自民党、民主党だけでなくて各マスコミでも、次期総選挙のシュミレーション調査をはじめている。
5月解散という話もあったけれど、ここにきて福田内閣の支持率は一挙に低迷。20%をわったところもあるし、それよりも政党支持率で自民党と民主党が逆転したところもある。
「解散総選挙は7月のサミット以後」というのが自民党の基本戦略。そして、「とにかく解散総選挙に持ち込む」というのが民主党の基本戦略。
ということで、あちこちを取材して、一番近いと思われる総選挙の日程は以下の模様。いずれも、10月解散。
となると投票日は11月のいかのいずれか・・・・。
11月2日(日曜日 友引)
11月23日(日曜日 大安)
うん?早期解散ないの?
これで、最短?
ということは、年内解散がないこともある?
というわけで、GW開けの永田町からお送りします。
政治日程的にみてみる。
5月13日
10年間で59兆円の道路中期計画をするための道路整備財源特例法改正案の衆議院での3分の2再可決。
道路財源の一般財源化をいっておきながら、10年間59兆円の道路整備財源特例法改正案を3分の2可決すろとはなにごとか?
というわけで、民主党はガンガン責める。自民党内でも一般財源化を支持する河野太郎ら若手の反発も必至。自民党内で造反があれば、3分の2議決も機能せずということが、ありうるけれど、
「5月13日の午前中に、道路財源の一般財源化を閣議決定して、それから衆議院での3分の2の再可決をおこなう。これで、造反組も封じ込む」(官邸サイド)
ということで、自民党内で「造反有理」はなさそう。
ここで民主党。山口補欠選挙で勢いがついている。ガソリン税に後期高齢者医療制度。福田内閣の支持率は20%を切る危険水域。ここで、参議院で問責決議をするかどうかだ。しかし、13日での問責決議は見送りの方針。
そのかわりに「後期高齢者医療制度の廃止法案」を参議院に提出する模様。
「山口補選の結果をみても、国民のガソリンよりも老人いじめ医療法案のほうに圧倒的に不満をもっている」(民主党執行部)というところ。
民主党は5月中に、「後期高齢者医療制度の廃止法案」を参議院に提出。そして参議院で可決させて衆議院に送る。しかし、自公は審議に入らないかもしれない。もしくは、衆議院で否決するかもしれない。
そこで、民主党は首相問責決議を提出。
ここで、退陣か、解散総選挙を迫るというわけだ。
これは、日程的には、6月上旬になる模様。
「衆議院の会期末は6月15日。6月上旬に野党が問責をだしても、衆議院で与党は信任決議を可決。いくら民主党が騒いでも、退陣も解散もない」(自民党国対)
つまり、ゴタゴタがあってもあっという間に、6月15日の会期末をむかえてしまう。実は今国会では80ぐらいの法案があがっているが、50以上の法案が審議もされずにいる。野ざらしのまま。しかし、そんなことはおかまいなしということだろう。
6月15日 国会会期末。
つまり、5月政変も、解散もなにもないまま、政局秋の陣へむかいそうなのである。当然、会期延長はなし。野ざらし法案は、野ざらしのまま朽ちる。
7月7日 洞爺湖サミット
8月8日 北京オリンピック開幕
では、秋の陣にむけてどうなるか?
