ウィニーのウィルス被害による情報流出がたえない。
 実は、うちの事務所には、ウィニー専門のボロPCを一台おいている。これは、某米国のIT系のジャーナリストにおしえてもらってから、あたらしもの好きのボスが「第3の取材方法として、ウィニーを活用せよ!」とわけのわからんこといいだしたからだ。

 ウィニーとそのウィルスについては、その、専門的な話は他のブロガーさんに譲るとして、IT音痴の現役記者が、どのようにウィニーを理解し、活用し、かつ挫折し、その対策を練ったかを披露しようとおもう。

「ウィニーは大変にすぐれたソフトである。本来ならノーベル賞もののソフトだ。日本人はなぜ、その自国のソフトを大事にしないのか?なぜ、逮捕しちゃうのか?」
 これが、外国人特派員協会から、ボスのところに紛れ込んできた、某米国のIT系ジャーナリストが、発した第一声である。ま、相手は、米国人だから流ちょうな英語を話す。うちのボスは、「英語のできないジャーナリストは実は愛国者で、オレなんか戦後教育に犯されてしまい、中途半端に英語を理解する、中途半端なジャーナリストになってしまた」と自嘲するぐらい、すごい英語を話す。もっとも日本語もすごいが・・・・。

(注意・かなり脱線するが、英語教育に関しては、、「小学生に英語?バカか」てっくさんの、「小学生に英語?バカか」参照。ちなみに私も、場汚し的なコメントをしているので、探してみてください)

 

   脱線ついでに・・・・・

 問題は、その戦後の英語教育が、実は進駐軍VS日本の知恵者の言語学者の構図で、日本人の言語を英語化しようともくろんだ進駐軍にたいして、抵抗して、日本人が簡単に英会話ができないように、小難しい「文法とか」から、教えるようにした。その結果、多くの日本人は、英会話がベタになった。
 しかも、高校や、大学の受験ではかならず英語があり(ちなみにネイテイブの英語使いが大学受験用の英語の試験をうけても、8割もとれなかったというぐらい、伝統的に難しいのである)、なんせ、受験勉強なんて好きだというひとはいないから、みんなますます、英語なんてきらいになる。かくして、進駐軍による日本人全部英語化作戦は破綻して、日本語は言語として生き残った。(これは、他のアジア、アフリカ、南米など植民地主義に蹂躙された諸国をみると、母国語を喪失した諸国がおおくあり、いかに奇跡的な偉業であったかわかるでないか・・・)

 さらにいうと、知恵者の言語学者のたくらみは、単に日本語を保護しただけでなくて、「文法とか」を受験勉強で競わせて、理解させたため、言語を構造的にみる理論的な思考はみについた。これが日本人の知的能力をたかめる役割も果たした。

 ちなみに体験的にいうと、相当の英語ベタでも、潜在的に、言語を構造的にみる訓練はしたので、それこそ英語圏の国にいくと、2−3ヶ月もすれば、だいたいの日本人が、英会話でのコミュニケーションは可能になる。実は、オレはできないが、これは、フランス語でも、ドイツ語でも、ポルトガル語でもおなじで、日本人は英会話ベタであるが、その気になれば、言語習得力に関しては相当の潜在能力を教育されてきた・・・・・これが、英会話ベタの日本人なのだ。誇りをもとう。ま、オレは英語は読めればいいとおもっているから、会話は嫌いだ。あんなもの、ツールのひとつ。
 だいたい、欧米のハゲタカファンドみたい連中が日本にきて、金をむしり取っていく物乞いみたいな連中だから、あいつらこそ、日本語を覚えてこい!そうしたら、少しは日本の文化についておしえてあげる・・・。ま、源氏物語は世界最古にして、世界最強のエロ文学であるなんて、あいつらはしらん。(笑)
 と、ほとんど、てっくさんと、てっくさんの親分らしい人の影響をもろにうけたような発言になった。


 さて、問題はウィニーだ。
 それまで、ウィニーというと辻野記者が、自宅で深夜密かにエロAVをダウンロードして、「おおお、お宝がまたあった!」と自慢するツールであるとしか、理解していなかったボスは、ウィニーの発案者逮捕という事件を、わざわざ、米国から取材にきた某米国のIT系のジャーナリストとあってから、事態は急変する。

 実は、米国にも類似のソフトがあって、これはベンチャー企業としてちゃんと認知をうけて、存続している。しかし、本家の日本では、ウィニーの開発者はそれで金儲けを考えなかったので、逮捕されちゃう。これはおかしくないか?というわけだ。

 問題は、その某米国のIT系のジャーナリストは、ITの専門家で、うちのボスは、いまだにブログでさえ、単独入稿できない(削除は覚えた)、いまだに、HTTPとJAVAの区別もつかない。こういう人が、相互に英語でコミュニケーションをはかったという事実。
 当然、客人はもてなすという習慣がある日本人の典型として、近所の焼き肉につれいき、酒は飲ますし、BSEの疑いのない国産牛をたらふく食わして、えんえんと、英語での会話がつづくから、ボスがどの程度、正確に、ウィニーについて理解したか問題があるのは事実だ・・・・。

 しかし、翌日のボスのいうことには、ある種の真実があった。(とオレはおもう)

「ちみたち、これから、うちでウィニーをつかう。これ専用のPCをたちあげろ!」
「なんと、ウィニーは第二のトロンであるらしい、疑いが生じてきた。陰謀とはいわんが、疑いのあるBSE牛肉を輸入しないのは当然として、疑いは立証しなくてはならない」
 一同。
「・・・・・・・・・・・」
「昨日、オレは理解した。ウィニーのおける情報の流出とは、取材の原理である」
 一同、さらに・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「たとえば、ネタをもって、こちらは取材する。このネタは、たとえば内閣総理大臣の汚職を明確に立件する重大なネタであったとしよう。永田メールでないが、裏をとらなくてはいかん。最後には本人にあてなくてはいけない。当然、取材はする。
 しかし、ちみたちも経験があるように、この裏付けとりの取材は悩ましい。裏付け取材をすればするほど、実は、相手にもこちらの動きというか、ネタの存在がばれることになる。ま、ある種の情報流出である。情報が流出すると、相手は先手をうってくるかもしれない。これが、ウィニーにおけるウイルとなれば話はさらに、複雑になる」
 一同。
「???????????????????」
「だから・・・・・・・うん?なんかおれ、おかしいこといったか?」
 さすがにボスも、一同の反応に、何かを感じたらしい。
 
 しかし、オレは感ずるものはあった。
 ボスの理論は、ま、半分は破綻しているとしても、半分は真実をかたっているかもしれない。従順な部下であるオレは、そう、解釈した。そりゃしょうがいないだろう、HTTPとJAVAの区別がいまだについていないのだから。
 かくして、辻野記者が、3万円で組み立てた、最新鋭でない、寄せ集めのパーツで構成されたPCが当事務所で「ウィニー専門PC」として稼働するようになったのである。
(あと、続く・・・・・とおもう多分)

北岡拝