日銀総裁人事は戦後初の空席になることが決定となった。

 参考:日銀総裁に関するニュース

 これで、日銀法第22条「副総裁は、総裁が欠員のときはその職務をおなう」
 国会が同意した白川方明(まさあき)・京大教授(58)副総裁となり、総裁を代行する模様。


 小沢一郎代表:
「民主党をはじめ野党の主張をわかっていたのに、『これをのみなさい』というのは高圧的なやり方だ」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長:
「武藤氏を不同意にして田波氏を同意する理由は全くみつからない」
「必ずしも国際的な金融問題に詳しくない人が日銀総裁として仕事ができるか。そのことが最も強い不同意の理由だ」
「空席リスクよりも、間違った人事を行って総裁に認めてしまった後の国民に対するリスクのどちらを大きく考えるかの問題だ」
「国民が取るリスクを最小にするとの判断から不同意を決定した」
「旧大蔵省と日銀のたすきがけ人事でいいのか。国際金融に詳しくない人が(総裁の)仕事をできるのか」

 仙谷由人・国会同意人事小委員会委員長:
「生々しいマーケットに対する金融政策の経験が不明だ」

 民主党幹部:
「2度続けて財務次官経験者を政府が提示してきたこは、財務省の執念を感じる」
「土足で踏みにじられた思い」

福田康夫首相:
「民主党のことはわからない。どなたがよいのか、そういう話を聞いたこともないし、こちらから何人も名前を出している」
「田波氏は国際金融をよくご存じだし、人格識見も申し分ない。今のように国際金融、日本の経済に問題の多い時代にはふさわしい方だ」
「経歴が大蔵省ということで、それでダメだというのはおかしな話だ」

 自民党幹部:
「候補者を差し替えるという屈辱的なことを甘んじてやった。財務省出身者だからダメという論理を受けいれると、悪しき前例になってしまうと思っている」
「今後提示する政府案が民主党の同意を得られるものになる保証はない」

 チキンレースの政界 〔株式マーケットアイ〕 〔外為マーケットアイ〕 2008年03月17日で指摘したように、小沢代表と、福田首相は完全なチキンレース状態になった。

 オフレコを条件に、自民党幹部。

「福田首相と小沢代表は昨年の党首会談以降、電話で直接話せるホットラインがあったはず。たぶん、今年の2月まではこのホットラインは生きていた。
 福田首相は『小沢さんからは、武藤さんでいけるとの感触を得ている』ともらしていたからだ。しかし、土壇場になって、このホットラインの回線が切断した。
 伊吹幹事長も、町村官房長官も民主党とのホットラインはない。
 『福田首相は小沢にはめられたのでない?』という人もいる。与党幹部の何人かが、福田首相にかわって、小沢代表に電話したが、小沢代表はまったくでてこなかった。二階さんなんかにいわせると『小沢の得意の手法という』。いざとなったら、連絡がつかなくなる。これが原因で小沢代表と袂を分かった議員は多数いる。となれば、福田首相も意地があるだろう。
 日銀総裁人事が空白になったと、マスコミが騒ぐかも知れないが、空白になるわけではない。副総裁が代行する」

以上