムードだった民主党は徐々に逆風にさらされだした。

 一方、「クリンチ作戦」がよかったのか、福田政権の滑り出しは上々で10月の支持率も50%を維持しており、それに伴って自民党の支持率も30%台を回復してきた。

 今臨時国会の最大のテーマは「テロ特措新法」の成立である。インド洋上の「無料ガソリンスタンド」をどうするか、与野党の攻防戦が熱くなった。参考;
 政府・与党は11月1日に切れるテロ特措法に変わって、洋上支援を継続できるようにしようという新たな新法を作ろうというわけだ。
  民主党は「洋上支援は必要ない。新法成立にも絶対反対する」と強硬姿勢。

 自衛隊イラク駐留軍の司令官で「ヒゲの一佐」でおなじみ、しかも先の参議院選挙に当選した佐藤正久議員が言う。

「インド洋上の無料のガソンスタンドという指摘がありますが、あの地域に自衛隊の艦船がいるということが大事なんです。今はアメリカよりパキスタンの艦船への供給が大半です。パキスタンの艦船が日本からガソリンの援助をうけてインド洋に展開し麻薬の出入りやテロ、武器、資金の移動などを臨検し監視している。海自の給油艦だけでなく護衛艦もいるので海の安全が守られているんです」

 政府はテロ特措法審議の時にはいわなかった
「海自の活動は中東からの石油供給のシーレーン防衛もかねているんだ」と付け加えている。だからなんとしても洋上給油は必要だとアメリカと組んで国連安保理感謝決議までさせるという手の入れようだ。

 小沢代表は「国連決議のない洋上給油は憲法違反だ。何としてもテロ新法反対」を貫こうと行動しているのだ。
 しかし、一方で政権を取ったら自衛隊をISAFへ参加させようと言い出した。
 これには、野党内でも「国連決議があれば自衛隊を出していいというのはそれこそ憲法違反じゃないか」
 と小沢代表の意見に反対する声が多い。

 民主党内でも前原誠司副代表や枝野幸男前政調会長など若手議員から、
「これは民主党内で集約された意見ではない」
 と小沢代表のISAF参加に反対する意見が多いし、社民党系議員らは「集団的自衛権に抵触するので反対だ」。

 小沢代表は、
「多数で決めたことは党の方針に従って行動しなければ党人ではない。いやなら離党する以外ない」といい、俺のいうことを聞かないなら民主党から出て行けといわんばかり。実は、「いやなら出て行け」というのが、「小沢さんの悪い癖」(ボス談)なのだそうだ。新進党時代も、自由党時代もこの悪い癖で、側近といわれている議員が離反していった。「学習効果がない」(ボス談)

「洋上給油」に対して読売新聞の世論調査では賛成が反対より若干多いのだ。朝日新聞はこの逆。

 臨時国会は11月10日まで。テロ特措新法は10月17日に閣議決定され国会に提出された。
 当然、審議時間の関係から開期が足らないので2週程度は延長になる。
 衆議院では可決されることは間違いない。
 しかし、与野党逆転している参議院では野党が審議引き延ばし作戦に出るか否決され衆議院に戻り、2/3の賛成で議決される?
 あるいは参議院側が「慎重審議」を要求し、スルズル、ダラダラ、ネチネチと質問を続け国会審議未了で廃案へ追い込む作戦。

 そこで、「テロ特措新法」で野党内、あるいは民主党内で不協和音が鳴り響いているうちに「エイヤー!」と解散総選挙に打って出れば自民党は勝てるというわけだ。

 テロ特措新法を衆議院で通過させたのに「小沢民主党」抵抗で国際貢献できないという理屈だ。
 与党側は世界に対してアリバイになる。

  自民党議員が言う。
「民主党議員は若手が多く『参議院で勝った、勝った』と今、油断している。、また、党内でも小沢代表が嫌いという議員も多い。小沢の一声で決まっていた自由党とは訳が違うんだ。
 政府は来年度の予算案に地方重視で予算ばらまきを盛り込めば、地方の自民党支持者も戻ってくる。
 世界にもテロを許しているのは民主党であるという印象を国民に与えれば、民主党支持も下がってくる。
 自民党は小泉内閣で小泉チルドレンなどのわけのわからん、バブル議員が増えすぎた。総選挙で40〜50議席減っても過半数以上当選できれば、『小沢民主党では政権は取れない』と参議院の国民新党、小沢代表嫌いの民主党議員も自民党に合流する可能性もある。11月中旬、参議院でテロ新法が膠着状態になったとき、『国民の信を問う』と衆議院解散を打てばいい。
 その準備はすでにしている」

