ガソリン値下げ隊隊長が川内博史氏だとしたら、道路特定財源問題のいわば、「追求隊の隊長」が浅尾慶一郎氏というところか・・・・。
参考:ガソリン値下げ隊隊長・川内博史 2008年01月29日
道路特定財源問題は、単純に、民主党VS自民党の対立でみると間違える。
道路特定財源 07年度
国分 ガソリン税などの税金 3兆4076億円
地方分 軽油取引税などの税金 2兆2026億円
合計 5兆6102億円
この特別会計は、道路建設に使われているはずだった。
ところが実際には道路特定財源の一部が国交省の職員給与、宿舎建設、レクレーション費などに使われている。
この実態が明らかになった、功労者は、民主党の浅尾慶一郎氏だろう。これは、民主党だけでなく、自民党議員も認めるところだ。(自民党の道路族を除く)
その使途は
人件費 04年度 8268人 710億円
07年度 7927人 694億円
職員厚生経費 06年度 5230万円
健康診断費 4294万円
レクレーション費 597万円
07年度 5162万円
健康診断費 4401万円
レクレーション費 425万円宿舎建設費 05年度 25億6877万円
06年度 24億1733万円
07年度 24億9373万円
06年度末には8095戸が建設されている。
このレクレーション費のなかには卓球、テニスのラケット、碁盤、碁石、将棋の駒、ソフトボールのグラブ等々、「自分らで使って遊ぶのなら自分らの金で買え」という物まで道路特定財源から支出している。
冬柴鐵三国交大臣や峰久幸義事務次官らは
「法にもとずいた適切な支出」
だと突っぱねていたが、暫定措置延長を見越して峰久次官は
「ガソリン高の中で暫定税率の延長を御願いしている。使途に疑念を抱かれることの無いよう見直す」
と低姿勢に変わった。
浅尾慶一郎民主党参議院議員はこういう。
参考:浅尾慶一郎政治-youtubeで見るニュース
「つなぎ法案のような姑息なことをやるのはおかしい。
政府と与党は『ガソリンが26円安くなると国民生活が混乱する』というのはウソです。現在、道路特定財源の一部は既に一般会計に組み込まれて別途に使われているので、26円ガソリンガ下がったからといって混乱する事はありません。
自動車重量税5549億円の2/3、約3000億円は一般会計に繰り入れられているわけですから。
ガソリン税の一部が宿舎建設や運動具の購入費などに使われているし、幹部などの送迎ように使われ道路とまったく関係のない黒塗りの乗用車が03年度で922台もある。この乗用車は02年から1年間に144台も増えているんです。現在はどれだけあるのか国交省がなかなか言わないから分からないがもっと増えていると思います。
政府は道路整備特別会計として支出しているから問題ないと言いますが、道路以外の支出は大変な問題です。
財務省は現在、『国の財政が大変だから』と国有財産である宿舎などを売り払っている。それにも拘わらず国交省だけが年間40〜60戸も宿舎建設をしてるのは実勢に逆行している行為ですよ。
宿舎建設は財務省が国交省に『国の方では会計から出せないので道路特定財源から出して宿舎建設をするのならやって下さい』と密約があるんじゃないでしょうか。
ともかく、ガソリン税などの道路特定財源は集まった金を人件費や宿舎建設レクレーション費などに勝手に使っても分からないのです。
つまり、金があるから使っているだけで本当に道路建設やレクレーション費に必要なのかどうかキチンと精査すべきです。
社会保険庁は厚生年金などから人件費やレクレーション費を勝手に使って国民から批判が起こりました。
道路特定財源も国が最低必要だとする道路建設以外の人件費などは一般の税金で賄うべきです。
民主党内にも『ガソリン税率引き下げ反対』という人がいますが、集まったガソリン税などを道路以外の別の目的で使っていることが分かれば、ガソリン税引き下げを理解するのではないでしょうか。
ともかく政府・与党は『つなぎ法案』のような姑息なことをせず、中身がよく分からない特別会計のあり方を含めてキチンと議論すべきです」
浅尾慶一郎氏のもうひとつの功績をのこしておきたい。
以下は、平成16年 小泉政権下での浅尾慶一郎氏の質問趣意書と、それに対する政府の答弁書である。
実は、当時はあまり、周囲から注目されなかった。
あらためて、ここに掲載しておく。
質問主意書
質問第二四号道路特定財源の使途の在り方に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成十六年十二月二日
浅 尾 慶 一 郎
参議院議長 扇 千 景 殿
--------------------------------------------------------------------------------道路特定財源の使途の在り方に関する質問主意書
