【時代小説発掘】
絶唱の最上川
斎藤 周吾


(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


【梗概】:
 松尾芭蕉は、奥の細道で、
 『五月雨をあつめてはやし最上川』
 と句を詠んだ。
 作った場所は、山形県北村山郡大石田町の最上川べりである。
 
 山形県の生んだ歌人の斎藤茂吉は、芭蕉に触発され、大石田で、
 『最上川逆白波の立つまでに吹雪く夕べになりにけるかも』
 と短歌に詠んだ。
 
 茂吉の一番弟子に、同郷の結城哀草果(ゆうきあいそうか)が居る。
 茂吉が歌を詠むまでの師弟関係を、苦難に満ちた太平洋戦争末期から終戦時までを綴った。
 
 斎藤茂吉は戦前、ドイツ留学した時、ドイツ人の恋人同士でキスをしているのに遭遇した。
「長い、実に長い」と言って、一時間も物陰から二人を見ていたという。
 
 筆者は茂吉と同郷で、晩年の結城哀草果に二度会っている。
 それを思い出しながら描いた。

 
【プロフィール】:
斎藤周吾 (さいとうしゅうご)
受賞歴
 平成20年8月、日本文学館『最後の家康』で、短編部門の審査員特別賞。
 平成20年1月、(財)斎藤茂吉記念館にて、『短歌部門』で、川嶋清一選で佳作。


これまでの作品:

女帝物語−わが子に
血染めの染雪吉野桜
遙かなるミッドウェー『父からの手紙』前編
遙かなるミッドウェー『父からの手紙』後編
惟正、請益僧円仁に従い入唐求法の旅
随筆 うつけ信長、弱者の戦略
黒田官兵衛物語 六尺四方の暗い地下牢に藤の花が咲く女帝物語−褥の思い出(前編)
女帝物語−褥の思い出(後編)


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絶唱の最上川 (無料公開)2015年1月18日 11時26分