日本郵政の西川善文社長の去就問題。
「落としどころはない」とは鳩山邦夫総務大臣。
「西川続投が既定路線」とは麻生総理周辺。

 ないといわれている「落としどころ」だが、自民党にも、財界にも知恵者がいる。浅知恵というなかれ・・・・。

1:西川社長も鳩山総務大臣も辞めてもらう。
2:西川社長は代表取締役からおりるが、実務担当の執行役員として残る。

 この第2案は、自民党というよりは、財界からの提案とみていいだろう。
 日本郵政の指名委員会の奥田トヨタ自動車相談役や、経団連の御手洗会長のアイデアといわれている。経済界は、日本郵政だけでなく、社会保険庁や政府系金融機関の人事に、民間から人材を供給している。それが、政治的な思惑で揺さぶられることは、「我慢ならない」し、「今後、民間経営者を出すうえで障害となる」と公然という財界人もいる。

 先週末の6月5日の深夜に麻生首相と鳩山総務相はひそかに面談している。
 ここで、麻生首相が提案したのが、この第2案。
 しかし、鳩山総務相は蹴ったとされる。

 つまり、「落としどころがなくった」わけだ。


 ことの背景がややっこしくなったのは、5月18日に、「西川続投」を決めた日本郵政の指名委員の決定後に、行われた小泉純一郎元首相、竹中平蔵氏、西川善文氏ともうひとりの財界人をいれた4者による会談にある。

 実は、この会談の内容の詳細は、マスコミには知れ渡っていないが、「西川社長はやめるべきでない」との結論をだしたとだけ漏れつたわった。当然、その情報は、鳩山総務相にもはいった。当方のボスも、会談内容の一部を聞いた。

「これは、血をみるかもしれないな」とは当方のボス。

 西川善文氏を、口説いて三顧の礼で日本郵政の社長に招聘したのは、小泉氏と竹中氏。いわば、小泉郵政改革のシンボル的な人事でもある。

「麻生政権は、小泉改革での選挙で3分の2の議席をとって、それで政局を運営している。いわば、自民党の小泉後の3人の総理は、小泉改革の遺産で飯をくっているようなもの」という発言もとびだした。
 つまり、ふたたび麻生下ろしもありうるという意味深な内容。
 いや、恫喝ともとれる内容だ。

 しかし、その小泉改革も、いまではむしろ自民党のマイナスイメージにつながっている。「小泉改革の負の遺産で、今の日本や自民党は苦戦している」という側面もある。
 また、次の選挙では、大幅に議席を増やした「小泉チルドレン」の大半が苦戦を余儀なくされるという事前調査もでている。さらに、小泉元首相の子息の世襲問題。つまり、小泉、竹中サイドにとっても、突破口はみえていない。

 問題は、やはり麻生総理だ。
 鳩山邦夫総務相は、麻生を支援する「太郎会」の会長。
 党内基盤のよわい麻生首相にとって、最大の政権基盤だ。
 決断を下すにも、下せることのできない状況。

 党内の最大派閥である清和会(町村派)も静観できなくなった。
 清和会には多数の小泉チルドレンの流れをつぐ議員がいる。
 また、ポスト麻生として、存在感をしめしておきたい町村信孝の思いもある。
 さらに複雑化しているのが、「実は、派閥会長である町村氏の選挙区での苦戦が指摘されている。派閥会長が落選となれば、大変なことになる」(町村派中堅議員談)

 日本郵政の株主総会は、6月29日。
 株主総会の招集通知をだすのは、10日前として、6月18日から19日。
 この議案に「西川人事」がどうおりこまれるか?
 いずれにしても時間がない。

 ここで、社会部記者の間の一部でながれたのが、「証券取引法違反」の話だ。

 つまり、西川善文氏が、三井住友銀行時代に優先株をゴールドマンサックスに発行している。これを仲介したのは、竹中平蔵氏。これが、証券取引法違反にあたる・・・・・・・・・・・。

 という話だ。
 実は、この話は、随分以前に流された話で、詳細な資料添付され、怪文書という形式で流布した。実は、当方も入手して、その一部を公開しようとしたが、「いくら怪文書という形式で、そのことを断って掲載したとしても、訴訟対象になる。また、訴訟になった場合は、不利を免れない」というアドバイスがあり、あのいい加減なボスでさえ掲載を断念したという経緯がある。

 つまり、これが復活するかもしれないというのだ。

 一方の鳩山総務相は、
「私は郵政民営化賛成論者。どうしてそれをみんな分かってくれないのだろうか?マスコミは話を矮小化したがる。郵政民営化によって汚れた部分が綺麗になった。それで、小泉(純一郎元首相)さんを大いに評価している。西川さんを代えたら民営化が後退するように言われているが、これはまったくもって論理のすり替え」といっているが・・・・。

 期限は来週一杯。(6月19日)

 

参考記事:日本郵政 西川善文 告発状全文公開 2009年5月20日