9月1日に安部晋三が正式に自民党総裁選挙への出馬声明をするが、与党内では早くも、古い自民党に見られた調整型の政権に逆戻りするとの懸念や、政治家として経験に不安がある、健康不安説、短命政権などの噂や批判が出始めている。
 党内各派が候補者を擁立できず、高支持率を背景に本命・安倍氏の独走に拍車がかかっていることが背景にある。

 

 独断専行の小泉政治から、調整型への逆戻り

 安倍官房長官は12日午前、13年前に初当選した際のテーマソング「夢をあきらめない」が流れるなか、地元・山口県下関市内の講演会場に登場し、9月の早い時期に総裁選に向け正式に出馬表明する意向を表明した。
 紺のスーツ、淡いブルーと白のストライプのネクタイという取り合わせで清新さをアピール。父・晋太郎氏が成し遂げられなかった総理・総裁になるとの「志」を受け継ぐ考えを強調し、大きな拍手を浴びた。

 現時点で安倍氏の対抗馬となりうる谷垣財務相も出馬表明以来、支持率は上昇しているものの、党内の反小泉・非安倍勢力の受け皿になりきれていない状況だ。
 小泉首相の靖国参拝問題で谷垣氏の評価が高まる可能性はあるが、安倍氏を脅かすほどにはならないというのが周囲の見方だ。
 自民党の中川政調会長は政権を支える立場から、次期政権は「3期6年の本格政権になる」としている。  
 しかし、2007年の参院選では昨年の郵政解散・総選挙での圧勝による揺り戻しの見通しから、議席減は必至の情勢とみられる。
 またポスト小泉には小泉首相ほどのリーダーシップが期待できない点で「基盤が弱い政権になる」との見方もある。ある与党幹部も「次期政権は構造改革路線を具体化する局面であり、現時点で支持率がダントツの安倍氏が新総裁・新首相になった場合、抵抗勢力をうまく取り込んでいく必要があり、それには調整型にならざるを得ない」と話している。


 自民党大臣経験者もこういう。

「自民党総裁選に福田さんが出ないので、我も我もと安倍の勝ち馬に乗ろうと忙しそうだ。問題は人事ということになる。
 安倍さんは北朝鮮問題ぐらいしかわかってないようだ。そこであいつもこいつも、若手もポストを狙って擦り寄っている。それぞれ注文を受けるとポストがいくらあっても足りない。
 しかし、大臣ポストは内閣法で決まっているのでやたら担当大臣を造るわけには行かない。
 安倍政権は論考考証的な自薦他薦を閣内や自民党三役に入れるより、きちんとした大を入れないと政権が持たないと思う。そこで、谷垣禎一を財務大臣からが外務大臣か総務大臣へ、与謝野薫を金融担当大臣から財務大臣。中川昭一は留任。肝心の官房長官は町村信孝という名前もあがっている。
 しかし、町村は森前総理と中川秀直政調会長に嫌われているので、案外細田博之国対委員長を戻すことも考えられる。
 自民党三役の幹事長には中川秀直、二階俊博、古賀誠らの名前があがっているが、幹事長は麻生太郎になるのかな。
中川秀直政調会長は女性問題もあり閣内に入れるわけにはいかない。留任か。『額賀出馬はダメだ』と言い続けている久間章生総務会長も留任か幹事長代理。
 今回の自民党総裁選は安倍独走でマスコミも追っかけないし、盛り上がらないとすれば民主党を喜ばすだけ。来年の参議院選挙は大敗しそうだな。小沢一郎代表の高笑いが聞こえる」


 安倍晋三総理就任への疑問点。

1、内臓が弱い。健康不安説
2、政策通では無い。
3、選挙区の地元で安倍事務所がからむ談合事件もある。
4、安晋会杉山会長とフューザー小嶋社長の関係。
5、統一教会の会合に祝電を送った。統一教会との関係
6、天皇陛下が不快感を表明したといわれている富田メモ。

 などネガティブな情報もあるのだ。

 安倍晋三は内臓が弱いというのは有名なはなし。北朝鮮のミサイル発射以降特に目の下にクマが目立つようになってきた。

 官邸番記者が言う。

「最近の安倍官房長官は余り元気じゃないようだ。記者会見の前に官僚からレクチャーを受けるのだが、余り話を把握できないのか会見ではほとんど官僚の書いたメモを棒読みする。
 会見時間が遅れるとみんな密かに『ああまたトイレに行っているのかな』などとささやきあっている。
 会見場に入ってくるときも下を向きながら静に入ってくるので、極度に緊張するような場面では総理として決断できるのかなとふと思うこともある」


