民主党の長妻昭議員が追求した「居酒屋タクシー 2008年06月08日」問題。
 詳細な実態がわかったので、レポート。
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居酒屋タクシー  これが実態




 

「みっともない話だ。金品という話になるとまた事情は違ってくるが、いずれにしてもそんなことはして欲しくはない」
 最近永田町で発覚したいわゆる「居酒屋タクシー」問題について福田康夫総理は不快感を示した。

 深夜に帰宅する霞ヶ関の役人が個人タクシーを呼んで帰宅する際、車の中でビールやつまみを提供され、さらに金品を受け取っている人物もいるという。
 これまで缶ビールなどを飲みながら気楽にタクシーで帰宅した役人は各省庁で500人あまり。役所として金の授受は否定しているが、クオカードや盆暮れに品物を受け取った役人もいる。

 いずれにしてもタクシー券といえど、個人タクシー業者との役人の癒着は問題は20~30年前からの話。
 霞ヶ関で使用する「居酒屋タクシー」の費用は年間約50億円だそうだ。
 
 霞ヶ関の役人に聞いてみた。

「国会開会時期には夜遅くまで仕事をしなければならないことが多い。そんな時にはタクシー券が支給される。
 昔はすぐにもらえたタクシー券も今は厳しくなった。
 午後11時30分過ぎ、部屋に残って仕事をしている人に総務から帰宅したいかどうかを打診される。そこで帰りたいと希望すればその人数分のタクシー券が支給される。
 そこでなじみの個人タクシーの運転手に電話して役所の近くに来てもらう。役所を出るときには支給されたタクシー券にその時刻が記載され、待たせてあった個人タクシーに乗車する。
 ここ数年、個人タクシーの運転手の質が悪くなった。中には赤信号を無視して猛スピードでぶっ飛ばす人もいる。
 だから、運転のうまい個人タクシーの運転手には携帯番号を聞いて時々利用するようにしているのだ。
 深夜だからこちらも疲れているので缶コーヒーや缶ジュースが出されれば『それはありがたい』と何も考えずに頂く。
 時には缶ビールやおつまみも出される。
 なじみの個人タクシーなら眠っていても自宅まで連れて行ってくれるので非常にありがたい。これまでの慣習なのでそんなに大騒ぎするような問題はないんじゃないか」(40代 ノンキャリアの役人)

 何の反省も無い。

「居酒屋タクシー」を主に利用するのはほとんどが「ノンキャリ」といわれている役人だ。
 彼らの住居は家賃の安い官舎であることが多い。
 しかし、ノンキャリ用の官舎は首都圏の三多摩、千葉、神奈川、埼玉と都心からだいぶ遠いのだ。
 そこで勢い15000~20000円などというタクシー料金を使うことになる。

 役所では基本的にタクシー券の使用は深夜終電がなくなったから使うことになっている。
 にもかかわらず個人的な都合で繁華街で飲み、帰宅には役所が出すタクシー券を使う猛者もいるそうだ。こいつらは組合の幹部に多いようで、下手な奴が年に1人くらいタクシー料金の返還や注意処分が下される。
 これはよほど目立つ行為だからたまに処分するだけ。

 悪い奴になると通行料金をタクシー券に上乗せして書き込み差額を返金させるという。個人タクシーの運転手だからできることで、タクシー運転手も後から役所に請求すれば上乗せ料金も返ってくるという寸法だ。
 
 省庁から深夜帰宅するときに出省時間を記載する行為(打刻というそうだ)を行っているのは財務省他数省のみ。

 酷いのはあの国交省だ。ノンキャリ・ダラカンのボスともなればタクシー券を数十枚、束で持っている。それを飲み会などで遅くなったとき「おい、お前はこれ」などと「タクシー券」をカッコよく子分の小役人へ渡しているのだそうだ。人の金なんだから平気。
 また、同僚の分として2〜3枚要求しながら同僚に渡さずポケットにしまい込み、私的な飲み会などで使うやつもいる。
「何でそんなにタクシー券を持ってるんだ」と追求されると、
「渡すのをうっかり忘れてました」
「たまたまポケットに入ってました」
 などととぼけるやつもいる。