「勝った、勝った」で思い出すのが、真珠湾奇襲攻撃。

参考:真珠湾攻撃-youtubeで見るニュース by オフイス・マツナガ
    Pearl Harbor WWII-youtubeで見るニュース by オフイス・マツナガ


 12月8日7:55 南雲忠一第一航空艦隊長官率いる攻撃部隊は真珠湾に奇襲攻撃を開始。
    
 12月8日13:00   大本営海軍部の発表 報道部長 平出大佐は
「帝国海軍は本八日未明、ハワイ方面の米帝国艦隊ならびに航空兵力に対し決死的大空襲を決行せり」と発表。戦果は以下の通り。

18日の発表  (第一波、二波攻撃)の戦果は
  撃沈 = 戦艦5、給油船1
  大破 = 戦艦3、軽巡2、駆逐艦2
  中破 = 戦艦1、乙巡4
  航空機 炎上450、撃墜14,撃破多数
  格納庫18棟を炎上または破壊

 上記に見られるように最大の目標である空母が真珠湾におらず、空母撃沈ができなかったのである。にもかかわらず南雲艦隊は「勝った、勝った」と戦勝気分に一変、意気揚々として日本に凱旋した。

「戦争は反復攻撃が大事」というセオリーを全く無視したことで、米国も唖然とする。
 真珠湾攻撃時に反復して何度も攻撃を仕掛けて入ればその後に真珠湾に帰ってきた空母を轟沈できていたはず。
 また、この攻撃で空母撃沈ができなかったことはもとより米国太平洋艦隊が1年分動き回る燃料タンクと艦艇の造船整備施設を破壊しなかったことで後の戦局が劇的に変わっていたとのアメリカ側の指摘もある。
 真珠湾攻撃後、撃沈された戦艦や巡洋艦を海底の浅い真珠湾から引き上げて造船工場で修理し、戦線に送り出していたのである。
 さらに、アメリカ本土の工業力は「リメンバー・パールハーバー」を合い言葉に軍事力増強に絶大な力を発揮していった。


 とにかく日本人は「始めるときはビクビクしながらやるが、一旦調子が良くなると後先も考えずに『やった、やった』と大威張りする傾向にあるらしい。

 民主党は先の参議院選挙で凋落傾向著しかった安倍晋三内閣に向け「姫の虎退治」など小手先だけの大宣伝を行い「勝った、勝った」と大はしゃぎ。
 余談だが選挙後に「姫」にも露骨な男性遍歴があったことが暴露されていく。

 自民党の動員力の原点は1,土建屋2,農協3,新樹会(特定郵便局会)である。
 地方の公共事業を増やし、農業を手当を良くし、平沼赳夫元経産大臣や落選した郵政民営化反対議員を自民党に復活させて次の総選挙に公認させれば敢然と動員力が戻ってくるのだ。

「勝った、勝った」と民主党風に乗って当選した若い議員には選挙の怖さが分かっていないし、後援会などの基盤も盤石でない。

 民主党内では、
「政治家に就職したいなら、朝、駅立ちして演説をぶつ。そうすれば、市議や県議、または、いきなり国会議員に就職できる」などという戯れ言まで言われているのが現状なのだ。 
    
「勝った勝った」と浮かれて、衆議院選挙区に貼り付ける候補も未だに100人ぐらい足りない。
 そんな民主党に対し、内閣支持率も自民党支持率も高くなった今こそ「解散総選挙」を仕掛けるときなのだ。自民党にはそれだけの余力が残っている・・・・・という理屈なのだろう。

「勝負は時の運」やって見なければ分からないともいうけど。
 
 問題は福田康夫総理に「解散だ!」という度胸があるかどうからしいのだが、小泉元総理は自らの度胸で95年(注意:訂正・05)年9.11選挙に大勝利した。

 12月4日公示、12月16日(大安)投開票日に向かって衆議院議員は徐々に動き出しつつあるか?


 文責:辻野匠師

(注意:ボスから、文責部分は、「ゴッチク(太字)にしておけ」という命令ですので、太字で級数もあげておきました)