【時代小説発掘】
黒田官兵衛物語 六尺四方の暗い地下牢に藤の花が咲く
斎藤 周吾


(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


【梗概】:
 今年、2014年の1月から、NHKテレビの大河ドラマ、『軍使 勘兵衞』が始まった。
 官兵衛の人生における最大の試練は、荒木村重に捕らえられて地下牢に放り込まれた事である。
 当時の人が入牢すると劣悪な環境で3ヶ月から長くて半年で死ぬのに、一年間も耐え抜いた。
 勘兵衞の出牢後の思索的な人生を見ると、己の禄高を高める卑小な野心より、豊臣秀吉に天下を取らせるという、次元の高い自己実現の場を求めた事が如実に表れている。
 功成した後、自分を牢に繋いだ荒木村重を許した。
 白人に捕らえられて27年間の獄中生活を送った後、白人と黒人の宥和を推し進め、昨年12月に亡くなった南アフリカ大統領のマンデラに通じるものがある。
 入牢は不幸でも、禍を転じて福と成した勘兵衞の人間力には、時代を超えて心を打たれる。

 
【プロフィール】:
斎藤周吾 (さいとうしゅうご)
受賞歴
 平成20年8月、日本文学館『最後の家康』で、短編部門の審査員特別賞。
 平成20年1月、(財)斎藤茂吉記念館にて、『短歌部門』で、川嶋清一選で佳作。


これまでの作品:
女帝物語−わが子に
血染めの染雪吉野桜
遙かなるミッドウェー『父からの手紙』前編
遙かなるミッドウェー『父からの手紙』後編
惟正、請益僧円仁に従い入唐求法の旅
随筆 うつけ信長、弱者の戦略



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