「厚労省はC型肝炎の原因をエイズウイルスをまき散らしたミドリ十字(現三菱ウエルファーマ)の作ったフィブリノゲン製剤が原因だと判っていたんです。しかも、今から30年前の話です。
役人と製薬会社は密接にくっつき合い、国民の健康と安全を自分らのもうけのために隠蔽して来た。とんでもない連中だ」
民主党の山田正彦・影の内閣厚労大臣が言う。
当時のミドリ十字はアメリカの監獄に収容されていた麻薬患者、売春婦、あるいは買血で収集した血液から止血剤になるフィブリノゲンを抽出生成していた。
このフィブリノゲンを大量出血した患者や妊産婦の止血剤に使用していたのである。
ミドリ十字の売り物は「フィブリノゲン」がトップ。これで大儲けしていたのだ。
だから薬害なんぞは関知せず、とにかく売りまくった。
87年、青森でフィブリノゲンを投与した妊産婦8人が8人ともC型肝炎に感染して大変な目に遭っているという報告が厚労省にもたらされたのである。
厚労省はミドリ十字に多くの天下りを入れている関係で「薬害」ということになったら世間的にまずい。
そこでミドリ十字と厚労省薬務局安全課牧野室長が、
「理論的武装が必要だ。患者の不利益についてやむを得ないと事を述べている文献を探せ。
また、現在の学問レベルでは原因究明、予知は無理という文献はないか」
と示唆。
さらに「良くするには研究開発か手がないということで肯定していく。即ち努力してもここまでが現状と行くことでいこう」
と患者よりミドリ十字を守る、さらに天下ったこう厚労相の先輩を守ることに悪知恵を働かせたのである。
そのおかげでフィブリノゲンによるC型肝炎患者は全国的に30万人とも言われ肝炎の病気に悩まされている人も多いし、さらに進んだ肝癌で亡くなる人も多いのだ。
C型肝炎は早期の場合「インターフェロン」注入で完治すること判っている。
C型肝炎の治療には患者自身に大変金もかかるし、その間仕事もできず貧困にあえぐ人も多いのが現状。
厚労省はこれまで「フィブリノゲンをいつどこで投入したのか判らないし、患者も知らない」と言い張ってきた。
ところが、C型肝炎に取り組んだ民主党の菅直人元厚生大臣、山田正彦ネクスト厚労大臣、山井和則議員らが「患者リストはあるはずだ」と厚労省に迫ると渋々「地下三階の倉庫に418人分のリストがありました」
と出してきた。
菅直人民主党代表は
「いつ誰がリストを倉庫に隠したのか、誰がリストを発見したのか。はっきり言え。あんた方は患者や病院のプライバシーを強調するが、救える患者にははっきりと本人に告げてインターフェロンの治療を国の責任で受けさせるべきじゃないか。これじゃ、エイズ問題と一緒だ」
と厚労省の役人に迫ったが、「ウンともスンとも」言わずに逃げる。
実は患者418人分の投薬リストは02年に厚生省に届けてある。
この時の厚労省担当者が宮島彰だった。
宮島は「このリストは調査しただけで一般に公表する物ではなかった」と嘯いているし、倉庫に隠した人物ではないかといわれているのだ。
山井和則代議士が言う。
「この人物が何と健康被害を受けた方には「より迅速な」救済を行うことができるという独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の理事長をしているんです。
つまりC型肝炎ウイルス患者名を握りつぶした当事者が薬害被害の救済を担当する独立法人の理事長に天下ってるんですから、厚労省ってどういう役所なんですかね。
舛添大臣が「患者救済をやろう」なんて言ってますが、あれは大臣の遠吠えだと厚労省の役人は患者救済なんて全くやる気がないようです」
「笛ふけど踊らず」「のれんに腕押し」
霞ヶ関は腐りきっている。
大連立構想に一喜一憂している場合じゃないですよ。小沢さん。
今、30万人とも言われるC型肝炎ウイルス患者の薬剤訴訟を巡って厚労省はてんやわんや。やっと重い腰をあげたが、どこまで救済と謝罪ができるのか?
しっかりと、見守りたい。
参考:薬害c型肝炎 症例一覧表公開 2007年11月08日
以上
文責:辻野匠師