福田内閣は内閣改造をする公算が大。実は、この5月にも内閣改造を予定していたが、「山口補選での敗北が、内閣改造を断念させた」というところ。森元首相などが、「早く自前の内閣をつくれ」とハッパをかけていたが、「ここで下手に内閣をいじると裏目に出る可能性大」(官邸サイド)。
つまり、福田政権は1月、5月と二度の内閣改造のチャンスがありながらいずれも自前の内閣をつくることができなかったことになる。
一方の民主党。
「小沢代表が、問責に消極的なのは、問責が決定打にならないことをしっているからです。下手に参議院で問責が可決すれば、それで参議院はうごかなくなる。これを、自民党は民主党がボイコットしていると騒ぐにきまっている。
『これからは得点よりも失点を防ぐ』とGW前に小沢代表がいっているように、実は解散権は、総理にしかない。いくら、参議院で問責してもそれで解散に追い込むことはできない。これが、ねじれ国会の実態です。
もうひとつあるとしたら、小沢代表としては、福田政権で解散総選挙をやりたい。よれよれの福田政権なら、まちがいなく民主党は勝てると読んでいます」(民主党国対関係者)
しかし、民主党は民主党で火種もある。
9月の民主党代表選挙。
大連立構想や、日銀総裁人事をめぐり民主党内でも小沢一郎への不満の声もある。山口補選で勝利をおさめて求心力をえた小沢代表だが、ここは9月の民主党代表選挙で再任して、足場をかためてから、福田政権への攻勢にでる模様。
つまり政局秋の陣は、
福田政権の内閣改造
小沢代表の再選
自民党、民主党とも陣容を固めてからの対決になる模様。
そして、秋になると確実に解散風が吹く。
「問題は、内閣支持率」とは、自民党議員。
サミットをおえて、低迷した内閣支持率が復活するかどうか?
しかし、一度、下がった支持率は簡単には戻らないというのが、永田町の相場だ。唯一例外が、小泉内閣だった。それが国内問題でなくて、国外問題。小泉内閣の場合は、北朝鮮の拉致問題だった。これが、節目、節目で小泉内閣の支持率復活の力になった。
では、福田政権にその可能性はあるか?
「環境サミットといっていますが、今度の胡錦涛の訪中で支持率があがらなないように、サミットだからといって、簡単に支持率があがるとおもえない。何も具体的なことができずに、お題目だけで逆に支持率がじり貧になる可能性の方が大きい」
「洞爺湖サミットは福田総理の念願だったのですが、死に体の福田首相のもとでおこなわれるサミットに、各国の首脳が本気で協力するでしょうか?先のない福田政権のもとで、まともな共同声明がまとまるとはおもえない」
と、自民党内からも厳しい声が多い。
それでは、ということで、唯一の可能性というか、ウルトラC技をあえて、考えてみよう。
「福田首相はGW前に訪欧を中止して、訪ソだけしました。福田政権の最後のウルトラC技はサミットでなくて、実は北方領土の返還問題なのです。しかし、まったくその可能性はないといっていい。奇しくも外務省の幹部がこのことを聞かれ、『北方領土返還のへのタネまきぐらいにはなった』と答えている。
あと、ウルトラC技としては、今度の胡錦涛の訪中の成果のひとつとして、中国が北朝鮮に圧力をくわえ、拉致問題が一挙に解決ということも考えられなくはない。なんせ、拉致問題が動けば、内閣支持率が跳ね上がるという法則がある」
とは福田総理の数少ない側近議員の一人。
うーーん。いずれも苦しい。
問題は、秋の解散風。
「自民党としては、福田首相のサミットの花道論があるように、サミットをおえて退陣していただく。というか、福田首相では選挙は戦えない。となると麻生太郎さんでしょうね」
とは、自民党の麻生派の議員。
福田さんで選挙が戦えないとなれば、解散総選挙は先延ばしか?
年内解散がない?
それこそ、小泉元首相が思いつきでいった「サミット後、来年のサミット後」となるのか?
ちょっと待ってくれ!というのは公明党である。
「来年は都議会選挙の年です。石原銀行の影響でそれでなくても厳しい戦いがしいられる。さらに、来年になれば、消費税の引き上げを決めなければならない。
今の状態に、消費税問題が浮上すれば、もうどうにもならない」(公明党議員)
そして、民主党議員である。
「解散風が吹く。福田政権の支持率は一桁台。自民党内でも福田退陣論がでる。でも、うちとしては、福田政権の元で解散、総選挙をうちたい。ここは、福田さんに頑張ってもらって、10月解散です」
プライドの高い福田総理。一度も選挙を経験せずにおとなしく退陣とは考えられない。となると、福田政権での10月解散か?
「10月解散となれば、11月総選挙です。自民党にとっては投票率が下がる3連休を狙いたい。となると11月2日か、11月23日。友引に大安です」
どうやら、これが最短の総選挙の投票日か?