国内主力企業の4─9月期決算発表が今週スタート。
 同時に明らかにされるのが、2009年3月期業績予想。
 市場では全体での経常減益幅は15─20%に拡大するとの予想が出ている。

 しかし、株価は金融危機を受けて先行してバリュエーション調整を進めたためこの程度の下方修正はすでに織り込んでいるとみたい。
 世界的な景気悪化で業績回復時期は先送りされているが、決算発表を機に悪材料出尽くしとなるかどう・・・・ここがポイントとみる。

 

 主な企業の4─9月期決算発表は、
 22日のKDDI <9433.T>
 23日の信越化学工業 <4063.T>
 27日に商船三井 <9104.T> 、キヤノン <7751.T> (2008年1─9月期決算)
 28日にはパナソニック <6752.T>
 29日にはソニー <6758.T> 、コマツ <6301.T> 、新日鉄 <5401.T>
 30日に任天堂 <7974.OS>
 31日には三菱商事 <8058.T>
 11月6日
 注目のトヨタ自動車 <7203.T>


 さて問題は、下方修正が相次ぐと予想される2009年3月期見通しである。

 大和総研によると、

 9月4日の段階で2008年度の経常利益見通しは、
 前年度比7.3%減益
(対象は銀行・証券・保険を除く東証1部上場の主要300社で構成されるDIR300)。

 リーマン の破たんを契機とする世界的な金融危機後では、その後の収益予想は急速に悪化している。

 足元でも減益幅は10%程度まで拡大。
 今回の決算発表が終わるころには15─20%に減益幅が拡大する可能性があると指摘。


 野村証券金融経済研究所によると、

 10月14日付で、企業収益見通しの前提を見直して、
「為替を円高方向、原油価格を原油安方、鉱工業生産を悪化方向」という前提にたって業績予想を見直した。

 2009年3月期の経常利益予想を
 6.0%減益(9月8日時点)から18.7%減益に引き下げ。
(対象は金融を除くNOMURA400)。

 2010年3月期の経常利益予想を 
 15.8%増益を予想していたが、1.7%減益と減益予想に修正。

 10月13日付リポートでは企業努力を指摘したうえで
「減益は回避できる可能性が残っているが、自然体では減益となる可能性を意識しておく必要がでてきた」。

 

 鉄鋼セクターでは業績予想上方修正の可能性がでている


 原油など商品価格が急速に下落、鉄鋼セクターなどには今期の業績予想上方修正の可能性が出ている。


 新日本製鉄 <5401.T> の連結経常利益予想4500億円。ロイターエスティメーツによる主要アナリストの予測平均値は5228億円。
 JFEホールディングス <5411.T> は会社予想4500億円。ロイターエスティメーツ予測は5073億円。
 住友金属工業 <5405.T> は会社予想2500億円。ロイターエスティメーツ予測は2723億円。



参考:

兜町ウォッチャー〕株価は通期経常2割減益まで織り込みか、業績V字回復は期待できず
ロイター, Japan -
国内主力企業の4─9月期決算発表が今週スタートする。同時に明らかにされる2009年3月期業績予想について、市場では下方修正が相次ぎ、全体での経常減益幅は15─20%に拡大するとの予想が出ている。一方で、株価は金融危機を受けて先行してバリュエーション調整 ...

以上