「地方で社会保障費、教育にしわ寄せがくることも考えられる。お金が天から降ってくると言ってるんではないか」
 町村信孝官房長官は民主党が主張する揮発油税特別措置の廃止に対してこう皮肉った。

 3月31日に期限が来る「揮発油税および地方道路税」「軽油取引税」など「自動車重量税(4月30日)」の特別措置を巡って与野党の攻防戦が始まった。

参考:ガソリン税

 07年度道路特定財源税収
<国>   3兆4076億円
 揮発油税   (現行48.6円/リットル。本則24.3円/リットル)
   税収     2兆8395億円
  地方道路税   (現行5.2円/リットル。本則4.4円/リットル)
   税収       3072億円
 自動車重量税 (現行6300円/0・5トン。本則2500円 )
      税収           5549億円
 石油ガス税  (現行17.5円/kg 本則通り)
 
<地方>  2兆2026億円
 地方道路譲与税(ガソリンとともに上乗せされる税金)
         (現行5.2円/リットル 本則4.4円/リットル)
      税収      3072億
 軽油取引税   (現行32.1/リットル 本則15円/リットル)
   税収      1兆0360億円 
 自動車取得税  (現行 取得価格の5% 本則 取得価格の3%)
      税収      4855億円
 石油ガス贈与税 (現行17.5円/kg 本則通り)
   税収       140億円
 自動車重量贈与税 (現行6300円/0・5トン。本則2500円 )
      税収      3599億円
 
   国・地方税収合計  5兆6102億円
 これに消費税がかかる二重課税。

 

 これに、特別措置税が廃止され本則に戻れば、1兆6000億円の減収になる。地方税収も大幅に減り9064億円になる。 

 自民党議員が言う。
「地方の道路予算は半減となり新規道路事業はストップ。やれることは道路の補修整備しかできない。 もし、新規道路を造ろうとすれば教育や福祉予算を削って道路事業予算に回すことになる。こんなことになったら大変だ。民主党のせいでこうなったといわれても仕方がない」  

それに対し、民主党の川内博史ガソリン値下げ隊隊長がこう言う。

参考:川内博史-youtubeで見るニュース by オフイス・マツナガ

 

「政府・与党が言うのは大嘘です。国の直轄事業は道路特定財源で賄っていますが、地方の道路整備予算は45%が一般財源なんです。
 つまり、地方自治体が道路整備するときに国もだすが地方からも金を出させているんです。
 道路特定財源は道路にしか使えない。どうして教育や福祉予算を削って道路整備費に回さなければならないのでしょう。
 昨年暮れ、政府と与党は今後10年間で59兆円を超えない範囲で道路整備計画を進めることで合意しました。
 その事業内容は基幹ネットワークの整備、渋滞対策、騒音対策などに使われるというもの。これには地方単独の事業は一切関係がない。
 要するに、現政府は地方自治体が事業やるなら金を出せというのです。

 開かずの踏切対策1400カ所ーこんなにあるはずがない。
 渋滞対策3000カ所ー信号を2回以上待つのが渋滞の定義だそうです。
 こんなことは地方にない。
 政府の試算でいくと新規道路整備のコストは1キロあたり80億円にもなる。
 国交省は空港・港湾から高速道路のインターチェンジまで早く行けるよう整備をする。
 一例を挙げれば貿易量が増えてきた伏木富山港から近くの小杉インターチェンジまで10分で行けるよう8キロの道路整備をする。
 8*80=640億円。
 これまで小杉インターチェンジまでは15分だった。たった5分の短縮のために640億円もかける必要があるんですかということですよ。

 こんな無駄な事業なんてする必要はない。不要不急な道路事業以外する必要はないんじゃないですか。
 政府は道路整備事業に10年間で60兆円もかかる。
 一般財源に回す金はないといってますがそこには地方自治体のことなんて何も考えていない。
 幹線道路は大手ゼネコンが全部押さえるから、地方の土建屋に仕事が回ることもないので地方はますます景気が冷えてくる。
 税収が半分の10年間で30兆円になれば政府は何もできないと言うんでしょうか。

 地方自治体の知事が『暫定措置を維持し欲しい』と政府に要望を出してます。
 これは政府特定財源の実態を知らない地方の首長らの不安につけ込んであおり立てている脅しなんです。
 まあ、道路特定財源死守のための陰謀とでも言いましょうか。

 現在、石油が100ドル/バレルになったり小麦粉が高騰したりと消費物価の高騰が言われていますし、それに伴って株価下落、景気の落ち込みが国民生活に暗い影を投げかけています。
  そんな時、ガソリンが26円も安くなれば流通経費はだいぶ安くなる。そればかりじゃない。農業・漁業の生産コストも下がるし、その周辺への波及効果はかなりのものがある。

 通常国会では国民の70%が賛成するガソリン税の引き下げばかりでなく、一般会計と違って何に使われているか分からない、また役人の天下りの温床になっている揮発油税を含めた400兆円とも言われる特定財源のあり方も追求していきますよ」

  3月31日で租税特別措置の切れる法律は揮発油税を始め住宅ローン控除など数十本ある。
 与党としても1月一杯で租税特別措置法案を上げなければガソリンが4月1日に税率が下がる。
 それ故、政府与党は何としても3月中に伝家の宝刀2/3を使って何としても成立させたいと思っている。
 4月1日に156円から130円/リットル下がったガソリンを数日おいてまた元の156円に戻すことは与党としても次の選挙で惨敗しかねない大変問題なのだ。
 もっとも、4月1日からガソリンが26円下がる訳じゃない。3月31日までに製品出荷された分には暫定税率の48.6円が掛けられているのでそのガソリンが無くなるまでは現行のままなのだそうだ。
 ガソリンの値段が下がるのは5〜6月頃だろう。

  政府与党は野党の抵抗で1月31日までには揮発油税の暫定税率継続が通過させられるかどうか、国会を混乱に巻き込んで強行するのは難しい。
  そこで与党は衆議院強行突破が出来そうもないと考え名案を思いついた。
 政府与党は揮発油税など道路特定財源を租税特別措置法案として一括審理することにした。
 民主党がガソリン税を下げさせると頑張れば頑張るほど住宅ローン減税や法人税減税など民主党の支持者も困る法案が廃止になるというジレンマが生じるというわけだ。
 政府与党は法案一括審議で民主党も折れるしかないと思っているんだろう。

「政府与党はこんなことになったのは民主党のせいだ」
 と宣伝したいようだが、住宅ローン控除や法人税などの税控除は来年3月の税務申告の時期に間に合えばよい。
 だから野党は堂々とガソリン税の暫定税率阻止を狙って国会闘争を行うようだ。

 追加:これに対して自民・公明は、3月末に期限が切れるガソリン税の暫定税率などの租税特別措置をめぐり、期限を一律に2カ月間延長する法案を議員立法で衆院に提出する方針。
 
参考;

期限延長法案、28日夕にも提出 ガソリン税で与党
朝日新聞, Japan - 20 hours ago
自民、公明両党は28日、3月末に期限が切れるガソリン税の暫定税率などの租税特別措置をめぐり、期限を一律に2カ月間延長する法案を議員立法で衆院に提出する方針を ...
ガソリン税据え置き、与党が2か月延長法案提出へ 読売新聞
与党「つなぎ法案」きょうにも提出 野党は拒否、再審議へ 中日新聞
与党、つなぎ法案提出へ 暫定税率延長 月内の衆院通過確認(01/28 11:42) 北海道新聞

 


 3月の08年度予算と租税特別措置法案を巡って解散もあり得る? 

以上