17日、閣議後の与謝野馨経済財政担当相の談話。

 最近の株価動向について、
「株価が10%を超えた幅で上下するのは極めて異常なこと」
「米国経済も具体的な決算が出てくると、これに株価がどう反応するか予断を許さない。どこかで底値安定するはずだが、今は、日本経済を反映しているというより、NYの写真相場で株価が揺れている」

 株価急落の弊害について、
「個人消費が減退する可能性がある。企業の資産が劣化すれば設備投資意欲が薄れる。株保有率の高い生保の資産内容が劣化する。地銀の自己資本比率が厳しくなり貸し出し抑制につながる」
「変動が激しい時期の資産の評価をどう考えることが正しいのかという議論をせざるを得ない」

 資産価値の変動が激しい時期の資産評価について、
「通常なら、市場に出すと市場価格がついた。今は本来の理論値と全く関係なく、値段がつかない。売却先がみつからない状況がある。資産劣化も、平常時に劣化したものよりはるかに低い値段が付けられてしまう」
「これは時価会計そのものを見直すというより、時価会計主義をとりながら、時価とは何かという問題だ。時価会計そのものを否定しているのではなくて、時価会計をするときの正しい資産評価は何かということだ」

 追加経済対策の財源に関して、
「赤字国債に極力依存しないこと」

 前経済財政諮問会議民間議員の八代尚宏・国際基督教大教授の発言を引用、
税収見積もりが狂って当初予算に関して赤字国債を出さなければならない事態は許される。ただし、追加対策で赤字国債を発行するのは好ましくない。これが八代先生の意見だが、私もそう思う」

 建設国債発行対象の公共事業は追加対策に関して
「公的資本形成であって国民生活に資するもの。あるいは、日本の経済社会の生産性を高める公的資本形成はもともと是認されるべきもので、それに対しては財政特例法によらずとも国債は発行できる。これが原則」
「このような正当化される公的資本形成があれば(建設国債発行は)是認される


 以上取材メモより

参考:八代尚宏-今週のキーワード by オフイス・マツナガ


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