 意地汚い小役人ともなれば飲んだ後、午後11時過ぎに省庁へ帰る。そして残業したように見せかけてチャッカリ「タクシー券」をもらい堂々と帰るやつもいるのだとか。

 「タクシー券」の出所は一般会計という省もあれば国交省のように特別会計からの出費というところもある。特別会計ではほとんど何に使われているのか分からない。国民の目が届かないからやりたい放題だ。道路特会では野球のバット、グラブ、マッサージチェアなんかも買っていたことはご存じの通り。

 ちなみに国交省の特別会計は
 ● 道路整備特別会計
  ● 治水特別会計  
  ● 港湾整備特別会計
  ● 空港整備特別会計
  ● 都市開発資金融通特別会計
  ● 自動車損害賠償保障事業特別会計
  ● 自動車検査登録特別会計

 このうち「居酒屋タクシー券」に消えているのは道路整備特別会計、港湾整備特別会計、空港整備特別会計だそうだ。
 全くこすっからい小役人の考えそうなことでもある。


 一方、「キャリア」のというわれる高級役人には専用車が付くし彼ら専用の官舎も青山とか新宿といった霞ヶ関から近いところにあるので2000~3000円ぐらいで、自宅に帰れる特典があるのだ。それでキャリア官僚の名前はなかな出てこない。天下り先があり、業者からの便宜もあるキャリア官僚と、ノンキャリア役人の違いがよく話題になるが、キャリアもキャリアなら、ノンキャリアもノンキャリアだ!
ということになるか?

「居酒屋タクシーはノンキャリがやってること」とうそぶいているキャリア官僚もいる。


  それでもキャリア組は予算時期になると「大蔵ホテルだ」などといいながら徹夜で役所に止まり込むことも多い。
 家人に頼んで役所へ着替えを持ってこさせることもあるのも確か。忙しいのは予算時期と国会会開会時期だけ。後はのんびり過ごしているのがキャリア組というわけだ。

「居酒屋タクシー」存在する原因には
1、予算編成。
2、国会対策。
という部分が多いからだ。

 予算編成はしょうがないとしても国会対策というのが問題である。
 通常、役所は国会が開会されているときには委員会で誰が何を質問するかいいわゆる「質問取り」ということが最重要事項。
 委員会で質問予定の国会議員に若手官僚が「次の委員会ではどんな質問をされるんですか」と与野党議員に質問項目を聞く。
 議員の質問に対して大臣や官僚が答え易いように想定回答集を作り、委員会開会直前に大臣らにレクチャーするのだ。

 これによって無能な大臣も何とか委員会を切り抜けられるという訳だ。
 場合によっては与党議員の想定問答集、議員質問と大臣答弁の両方を作ることもあるのだが・・・。 

 質問は夕方から午後7時くらいまでには役所に通告される。それを待って答弁書を作るが、中には意地の悪い野党議員もいて午後11頃に質問事項を通告するのだ。意地の悪さはそれだけではない。委員会で質問できる項目はせいぜい4~6本。
 それを各省庁に渡る20〜30本もの質問事項を各省庁に渡す。

 夜遅く来た質問事項にも各省庁の役人は自分らに来た質問項目にたいし徹夜してでも大臣答弁に粗相が無いよう関係資料を集め大臣答弁書をせっせと造り翌日の委員会に備える。
 ところが、委員会では当の野党議員から質問されずせっかく集めた資料や大臣答弁書が無駄となりガッカリすることも多いそうだ。

深夜くたくたになって答弁書を用意したのに何もやらない・・・、あいつだけは許せない」という怨念がたまるんだそうだ。

 そういう議員が数人いるという。たぶんあいつか・・・。

 それはともかく、国家議員も「居酒屋タクシー」を問題にするなら自ら反省するべき点もある。

「居酒屋タクシー」は霞ヶ関と永田町の無駄使い話に帰結する。
 税金を無駄使いする奴らを監視せよ。 

 
以上