チベット弾圧にかんして、実は情報遮断の状態だ。

 チベットには外国メディアの記者は入国禁止。以前、北岡記者がチベットにいったときも「職業欄にジャーナリストとか記者と書かないでくれ」と現地の旅行代理店の人にいわれたそうだ。そして観光名目で入国した。
 記者やジャーナリストが入国できない地域。
 記者がジャーナリストがいない地域だ。
 いるのは中国政府のお墨付きをもらった中国のメディアだけである。
 そのため今回のチベット ラサ弾圧に関しても、現地市内の生々しい情報は断片的にしか伝えられてこない。
 日本のテレビなどで報じられる映像の大半は、中国政府のお墨付きをもらったというよりは、検閲済みの映像であり、検閲済みのニュースである。

 今回のラサ弾圧の最初の情報ソースは、Radio Free Asia/自由アジアラジオ放送の報道であり、現地在住者、現地旅行者の断片的な情報だった。

 こうした中でつたわってきたのが、今回のチベット弾圧だった。

中国:ラサで僧侶、チベット政策に抗議デモ 70人拘束 
毎日新聞 2008年3月11日 22時03分

 米政府系放送局「ラジオ自由アジア」によると、中国チベット自治区ラサで10日、チベット仏教の僧侶ら数百人が中国のチベット政策に抗議するデモを行い、警官隊が約70人を拘束した。
 外務省の秦剛副報道局長は11日の定例記者会見で「僧侶は、社会の安定を害する違法活動を行った」と述べ、僧侶の行動を批判した。(共同)


人民解放軍、チベットの僧院を包囲
2008年03月14日 16:21 発信地:北京/中国

【3月14日 AFP】中国のチベット(Tibet)自治区の中心都市ラサ(Lhasa)で、人民解放軍が市内3大僧院を包囲した。米ワシントンD.C.(Washington, DC)を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン」(International Campaign for Tibet、ICT)が14日、明らかにした。
 ラサでは中国のチベット統治に抗議するデモが連日行われており、当局が厳しい取り締まりに出るのではとの懸念が高まっている。
 ICTによると、ラサでの抗議行動3日目に、僧侶ら数百人がデモに参加したことから、中国当局は、市内で最も大きな3つの僧院を包囲した。ICTはさらに、ラサのセラ(Sera)僧院で、ハンガーストライキが行われているほか、自治区の中心から離れた地域の2か所の僧院にも抗議行動が広がっていると伝えている。
 ラサの住民らと話をしたICT広報のケイト・サンダース(Kate Saunders)さんは「ラサは現在、不安と緊張の入り交じった雰囲気が強まっている」と英ロンドン(London)から現地の状況を伝えた。
 サンダースさんは、中国政府は僧侶一人一人に対する聴取を開始しているものの、従来に比べて抑制された対応をとっているとの見方を示した。
 ICTの声明によると、包囲中の僧院への旅行者の立ち入りは禁止されている。(c)AFP

僧侶2人が重体、混乱続く チベット、動乱から49年
2008年3月14日 17時03分

【北京14日共同】米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は14日、1959年の「チベット動乱」から10日に49年を迎え、中国政府に対する抗議デモが起きた中国チベット自治区ラサで、僧侶2人が手首を切り重体に陥ったほか、寺院で僧侶がハンガーストライキに入るなど混乱が続いていると伝えた。
 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)は、抗議の規模は89年に戒厳令が敷かれたラサ暴動以来最大と指摘、隣接する青海省にも広がっていると指摘した。一方、中国政府は「少数の僧侶が騒ぎを起こした」(外務省)と抗議の発生を認めたが「人民の生活の一切は正常」(自治区当局者)と強調している。
 同ラジオによると、重体に陥った僧侶2人は13日、手首を切った上、腹などを刺し病院への搬送を拒否。ハンガーストライキに入ったのは市内セラ寺の僧侶で、10日のデモで拘束された仲間の釈放を要求している。デモは10日から13日まで連日発生、最大で僧侶ら600人が参加した。


チベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも
2008.03.14 Web posted at:  21:24  JST Updated - CNN

 中国の国営・新華社通信は14日、チベット自治区ラサで同日、チベット系住民が複数の商店を焼き、多数の店が営業を中止したと報じた。中国人系の商店を標的にしているとの情報がある。負傷者が出ている可能性もある。チベットでは1989年、暴動が起き、戒厳令が発令されているが、今回の騒乱は同年以降、最悪規模との見方もある。
 チベットやインドではここ数日間、中国支配に反発する地元住民の抗議活動が多発している。チベットは1959年の「チベット動乱」後、中国の支配下にある。AP通信によると、一連の抗議活動は同動乱から10日に49年となったことを受けた形となっている。
 中国は今夏、五輪主催を控えており、チベット情勢が悪化すれば国際社会の視線を踏まえた難しい対応を強いられそうだ。AP通信によると、チベットの中国共産党支部は電話での問い合わせに対し、ラサなどでの混乱の情報はないとしてコメントを避けた。
 同通信や目撃者によると、ラサでは14日、約千人のデモ隊が治安部隊に投石、軍トラックを壊すなどした。車両が焼かれ、警官隊がデモ隊に催涙弾を発射、銃声も聞こえたとの証言もある。
 米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は13日、チベット僧2人が中国支配への抗議活動で手首を切り重体とも報じた。また、11日には僧侶数百人がデモ行進し、治安当局が催涙弾で解散させたとも伝えた。
 亡命チベット人の団体は、治安当局がラサにあるチベット僧院3カ所を包囲、僧侶らの行動を規制しているとも述べた。

