瘋癲老人のレイジーな日々25
「3・11」その前日は東京大空襲の記念日、日露戦争奉天会戦「陸軍記念日」だった(特別版無料公開
新藤厚


・・・みちのくは平安の昔、坂上田村麻呂の蝦夷征伐以来、いくさに勝ったことのない土地である。古い記録では貞観地震津波以来、三陸は数十年に一度の大津波に幾度となく襲われ大きな被害を出してきた。統計的には「予想どおり」の災害である・・・
・・・石原莞爾の満洲建国の夢も、二・二六事件の青年将校の憂国もその端は飢饉による東北の疲弊にあったのではなかったか。そういえば地震で東京の最初の死者はあの「戒厳令司令部」(九段会館)で出た。深沢七郎は『東北の神武たち』でその風土を神話的民話として書いている・・・
・・・実はその「裏金」を払ったのは東北電力ではなかった。そこには三重県の聞いたことのない建設会社の名前があった。調べてみると「あの会社は業界の痰壺。ウラでは汚れ仕事専門」という評判の地方サブコンだった。その会社の名前は「水谷建設」・・・
・・・かって中上健治は「原爆作家」の林京子を「原爆ファシスト」と呼んで世の糾弾を受けた。反核は理屈抜きに「正義」だったのだ。原発推進派と反対派の間には正と邪の不毛な二元論ばかりが半世紀もつづいた。原発は電気を作る科学技術のプラントである。安全性の検証はあってもイデオロギーとは無縁なはずである・・・


閑人舎通信でおなじみの、新藤厚さんの連載開始。新藤厚さんといえば、当方ボスの大先輩記者にあたります。経歴を書こうとしましたが、とても恐れ多くて書くことができません。

これまでの連載:

瘋癲老人のレイジーな日々14「松崎ってホントに恐い男なんだよ。俺は松崎が人を殺したことも知っているんだ」とJR東労組の委員長はいった。
瘋癲老人のレイジーな日々15 中川秀直は「とにかくご勘弁を」と懇願。その四年後に「愛人スキャンダル」が「フォーカス」に掲載された。
瘋癲老人のレイジーな日々16 もう少し、阿部勉さんの交友関係の想い出にひたる
瘋癲老人のレイジーな日々17 北野武とその軍団による「フライデー」編集部を襲撃事件について書く
瘋癲老人のレイジーな日々18 会津小鉄会の名門・荒虎千本組の組長だった三神忠さんについて書く
瘋癲老人のレイジーな日々19 「死にたい」と書くと希死念慮の呪縛から開放される
瘋癲老人のレイジーな日々20 つまり怠惰な正月がいつ果てるともなく続いていたのである。
瘋癲老人のレイジーな日々21 永久リハビリ期間にはいった日本の国是は「もういちどアメリカと戦って今度は勝つ」なのか
瘋癲老人のレイジーな日々22 前回につづき気の向くままに「三浦事件」の時代を遊弋する
瘋癲老人のレイジーな日々23 三浦和義は「阿部先生、大型拳銃を入手できませんか」と依頼した。
瘋癲老人のレイジーな日々24 記憶に残る大鵬、柏戸の全勝対決での「人情相撲」は語りぐさである。

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 「3・11」その前日は東京大空襲の記念日、日露戦争奉天会戦「陸軍記念日」だった(特別版無料公開)2011年4月15日