今回、福田政権をつくった原動力は、新5人組といわれている。
 青木幹雄元官房長官 森喜朗元総理大臣 中川秀直元幹事長、野中広務元幹事長代理。それプラス福田康夫の5人。
 この新5人組は、安倍総理が辞任表明をした9月12日の翌日の9月13日の夜に集まった。ここで、福田擁立が確約され、翌14日は、8派閥が福田支持をすることになった。
 ここで、福田政権誕生の「密談」が成立。

 この新5人組は、かっての5人組。つまり、小渕首相が脳梗塞で倒れ、あつまった青木幹雄官房長官、森喜朗幹事長、野中広務幹事長代理、亀井静香政調会長、村上正邦参院会長の5人。この5人組の「密談」によって森政権が誕生する。この5人組に対して、今回は新5人組といわれる。

 しかし、今回の新5人組は、かっての与党が衆参共に過半数をとっていた時代とちがう。参議院では、与野党が逆転している状況。 
「平治ではない。参議院は小沢一郎に牛耳られている。まさに背水の陣での福田政権誕生だ」

「問題は小沢一郎。残念ながら、安倍総理も麻生も小沢一郎と戦ったことはない。ここは、小沢一郎と一戦を交えた経験のあるいわば古強者が手を合わさなくては、自民党は確実に小沢民主党につぶされる」

 たしかに小沢一郎が自民党を離脱して、自民党は野党に転落した。この自民党を、当時、小沢一郎がひきいる新進党から政権をもぎとった歴戦の勇士がそこにあつまっている。その筆頭が、野中広務であり、森喜朗だ。さらに青木であり、中川だった。

 小沢のことは、裏から表まで知り尽くしているといわれる野中広務。「現在はいち民間人であり。民間人であるからこそ、逆に動きやすいし、できることもある」
 気になるのは、この中に、同じく小沢一郎とたたかった亀井静香の名前がない。現在は国民新党として、自民党と一線を画している。
「しかし、亀ちゃんや、綿貫さんなら心配ない」と新5人組は一致。つまり、新5人組の結成とともに、昔の戦友である亀井静香にも「福田擁立」の連絡がいっていたということだろうか。

 取材をすすめてみると、新5人組による戦略がみえてきた。
 以下、断片的ながらも、取材メモからおこしてみる。

参議院対策

「参議院では与野党が逆転しているといっているが、どれほど逆転しているのか」

 今回の参議院での首班指名の結果をみると、

一回目
福田 106
小沢 117
志位  7、
福島  5、
綿貫  4

 小沢民主党は単独では過半数をとっていない。

決選投票で
小沢 133
福田 106
 ではじめて過半数に達している。その差は、27。これを逆転するには、27の半分の「14をなんとかしなくてはならない」

 問題は、国民新党の4だろう。亀井、綿貫が、新5人組に連動するとするなら、参議院の状況はかわる。

小沢 129
福田 110
 その差は、19。これを逆転するには、19の半分の「10をなんとかしなくてはならない」

「参議院の10ぐらならなんとかなる」
参議院は解散がない。向こう3年間は、現状の議席でいくしかない。しかし、その差は、「わずか10議席」
「小沢民主党は一枚岩でない。ひとつ皮をめくれば、バラバラ。いまでこそ小沢一郎でまとまっているが、長続きしない。これまでの小沢一郎をみると明らかだろう。1年もあれば、小沢への不平不満分子がかならずでてくる。民主党からのおちこぼれを、国民新党がひろうというアイデアも」

福田政権での組閣

 8派閥が福田支持をしたように、総主流体制で組閣をなす。各派閥の代表が、党役員、閣僚に入る。選挙対策、国対にはベテランをはいする。麻生氏にも入閣を打診する。
 マスコミから派閥政治の復活といわれようが、それは押し通す。「自民党挙党一致内閣」をつくり、「総主流派体制」で、民主党・小沢と対抗する。
 当面の山場は、来年度予算。民主党が解散をせまってきても、解散権は民主党にはない。総理にしかない。法案、予算では場合によっては民主党案を丸呑みする。
 年内解散はない。来年度予算をしっかりと成案化させる。そのためには、各派閥の協力が必要。


