イタリア人記者を米軍が銃撃した。ここで再浮上しできたのが、日本大使館員、奥さん、井上さんへの襲撃事件だ。民主党でこの問題を追及している議員の証言・問題提起  まず、事件の概要のおさらい 「これからまた彼女と一緒に仕事多出来る」 2月4日、イラクのバクダッドでテロ集団に拉致されたジュリアーナ・スグレナ記者(56)が1ヶ月ぶりに解放された。彼女が所属するマニフェスト社は喜びに沸いていた。 

   そんな時、「彼女は空港へ向かう途中米軍に撃たれ、解放に付き添っていた情報員が死亡」 というニュースが飛び込み歓喜は暗転、悲劇に代わったのである。 同社の編集者は「喜びの知らせが米軍の銃撃によって台無しになった。イラクで起きていることが無意味で狂っているという悲劇的な証明だ」 と怒っている。 「検問所へ向かってきた車両を制止しようとしたが運転手が止まらず兵士がエンジンを撃った」 バクダッドの第三歩兵部隊はこのようなコメントをだし、誤射であることを認めた。 

 ブッシュ大統領はすぐさまイタリアのベルルスコーニ大統領へ遺憾の意を伝えた。
 ライス国務長官はフィニーイタリア外相に「ニコラ・カリパリ氏の死をもたらした悲劇的出来事について深甚な哀悼無念を述べると共に個人的にも行政府としても事実関係の厳格な究明のために最大限取り組んでいくことを保証する」 と電報を打った。  
 肩を打たれたスグレナ記者はイタリアに到着後病院に運ばれ治療を受けた際、「こちらは静に移動中だった。それが米軍からいきなり300〜400発の銃撃を受けた」と米軍のコメントとはまったく違う現場の状況を説明している。  
 日本の外務省には1週間経っても全くと言っていいほど事件の情報が入っていない。
 米軍銃撃事件の真相は後の調査を待たなければならない。
 しかし、スグレナ記者の拉致問題を巡ってはイタリア国内で「スグレナ記者を解放させろ。イタリア軍はイラクから撤退せよ」といったデモが頻繁に起こり、野党側からイタリア政府へ厳しい抗議運動が起こっている。 
 スグレナ記者をテロ集団から解放させるに当たってイタリア政府関係機関は600万ドルから800万ドルを支払ったという。
 イラクを力ずくで平定したいアメリカとイギリスはスグレナ記者の解放に6〜8億円の裏金が支払われたことに「人質貿易をあおる物だ」と強く批判していた。 スグレナ記者への銃撃はアメリカ軍の口封じとの見方もある。

証言と問題提起  

 民主党で一昨年秋に起こった奥大使、井上一等書記官殺害事件を究明している****代議士(原文では実名)が言う。
「スグレナ記者への銃撃事件はアメリカ軍の誤射ということははっきりしているが、スグレナ記者を狙ったものかどうかは調査結果を見てみないと分からない。 まあ、米軍の調査は怪しいがね・・・。 
 奥さんや井上さんの殺害については米軍も日本政府もテロリスト集団による殺害といっているが、外務省の報告では
1,ヘルメットをかぶった集団だった。
2,事件現場で見ていた子供が『米軍が撃った』といっている。
3,奥大使らが乗った車には上下2つの弾痕があった。 一つは7.62mm。もう一つは5.56mmである。ゲリラやアラブゲリラが使うのは7.62mmのカラシニコフであり、これを持って日本政府はテロ組織の犯行だと断定している。 
 しかし、この銃撃にはNATO弾と呼ばれる5.56mm弾もあった。第一ヘルメットをかぶったゲリラがいるはずはないし、NATO弾を使う小銃は米軍しかもっていない。 
 7.62mmは装甲車の上に取り付けられた軽機関銃から発射されたもので、奥さんらが乗っていた自動車内の弾痕は斜め上空からの射撃を示していた。  2人は米軍が撃った物と確信している。 日本政府はこのことをひた隠しにして、サマワへ自衛隊派遣を強引に推し進めた。   

 今回のイタリア記者銃撃はアメリカ軍の未熟さにあると思う。 
 今、イラクにおける米軍の治安部隊は正規軍より新兵や州兵が当たっている。 彼らはまともな戦闘訓練を受けていない。そこでテロ集団の攻撃には恐怖感から過剰に反応する。 
 彼らは問題遺憾にかかわらず『制止しても動く物はすべて打て』 というマニュアル通りに行動しているんだ。空港に近づく車は米軍かイラク軍しかいない。 
 そんな時、何か分からない車が近づいたら撃つのは当然だと思ったんだろう。 
 スグレナ記者を乗せた車はにはイタリアの情報員が乗っていた。情報員は米軍本部と頻繁に連絡を取り合っていたと思うが、現在のイラク在住米軍の前線には情報が入っていなかったのだと思う。 そこで、米軍兵士は空港近づく妖しげな車を撃った。 
 銃撃された車が公表されてないので分からないが、防弾装置の付いた車を撃ったのは軽機関銃かもしれない。  『イラクにはザルカウイら外国からのテロ集団が入っている。彼らを殲滅するんだ』 という理屈で米軍はファルージャ掃討作戦を行った。 米軍は最初、高い建物からせ威圧していった。高所に陣地を構え地上に動く物には銃撃を浴びせて殺戮している。 掃討作戦が終わった後、地上に並べられた1800人の遺体を検証すると外国からのテロリストは2人しかおらず、ほとんどはファルージャの市民だったことが判明した。 アメリカは米軍以外なら誰を殺してもいいという考えがあるんじゃないか。米軍以外は人間じゃないと思っているのかも」   