自動車重量税をはじめとする、いわゆる道路特定財源については、国民に対して法律上又は事実上、道路整備のために課税される税目として位置付けられており、このような目的税は、受益と負担の明確化を図ることにより課税の公平性を担保する税目と考えられている。
しかし、道路特定財源については、その税収の全額が道路整備特別会計に繰り入れられるわけではないばかりか、道路整備特別会計の歳出自体、道路整備事業に要する経費とは思われないものにまで支出されている。
このような道路特定財源の使途は、国民の税制に対する信頼と税制の公平性を揺るがすおそれがある。
内閣は、憲法第七三条により、法律を誠実に執行する義務を負うのであり、道路特定財源についてもその使途を国民の前に詳らかにし、必要な見直しを図るべきである。
このような観点から、標記について以下質問する。一、自動車重量税の使途について
1 自動車重量税については、政府はこれを道路特定財源と位置付け、国民に対しては、例えば国税庁タックスアンサーにおいて「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」として宣伝している。
しかし、自動車重量税は、国分の税収が年間約五八〇〇億円のところ、「道路整備事業に関する政府の経理を明確にするため」(道路整備特別会計法第一条)設置されている道路整備特別会計に繰り入れられる金額は約二〇〇〇億円に過ぎず、残余の金額は一般会計に留保され、一般財源として用いられている。
税収の半分以下の金額しか道路整備事業に用いられないのでは「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」とは言えないのではないか。政府は国民に対する説明を改めるべきと考えるが、どうか。
2 自動車重量税については、少なくとも一般会計に留保されている約三八〇〇億円については「道路などの社会資本を充実するための財源として課税される国税」といえないのであるから、この部分は減税すべきと考えるが、どうか。
3 自動車重量税については、その使途に関する法令上の規定がなく、また、予算措置においても税収のうち一般財源として用いられている金額の方が道路整備事業に用いられる金額より多い。このような状況は国民の税に対する信頼を揺るがすものであり、この際、自動車重量税の使途の明確化を図る必要があると考えるが、今後政府はどのような措置を講ずるつもりか。二、道路整備特別会計の歳出について
1 道路整備特別会計においては、平成一六年度予算において国土交通省職員八一九七人分の職員俸給等の人件費約七〇〇億円の支出が計上されている。平成一五年度決算では、同特別会計の人件費の総額と人数はどうなっているか。
また、これらの人件費については、国土交通省出先機関の職員のものと聞くが、どのような職種・所属の職員か。例えば、地方整備局や河川国道事務所の管理部門の職員はどうか。
2 1で掲げた人件費は、道路整備特別会計法第三条第二項第一号に規定される「道路整備事業に要する費用」に当たるとして歳出されているものと聞く。道路整備事業は民間の建設会社等に発注するのが常であり、国土交通省職員が実際に道路工事を自ら行うことは少ないと思われるが、「道路整備事業に要する費用」に国土交通省職員の人件費が含まれると解釈する理由は何か。
3 道路整備特別会計において、購入され現在も使用される工事用車両ではない乗用自動車は何台あるか。
また、平成一五年度に購入した工事用ではない乗用自動車の車種と価格をすべて示されたい。
更に、工事用車両ではない乗用自動車に関する経費が「道路整備事業に要する費用」に当たると考える理由を示されたい。
4 道路整備特別会計平成一六年度予算において二五三九台分の自動車重量税が計上されているが、これは国土交通省が保有する工事用車両等に係るものと聞く。前述のように自動車重量税は一般財源として用いられる部分が大きいのだから、自動車重量税を納付する国民は二重の負担をしていることになる。国有財産の性格のある自動車なのに自動車重量税を支払う必要があるのか。免税すべきではないのか。
5 道路整備特別会計の支出で平成一五年度に建設された国家公務員宿舎全体の戸数と、そのために支出された金額を示されたい。また、過去に道路整備特別会計の支出により建設され、現在も使用される国家公務員宿舎の戸数とそれに支出された金額を示されたい。
更に、公務員宿舎の建設のための経費が「道路整備事業に要する費用」に含まれると解釈する理由は何か。
6 道路整備特別会計予算書「庁費」の積算内訳にいう「職員厚生経費」の使途は何か。また、平成一五年度決算において、「職員厚生経費」で支出した職員のレクリエーションに係る経費(体育大会の開催経費、物品の購入等)にはどのようなものがあるか。
また、これらの経費も「道路整備事業に要する費用」に含まれるとすれば理由は何か。
