団鬼六77歳 いまだ現役なり 「我、老いてなお快楽を求めん」
2008年06月01日
我、老いてなお快楽を求めん―鬼六流駒奇談 (The New Fifties)
とある日、某出版社の文芸編集者が浜田山の団鬼六邸を訪れた。
用向きはこのところ社会の注視を浴びている「老いの性」をテーマに、斯界の第一人者に書き下ろしエッセイの執筆依頼だった。文芸編集者のA氏は四十代半ば。挨拶もそこそこに滔々とSM論を熱く語り始めた。
夜来からの徹夜原稿で未だモーローとしている鬼六先生、自慢の銀髪はボサボサ、それでもニコニコ肯きながらA氏の話に耳を傾けている。
「でありますから、私の見るところ、団先生は二十一世紀のマルキ・ド・サドとも言うべき官能小説界の至宝だと確信しています」
「フムフム。で、君の理想の女性像って」
滑舌も絶好調のA氏、待ってましたとばかりに
「谷ナオミ演じる『花と蛇』の静子夫人です。彼女こそ泰西絵画に於ける究極の女性美、アフロディティのヴィーナスと我が国の被虐のシンボルが渾然一体となって……」
と、またしても延々と熱弁が続くのだった。
「長々と失礼しました。ところで肝心の先生の女性の理想像とは」
「そら君、やらしてくれる女が一番に決まってるよ」
凍りついたように固まったA氏。二の句が告げないで目は宙をさまようばかり……でありました。
団鬼六が嫌うのは理屈である。とくに知識をひけらかすように理路整然と持論を話すA氏のようなタイプが気に召さないのだ。ただ、気に入らないからと言って真っ向から論破したりはしない。必ず皮一枚残す。敵が理屈に酔い痴れるピークを狙って“やらしてくれる”といったいかにも下卑た表現で瞬間冷凍してしまうのだから始末に負えない。
これこそが団鬼六一流のユーモアであり、人間観察の基本なのである。
「我、老いてなお快楽を求めん」(4月28日講談社刊)が売れている。
将棋専門誌『近代将棋』の連載エッセイとお得意の性にまつわるエロ人間群像を活写した数篇をまとめあげた、著者久しぶりの快心のエッセイ集だ。
加えて、近年重篤の腎臓病で死を覚悟した鬼六先生が、人工透析拒否宣言を翻して手術台に上がった途端に奇跡の大復活を遂げる一篇、「生還した瘋癲老人」。その迫真の下りは胸を打つ。面白くて、哀しくて、それでいて死を前にした作家の切ない心情が吐露されている。
まさに私小説作家、団鬼六の独壇場。老いも若きも必読をおすすめする。
団鬼六の「快楽」は大きく三つ上げられる。
一に将棋、
二に女、
三に金
一の将棋は無条件の快楽だ。自身唯一の道楽と言い、これまでに億単位の私財を注ぎ込んで奨励会の若手棋士たちの面倒を見てきた。
二の女は、いわばSM小説を書く上での飯の種。
三の金は一、二を支える原資かも知れない。
「先生はどういったタイプの女性がお好きですか?」
最近インタビューに現れた某新聞社の美人記者の質問に、鬼六先生は間髪入れず、
「あなたのような女性がタイプやネ〜」
女性記者は艶然と微笑み、こう答えた。
「いつでもどこでも馳せ参じます」
このときばかりは鬼六先生、目が点になったという。
作家団鬼六七十七歳。いまだ現役なり。
文責:N氏
参考:
団 鬼六(だん おにろく、男性、1931年4月16日(戸籍上は9月1日) - )は滋賀県彦根市生まれの小説家・官能小説家・脚本家・演出家・エッセイスト。
本名は、黒岩幸彦。初期のペンネームに花巻京太郎。なお、本人の弁によると筆名の読みは“おにろく”でも“きろく”でもどちらでも構わないとのこと。
関西学院中学部・関西学院高等部を経て、関西学院大学法学部卒業。高島忠夫と同期であった。1957年、文藝春秋 (出版社) 文藝春秋のオール讀物新人杯に『親子丼』で入選し、執筆活動に入る。自身の先物相場や株取引の経験を元に経済小説・相場小説を執筆し、このうち『大穴』は1960年に松竹で杉浦直樹主演で映画化されている。しかし、1961年頃に変名で「綺譚クラブ」に投稿した「花と蛇」が評判となり、官能小説の第一人者となる。ピンク映画の脚本の執筆を依頼されたのをきっかけに自身でプロダクション「鬼プロ」を立ち上げ、ピンク映画を製作するとともに篠山紀信と共にSM写真集の出版等も手がけた。とくに映画においては女優の谷ナオミと親交が深く、デビュー前から彼女を見出していた。また、元ボクサーで芸人のたこ八郎がアシスタントを務めていた時期もあった。官能小説家との親交も深く、同じくSM小説の大家である千草忠夫は「花と蛇」のファンであり、当時住んでいた神奈川県三崎を訪問している。団鬼六の詳細
動画関連:
書籍:
「おまえな、団鬼六先生といったら、、杉本彩でしょう」とは、当方のボス。
正直、思考が短絡的で、映像的で、単純すぎる。
「やらしてくれる女がいい女。あとは絵に描いた餅。つまり一山いくら」(ボス談)と日頃からいっているところだけが、団鬼六先生と共通しているかもしれないが、そう書くと、団先生に申し訳ない。
(参考までにいうと、杉本彩さんは、団鬼六さんの代表作「花と蛇」の映画化の主役に抜擢されて大ブレイクした)
申し訳なさついでに杉本彩さんの最新情報なんか、はったりして・・・・
杉本彩に関するニュースより。
デイリースポーツ, Japan -
女優・杉本彩(39)ら、のべ4000人を緊縛してきた伝説の縛師・有末剛氏(年齢非公表)の縛りテクニックが、映画「縛師 BAKUSHI」(31日公開)でスクリーン初公開される。世界10カ国の映画祭を回り、各国で「東洋の魔術!」と絶賛されてきた同作。1人 ...
ウオーカープラス, Japan -
「花と蛇」(2003)、「花と蛇2 パリ 静子」(2005)で満天下をうならせ、“性の改革者”として自他共に認める存在となった杉本彩さん。筆者もまた熱心な“杉本信者”のひとりのつもりだが、ここ最近、“ご本尊様”はテレビ方面などに露出が多くなり、「もう映画は後回し? ...
さらに動画もサービス。
それもボスが一番お気に入りのイメージビデオです。
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どうも、北岡さんにしか、かけない文体が復活しているようにおもえる。
いや、その他さんが、ダメだという話ではないですが、気になりました。
北岡さんの復帰は大歓迎です。
やはり、ボスを手玉にとって、料理できるのは、北岡さんでしょう。
もちろん辻野さんの原稿も期待しています。お節介なら、すみません。削除してください。