 下関の地元では父親・安倍晋太郎時代から続いた秘書は解雇されたがその後の秘書も下関汚水処理場建設談合事件などに関わって利権をむさぼっているいるようだ。
 これらの問題を抱えた安倍晋三内閣は秋の臨時国会、来年の通常国会、さらに7月の参議院選挙へとどう対応するのか。
 来年の参議院選挙ではボロ負け説もすでにでている。。


 安倍氏は幼少期から情に厚く、宰相としてマイナス


 自民党の平沢勝栄衆院議員は、安倍氏を情の厚い人柄だとしたうえで、
「プラス面とマイナス面があるが、総理になったらマイナスになる可能性がある」と指摘。
 平沢氏は安倍氏が小学校時代に家庭教師をしていた経緯があり、雨の日に雑種の子犬を拾って帰り、そのまま育てたことを例に挙げ「情に厚い子供だった」と当時を振り返る。

 安倍氏は大学卒業後、神戸製鋼に入社し、その後、父・晋太郎氏の秘書を務めた。神戸製鋼では81年に輸出部冷延鋼板課に配属された。冷延鋼板とは、自動車のボディなど幅広い用途があり、現在では同社の主力製品だ。最大手の新日鉄は相当に遅れて参入したが、安倍氏は同部門の基礎を築いた一人でもある。当時の上司だった矢野信治・コベルコマテリアル銅管社長(神戸製鋼元副社長)は、安倍氏について、社内の人間関係だけでなく、商社など社外との関係も秀逸で「敵がいなかった」と評する。

 谷垣氏が政権公約の基底を「絆(きずな)」というキーワードで表現するが、同様に安倍氏も周囲との関係を重んじるタイプだ。平沢氏はこの点が仇になると指摘している。
「安倍氏は組織に埋没しない。決断は慎重だがリーダーシップを発揮していく」と反論する安倍親衛隊議員もいるが、小泉首相が独断専行型で官邸主導による政策決定の流れを確立しただけに「安倍首相」の調整型への修正感は否めない。


選挙で鍛えられない世襲議員続々、安倍氏には経験不足は決定的

 ところで、9月の総裁選は、その安倍氏や谷垣氏、近く出馬表明する麻生外相による世襲議員の争いとなっている。
 次の世代を見ても、中川昭一農相、石原伸晃前国土交通相、塩崎恭久外務副大臣、渡辺喜美衆院議員、とやはり世襲議員が占めている。これについて、平沢氏は「悪いことではない」としながらも、世襲議員は地盤と看板があるため、無名候補に比べ選挙に時間を費やす負担が軽減されるので選挙で鍛えられないとの批判がある。

 先の講演会でこの点を突かれた谷垣氏は「(総裁選で)そうでない(世襲でない)人に奮起していただきたい」とかわした。党内では「派閥解消により、将来の総理・総裁候補、閣僚候補、党執行部候補を育成するシステムも崩壊したため、結局世襲議員しか残らない」(参院議員)との声もある。
 亀井静香元政調会長や古賀誠元幹事長らのような大物政治家が生まれたのは、派閥が人材育成機関として有効な役割を果たしていたことが大きい。

 安倍氏は総裁選に向け「再チャレンジの推進」を全国に訴えてきた。
 当の安部氏本人はどうか?
・・・・自身の人生を振り返って何か失敗した後に再チャレンジによって修羅場を切り抜けた経験はあるかとの記者団の問いに、
「神戸製鋼時代、工程管理でミスをして上司に叱責された」ことを一例として話している。しかし、神戸製鋼の関係者によると、当時、工程管理のミスというのは珍しいことではなかったという。よくある例で、上司に少々叱責されたからといって、それが、修羅場をきりぬけた・・・といえるのかどうか?
 多くの政治記者は、「結局、失敗のない人生だったのでないか?再チャレンジをとなえているものの、その経験はまったくないのでないか」と感じている。

 平沢氏は、安倍氏の人生は順風満帆で「修羅場は経験していない」と断じる。先日死去した叔父の西村元興銀頭取は、安倍氏の政治姿勢ついて心配していたとし、「安倍氏への期待が高い分、何か実現しなかったときの反動で支持率が下降するのが怖い」と述べている。そのうえで「攻めまくるのは長所だが、守勢に回った時の対応が注目される。ブレーン次第だ」と指摘した。

以上

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