 

 うちによくトラックバックしてくれる米国在住の米流時評さんは、そうした状況をおさえたうえで、米国内でNBCニュース速報がどのように報じてきたかを、整理してくれている。ラサの天安門事件 中国軍のチベット人デモ弾圧で10名死亡

 そこから一部抜粋させていただく。
(注意いずれも、(米国時間 2008年3月14日 9:16 | NBCニュース速報・北京発である

 

 米国政府が出資して開局した Radio Free Asia/アジア自由放送のニュースによると、古都ラサの中央部で、路上の車や中国人経営の店舗に火を放ったデモ隊に対して、中国軍は実弾を発射し催涙ガス弾を放ったと報道された。この衝突でデモ隊の2名が死亡したと伝えられたが、他の報道内容では、実際の犠牲者数はそれよりも多く、まだ確認できないと報告されている。

 軍隊とデモ隊の衝突の現場に居合わせた目撃者は、ラサ市中央部のメインストリートにあるバルコル商店街で、銃声が聞こえ車が炎上するのが見えたという。群衆は治安出動した武装警察や、中国人経営のレストラン、ホテルを目がけて投石を繰り返し、入口のドアやウィンドーのガラスが割れた。「そこら中えらい騒ぎでした。車やバイクが炎上して、通りが炎と黒煙に包まれました。」当時の状況をこう語るのは現地のチベット人ガイドだが、当局の摘発を怖れて本名を明かさないという条件の下で語った。彼の話では、ジョカン寺院を取り巻くバルコル商業地区では、まるで道路全体から火が上がっているように見えたという。


 ツアーガイドの話では、武装警察の装甲車が先導する武装警察の一群が、ラサ市内中央部とポタラ宮殿前の広場へ通じる主要道路を全面閉鎖したそうである。ポタラ宮殿は、かつてダライ・ラマが幼少時まだチベット国内にいた時代には冬の居城だった場所で、1959年のチベット人のラサ蜂起はこの広場を舞台に起った。ガイドはさらに街中で見聞きした話を続けた。「ポタラ宮殿下の広場に近づいたとき、ライフルの発射音などではない砲撃音が聞こえました。ほかの人の話だと、武装警察がポタラ宮殿の西側のベイジンソングルのあたりで催涙ガスを発射したと言っていました。」


 ロンドンに本拠地を置く人権擁護団体「Free Tibet Campaign=チベット解放キャンペーン」に所属して、現地で抗議活動を続けていたマット・ウィッティケース氏の目撃談では、14日金曜の早朝、学生を含む400人近い抗議のデモ隊がラサ市中央のジョカン寺院広場の市場周辺に集まったが、そこで出動していた千名余りの中国の武装警察と衝突したそうである。この時点で武装警察の警官4名が負傷。さらにポタラ宮殿の周辺でも衝突が起きたとウィッティケース氏は言い添えた。

 ラサ市内中央にある広大なジョカン寺院、ラモシュ僧院、市内最大の市場チョムシグカン・マーケットが軒を並べるふたつのメインストリートに沿った商店街は、暴徒の襲撃の対象となって火が放たれ黒煙がそこらじゅうに立ちこめた。ジョンというファーストネームの旅行者は、BBCニュースの取材に応えて「武装警察が宿所近くの僧院周辺にいた僧侶を襲っていたのを目撃し、重装備の武装した中国人民軍の輸送部隊がラサ市内に侵攻したのを見た」と語った。


 太字にしたのは、いわゆる情報ソースである。
 現地に記者がいないため直接確認できない。
 そこでおのずと伝聞でのニュースになってしまう。

 当方のニュース検索サイトyoutubeで見るニュースでは、

 Tibetに関するニュース
 チベットに関するニュース

 のふたつで情報をとってみた。
 youtubeの動画もあるので参考にしていただくとして、

「問題は、こうした報道管制下での事態はしだいと、そのニュース報道の量が減ってくること。これこそが、報道管制を敷いたサイドの狙いでもあるわけ。
 この場合の報道管制は、国内向けと、国外向けがある。国外向けには、取材を規制しつづける。現地の生の状況がわからない。生の取材ができないから、おのずと国営報道の情報のほうが量と質でまさってくる。
 時間との勝負ともいう。情報は生ものだから、時間がたてば劣化する。さらに時間があれば、事件の証拠の隠蔽やら、証拠の消去も可能。中国はこの手口はよくしっている。
 次は国内向け。これも中国は得意だった。しかし、すでにチベット以外に飛び火している。特に警戒しているのが、インターネットの存在。国家ぐるみで、フィルターをかけて政府に都合の悪い情報を検索できなくするシステムをもっている。ところが、インターネットというのを、政府の都合のいいように掌握しようとしたら、インターネットそのものの存在を否定しなくてはならない。北朝鮮みたいに。これは、急速にIT化をはかっている中国政府にとってジレンマなわけ。
 すでに、中国では16日からyoutubeの動画が閲覧不可能になっている」(北岡記者談)

 動画投稿サイトであるyoutubeが、16日から閲覧できなくなっている。
 
 報道管制下だから、ラサ騒乱の映像、とくに治安部隊が騒乱を制圧・弾圧する映像なとはほとんど撮られていない。しかし、一部の報道関係者、旅行者などが撮影した映像が断片的にyoutubeに投稿されはじめた。また、チベット以外の地域に飛び火した抗議デモの映像などが投稿されはじめたからだ。

 投稿されたyoutubeについては別でエントリーする。

以上