 米軍による誤射は奥大使らを含めてブルガリア兵の誤射も報告されている。 3月4日、ブルガリア兵がイラク人の検問をしていたとき、150m離れた米軍陣地から発砲があり、複数の銃弾を受けたガルデフ兵士が射殺されている。  
 イラク戦争終了後、米軍の死者は1500人を突破した。  
 前出**代議士が言う。

「1月にパレスチナとシリアを訪問した。この時、現地では米軍はそろって撤兵を考えているんだという話が大ぴらに話されていた。 
 米軍はいま、治安維持活動を自ら訓練したイラク軍に任せ、基地から外に出なくなっている。 
 いわば自衛隊のサマワ方式。 
 訓練されたといえイラク軍はシーア派やスンニ派が入り交じっている。 
 彼らはいわばテロ集団のスパイ適役割もある。 
 米軍が治安パトロールをしなくなった分、国境からの検問なども甘くなり、大量の武器弾薬がイラクに入り込んでいる。 
 イラク戦争終結時には銃による散発的なテロ攻撃だったが、今のイラクは大規模な爆弾を積んだ自爆攻撃が主体になっている。 
 イラク国内ではテロ集団が堂々と跋扈しているのが現状だろう。 
 イラク住民は米軍とテロ攻撃にさらされているし、死者の数は数万人になるだろう」  

 3月7日、自衛隊が駐屯するサマワで治安維持を行ってきたオランダ軍の撤兵とイギリス軍へ治安維持活動を移管する式典が行われた。 
 オランダ軍は1400人でサマワの治安維持を図っていたが、これに対しイギリス軍は600人。これにイラク軍が加わる。その後5月中旬までにオーストラリア軍450人が加わる。 
 オーストラリア軍参加と同時にイギリス軍は150人を残してサマワから移動する事になっている。  

 前出**代議士が続ける。
「オランダ軍はアメリカ、イギリスと違い単なる治安維持活動を行っていただけ。 オランダ軍に代わって占領軍であるイギリス軍がサマワにくれば住民感情は当然憎悪に代わるだろう。
 今後はイギリス軍に対するテロ活動も起こりうる。 自衛隊はイギリス軍のあおりを喰らって駐屯地への攻撃にさらされるかもしれない。スパイかもしれないイラク軍が治安維持活動をするならなおさらだ。
 イラク国内では1月に選挙が行われ暫定政府が出来た。 
 これを機に危ないイラクから撤兵しようと言う各国の思いがある。 
 イラクにいる30数カ国は治安維持活動に来ているのであり、イラク国内に政府が出来ればこれを機会に撤退することは問題にならない。 
 ところが、我が自衛隊は治安維持活動でなく『復興支援』のために駐屯しているのだ。 
 自衛隊はこれまで給水や学校の補修、遺跡の整備などに従事していた。 
 しかし、イラク国内の治安不穏からほとんど駐屯地から外に出ない日々が続いている。『復興支援』こそはイラク暫定政府が出来てからがいよいよ本番となるのだ。 
 それゆえ、500人の自衛隊は重大な理由がない限り引くに引かない状態になっている。
 アメリカ軍やほかの軍隊はソロソロと撤退できるが、日本は『復興支援』という理由で駐留するが故に、ブッシュ大統領から『残ってイラク再建に頑張ってくれ』と言われれば、『忠犬ポチ公』といわれる小泉純一郎総理のことだ。『ハイ分かりました』と言わざるを得ないだろう。 イラク特措法で自衛隊駐留は今年の12月まで延ばされた。
 自衛隊のイラク撤退は自衛隊員の血が流れるまで終わらないだろう。
 それまで何人の自衛隊員が死ねばいいのか」 「世界の中の日米同盟」 と豪語する町村信孝外務大臣にも政治感覚的な問題もある。
「大量破壊兵器がある」と難癖を突きつけてイラクを占領したはいいが、その後の統治にアメリカ兵の殺害事件が続発。 
 国内の反ブッシュ勢力の増大に伴いイラク混乱を収集できもせずに密かに撤退すし、後は日本の自衛隊にお任せというのはあまりに無責任だ。 

 一方、アメリカ国内牛のBSE検査もろくにしないで日本に「グダグダ言わないでアメリカの牛肉を買え。さもなくば制裁を加えるぞ」 と言うに至っては日本人の「食の安全」より金も票も食肉業界に毒されたすブッシュ大統領の意向が優先する「輸入ありき」はおかしい。 日本の安全保障は「急迫不正」や「日本人の安全を守る」ことから出発している。日本政府が行うことはミサイル防衛に1〜2兆円を使うより日本人の「食の安全」に使うべきだ。そして、食料ベースで27%という食糧自給率をが頑として高めるべきである。 
 アメリカに言いなりなって「食の安全すら確保されていない牛肉」を輸入するのは愚の骨頂だ。検査をやめるというBSE全頭検査料はわずか年間30億円にすぎない。 
 日本長期債権銀行に税金がつぎ込まれたのは4兆3000億円。それをアメリカのハイエナ達は10億円で買い取った。これを考れば自衛隊の派遣費用も輸入牛肉もアメリカの思惑次第と言うことができる。 
 小泉政権は「イラクはつきあった。 しかし、日本国内の食の安全は我が国が責任を持つことであり、米国からとやかく言われる筋合いではない」 と米国からの圧力を排除すべきである。 
 その腹が座ってないのなら小泉政権は早急に退陣すべきだ。 

文責・辻野匠師 一部ソース秘匿