「伊藤博一の事件の眼」
第二十二回 「興英コーポレーション」の闇


・・・「いつも甘い汁を吸うのは母体行の銀行でした。例えば、我々住専に住宅ローンを申し込んできた優良客は銀行に斡旋させ、担保不足でオーバーローン気味の危ない案件は逆に押しつけてきました。母体行から送り込まれた幹部が、銀行の支店と緊密に連絡を取り合い、融資の決定権を握っていたんです」
 当時、私の取材に母体行の責任をこう語ったのは、住専7社のうち、経営実態が最も不透明とされた1社の現役中堅社員だった・・・
 

伊藤博一プロフィール

昭和27年11月福岡県生まれ。大学院修士課程修了。
全国紙社会部退職後、経済誌、週刊誌、月刊誌、夕刊紙などで主に事件の取材、執筆活動を展開している。近年は「実話時報」(発行=竹書房)に「疾風怒涛の記者魂」を連載中。



第十一回目 美人局事件 2010年5月14日
第十二回目 パチンコ玉不正取得をばっちり映った証拠ビデオ2010年5月21日
第十三回目 昭和の裏面史を生き抜いた小佐野賢治 2010年5月28日
第十四回目 「明電工」事件の裏で暗躍した「夢の商社」の頓挫 2010年6月14日
第十五回目 忘れられない兜町の住人達 2010年6月20日
第十六回目 中国マフィアの殺人事件を追って 2010年6月27日
第十七回目 消えては現れる詐欺事件の数々 2010年7月4日
第十八回目 K1脱税事件と芸能界裏金疑惑 2010年7月30日
第十九回目 大物詐欺事件の背後に見え隠れした警視庁刑事 2010年9月9日
第二十回目 日経新聞スキャンダル 2010年10月12日
第二十一回目 石川さゆりの名前が登場した不正融資事件の背景 2010年11月9日
 
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「興英コーポレーション」の闇 2011年2月27日