7 道路整備特別会計の歳出には、以上のように道路整備事業に要する費用とは考えられない経費も含まれているが、歳出構造を改めるか、又は道路整備特別会計法を改正して歳出の根拠を明確にすべきと考えるが、どうか。右質問する。
答弁書
答弁書第二四号内閣参質一六一第二四号
平成十六年十二月十日内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎
参議院議長 扇 千 景 殿参議院議員浅尾慶一郎君提出道路特定財源の使途の在り方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
--------------------------------------------------------------------------------参議院議員浅尾慶一郎君提出道路特定財源の使途の在り方に関する質問に対する答弁書
一について
自動車重量税は、自動車の走行が、道路の建設、改良、維持を始め、道路混雑、交通安全、道路事故等に関連して社会的に多くの負担をもたらしていること、かつ、道路その他の社会資本の充実に対する要請が強いことに着目して創設されたものであり、このような経緯にかんがみ、運用上主として道路整備財源に充てられてきているものである。
他方、御指摘のとおり、このように道路整備財源に充てられてきたもののうち、道路整備特別会計に繰り入れられず、一般会計に計上されている金額があるが、これは、厳しい財政状況の下、道路整備に密接に関連する事業の財源に充てるなど、納税者の理解を得られる範囲内で使途の多様化を行ったものであり、これにより自動車重量税の趣旨が変わるものではないと考える。二の1について
道路整備特別会計における人件費の平成十五年度決算の額は約七百十億円であり、平成十五年度の予算定員は八千二百六十八人である。これらの人員は、主として国土交通省の地方支分部局である地方整備局の国道事務所の職員であり、お尋ねの「地方整備局や河川国道事務所の管理部門の職員」の一部も含まれている。
二の2について
二の1についてでお答えした人員は、道路に関する工事の実施の調整に関する業務、道路の管理又は利用に関する業務、道路に関する工事の契約に関する業務、道路の用地取得に関する業務等(以下「道路整備に関する業務」という。)に従事しており、これらの人員に係る人件費は、道路整備特別会計の歳出とすることとされている道路整備特別会計法(昭和三十三年法律第三十五号)第三条第二項第一号に掲げる道路整備事業に要する費用(以下単に「道路整備事業に要する費用」という。)に含まれると考える。
二の3について
お尋ねの「工事用車両ではない乗用自動車」を、自動車登録規則(昭和四十五年運輸省令第七号)に規定する「人の運送の用に供する乗車定員十人以下の普通自動車」及び「人の運送の用に供する小型自動車」であると解してお答えすれば、道路整備特別会計の支出で取得され、現在使用されている「工事用車両ではない乗用自動車」の台数は、九百二十二台である。
これらの車両のうち、平成十五年度に取得されたものの台数は、百四十四台であるが、個別の車両の車種及び価格については、これらを調査し、整理した資料がないため、お答えすることは困難である。
これらの車両は、道路整備に関する業務を実施する上で必要なものであり、その取得に要した費用は、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。二の4について
自動車重量税は、自動車の走行が社会的に多くの負担をもたらしていること等に着目して、広く自動車の使用者に対して負担を求めるという趣旨で課税されるものであり、国の使用する自動車といえども、一般の自動車と何ら変わりはない。
二の5について
道路整備特別会計の支出で平成十五年度に建設された宿舎(北海道開発局及び沖縄総合事務局に係るものを除く。以下同じ。)の戸数は九戸であり、その建設に要した費用は約一億五千八百万円である。また、平成十六年九月一日現在、道路整備特別会計で管理されている宿舎の戸数は六千六百七十九戸であるが、これらの宿舎の建設に要した費用の総額については、把握していない。
これらの宿舎は、道路整備に関する業務に従事する職員が居住するためのものであり、その建設に要した費用は、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。二の6について
お尋ねの「職員厚生経費」は、道路整備に関する業務に従事する職員の健康診断、レクリエーションの会場借料等に要する経費であり、道路整備事業に要する費用に含まれると考える。
二の7について
前述のとおり、道路整備特別会計の歳出に「道路整備事業に要する費用とは考えられない経費も含まれている」との御指摘は、当たらないと考える。