民主党臨時党大会がひらかれ、民主党代表に小沢一郎の三選が決定した。
 小沢・民主党がめざすのは「政権奪取」。

 これまで、断片的にふれてきたが、自民党が総裁選挙でうごくなかで、小沢一郎は、確実にうごいた。詳細な内容については、別で記述する予定だが、ポイントはだいたい以下だろう。

 自民党が福田総理の辞任をうけて、選挙で勝てる。もしくは、選挙の顔となりうる新総裁の擁立にうごいた。これにあわせて、小沢・政権奪取戦略が始動した。

 小沢サイドにとって、「麻生になろうが、誰になろうが、解散・総選挙で勝つ以外ない」ということだ。

 結果の見えた自民党総裁選挙といわれているなかで、実は、熾烈な権力争いがあった。

 まずは、自民党が仕掛けた民主党参議院崩し。
 これに対して、民主党は、姫井議員の翻意、慰留という反撃にでることによって「楔を打ち込んだ」(民主党幹部)という。
 しかし、一方の自民党は、「第2弾、第3弾がある。衆議院をいくら解散しても参議院で逆転している以上は、何の意味もない」。

 これに対して、国民新党の合併へと民主党はうごいた。
 結果としては、合併は流れたが「国民新党との選挙協力や、選挙後の閣外、閣内を含めた今後のながれができた」(民主党幹部)。
 しかし、自民党はこうみていた。
「国民新党に対して合併をごりおしすれば、国民新党は分裂する。我々は、参議院だけあればいい」と断言する自民党幹部もいた。

 当然、こうした自民党の思惑に対して、小沢一郎は承知済みである。だからこそ、この時期の、このタイミングで「国民新党との合併」という仕掛けをしたとみることができる。

 もう一つが、小沢一郎代表の選挙区の国替えである。
 当初、自民党の幹部でさえ「公明党と決定的に亀裂が生じる東京12区への出馬はありえない。これはブラフであり、公明党・創価学会への警告・誘い水。もし本当に12区から、出馬するなら自民党としてはむしろ歓迎する。これで、民公連立がなくなる。ふらふらしている公明党は自民党と一緒にやっていくしかなくなる。これ以上、無理な注文をつけなくなるだろう」とみていた。

 しかし、ここにきて、小沢一郎の東京12区出馬の可能性が高まってきた、仮に東京12区へ出馬しないとしても、公明党との連立の可能性が限りなく小さくなった。

「東京12区には、実は、新党日本の田中康夫が出馬の意欲をしめしている。小沢一郎代表は、ぎりぎりまで決断をのばすだろう」(民主党幹部)

 さらに踏み込んで発言する民主党議員もいる。

「小沢さんは明言はしていませんが、公明党・学会に、これまでのように権力のイニシアチブをとるような真似をさせたくないという強い思いがあるかもしれない。実は、昨年の保保連立での、裏のキーワードは公明党・学会はずしだった。小沢さんは、いい意味でも悪い意味でも、保守の政治家です。自民党から新進党、自由党、民主党と歩んできて、やはり、公明党・学会に対しては、相当の覚悟と決断があるのかもしれない。この決断と覚悟は、実は、もう一方の自民党の中にもあるかもしれない」(民主党内で反学会を宣言している民主党議員)

 しかし、現実は、自民党内だけでなくて、実は、民主党内にでさえ、学会票に依存しているおもわれるような政治家がいる。
 実は、今度の解散・総選挙、さらにどこが権力を握るか?という前提でこの公明党・学会の扱いがあるのかもしれない。これは小沢一郎代表だけでなくて、麻生新総裁とておなじ課題をかかえることになる。

 小沢側近を自認する一人は、
「公明・学会票が、800万票ある・・・・・。300小選挙区で2万から3万票ある・・・・・。という神話は本当に神話かもしれない。純粋の公明・学会票はせいぜい300万票。300小選挙区で1万票程度かもしれない。あとは、F票とかフレンド票といわれているもの。ここ数年の公明・学会票を分析してみれば、このF票とかフレンド票というのが、大幅に減少しているケースがいくつかある。
 労組の票がそうであるように、特定の固定票では、勝てない。これが小選挙区制度の現実。6割をしめるといわれている無党派層の票にくらべてみれば、特定労組の票や、特定団体の票、公明・学会の票に依拠していたのでは、戦いにならない。まして、権力などとることができない。逆に特定の票に依拠することによって、いわゆる最大の票田である無党派層の票を減らすことになるかもしれない。実はこうした傾向が、民主党だけでなくて、自民党も、最近の選挙の票の分析からでている。どこのマスメディアも表だって報道していませんが・・・。
 いや、オフイス・マツナガさんは、たびたび、そうした側面にふれていますがね?」という。

 ま、最後の下りは、削除していただいて結構ですが・笑。
 さて、そうした視点から、民主党の小沢一郎の三選をみてみよう。

 小沢一郎代表の所信表明演説の様子。

 

 小沢一郎は遊説疲れか少し風邪気味で体調不良の様子だった。
 所信表明演説の冒頭に声が出ず咳を一発してから話を始める。
 それでも声は時々かすれ、聞きつらかった。
 「これが最後の戦い」という演説は自民党5人の総裁選挙演説よりも、数段の迫力というか、凄みがあったかにみえる。
 実は、小沢一郎の所信表明演説の内容を、つぶさにみた自民党の麻生陣営の一人でさえ、「内容云々よりも、格調高く次期総選挙に対する意気込みが感じられる」とみとめたほどだ。
「これから、小沢の所信表明演説の内容をつぶさに解析、分析する」とさえいう。麻生陣営にとっては、明確に政敵となる「小沢一郎」を冷静にみている。
 その所信表明の原文を、後で全文掲載してみよう、


 

 記者会見では「東京12区に出るのか」との質問に
「私はこれまでそんなことは言ったことがない」とはぐらかした。

 

 しかし、
「公明、共産党との選挙協力は?」との質問には、慎重だが、たぶんに今後の政局をうらなううえで、きわめて重要とおもわれる回答をしている。

 

「何党であろうと民主党への支持は大歓迎だ。
 選挙ともなれば誰とでもやる。
 しかし、選挙協力と政権の枠組は別問題。
 国会運営など閣内でやることもあるし閣外協力と言うこともある。
 与党の一部との政権は考えていない。
 ネクストキャビネットは国民から現実的と思われているのでキャビネット全員とは行かないが、民主党が政権を取った場合にはそのまま内閣の大臣として入ってもらう」

 

 ・・・・・・・・・・公明党との連立政権。民公連立を明確に否定した発言と、その場にいた記者はうけとった。これは、きわめて重要は発言といわざるえないだろう。

 

 以下、小沢一郎代表の「所信表明・原文」
(クリックすると大きくなります)

小沢1
小沢2
小沢3
小沢4

民主党臨時党大会で発表された総選挙用CM。


http://officematsunaga.com/up/kadai_30s_0916.zip

http://officematsunaga.com/up/simei_30s_0916.zip

 

以上