解散総選挙対策


 新5人組にとって、「福田政権」でなくてはならない事情がある。それは、「小泉といい、安倍といいイデオロギーに執着しすぎだ。本来、自民党はイデオロギー政党ではない。それを靖国問題をはじめて、対中国、対韓国、対北朝鮮政策にしてもいたずらに、みずからのイデオロギーをおしだすあまりに、ムダな亀裂をうんだ。それは、麻生も同じ」
「さらに、本来、自民党が味方につけなくてはならない、官僚をムダに敵にまわしすぎた。さらに、米国に対してあまりにも追従しすぎた」 
「テロ特措法の延長問題を、わざわざ政局の問題にする必要はない」
「民主党が、認めないのであれば、参議院で否決される。もちろん衆議院で再議決もあるが、それが、政局になるようであれば、テロ特措法の延長やそれにかわる新法は成案化しなくてもいい。その理由を米国や国民に明確に語れる。むしろ、これで小沢民主党は内部軋轢をうむだろう。その時に、参議院を一気に、きりくずす」

 「年内解散はない。とにかく来年度の予算を福田内閣で成案化させる」
 懸案の法案も多数あるが、民主党案をことごとくのんでもいい。 とにかく解散はさせないし、しない。
 民主党が国会で寝るようならば、寝かしておけばいい。
「解散を先延ばしにする」これが、当面にして最大の課題。
 その為には、麻生のような「イデオロギーのある政治家」ではこの自民党の危機的な状況を脱却することはできない。

来年の解散のタイミング


 参議院での野党逆転の状況を打破した段階。
 つまり、10名の民主党議員を何らかの手法で、つり上げる。
 場合によっては、社民党の5議席もその対象。
 参議院で拮抗状態になった段階で解散。
 ひとつの目安として、来年7月、洞爺湖サミット。

 衆議院では、公明党いれて3分の2をしめている。
 前回の選挙は勝ちすぎ。仮に小泉チルドレンの大多数が討ち死にしても過半数はとれる。
 新総裁のもとで、来年度予算で、公共事業、農村対策、福祉対策、地域対策などめくばりのきく範囲で最大限の善処をする。来年度の予算編成が、そく、次期、衆議院選挙対策となる。
 予算編成での決めの細かい折衝は、ただちに各選挙区の候補者につたえ地元の陳情をことごとくくみ上げていく。
 これをやれば、過半数割れすることはない。
 小沢民主党は、次の衆議院選挙で政権交代だ、過半数をとるといっているが、実は候補者の選定さえままならない状態。民主党は地域組織はまだ、万全にできていない。労組依存のところが多い。足腰は弱い。
 地域に密着した極めの細かい予算編成をすれば、「自民党はかわった」と認知をうけ、仮に衆議院選挙があったとしても、過半数割れをすることはない。
 逆に、小沢民主党は、次の選挙で過半数がとれなければ分裂する。
 むしろ危機的な状況は民主党。瓦解直前。
 民主党内の、保守系、反小沢系の動向とその情報収集。

 

スキャンダル、マスコミ対策


 福田政権の元でも、閣僚の問題点がでてくるかもしれない。各派閥、各閣僚のマスコミ対応、スキャンダル報道への対応を一元化して対応する。そのため内閣調査室との密接な関係をきずき、さらに自民党調査室の情報収集能力をあげる。そのために、予算、人員を増加する。マスコミ対策では旧来の、新聞、テレビ、雑誌・週刊誌だけでなくて、最近はブログなどのインターネットをつかった報道やニュースへの対策も講じる。基本は、名誉毀損に該当するような報道、ニュースがあれば、躊躇せずにただちほ裁判などの公的な対応をする。そのための一元的な情報を管理するシステムをつくるべき。

 自民党もスキャンダルめいた話がでるかもしれないが、これは、小沢民主党も同じこと。
 民主党議員のスキャンダルは、民主党の幹部だけにかぎらず、全民主党議員のスキャンダル、不祥事、不始末も情報収集の対象とする。
 

以下、略・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

参考:小沢一郎・民主党の政権奪取の前哨戦
    福田政権のYouTube動画


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