以前から懸案事項だった有料情報サイト「ニュースソース NewsSource」がやっと正式にたちあがりました。
これまでテストラン(テストランとはいえ、システムも記事内容も手抜きはありません)にご協力いただいた方に心より感謝します。
決済のシステムはまったく問題なく稼働しています。
さすがは「くる天」さんです。これなら、安心して利用させていただきます。
「ニュースソース NewsSource」(有料版)
これは、中里憲保氏が主催している「WITT」と「オフイス・マツナガ」の共同作業によって運営されます。また、順次、現場第一線のジャーナリストにも寄稿してもらう予定です。
いわゆる記者にとって一番重要な、情報ソースを公開するという、史上初の試みとなります。
課金のシステムは、記事ごとの都度課金(100円から500円程度)と、定期購読(月額1000円)です。年間購読(年間1万円)を希望される方もいたのですが、これは、特別縁故関係者のみとさせていただきました。正直、どうなるかわからない状態で、皆様から1年先のお金を預かるほど、我々は自信家ではないからです。なお、特別縁故枠の年間購読の枠は一杯となりました。
定期購読(月額1000円)を申し込まれますと、都度課金記事のすべてを読むことができます。(ただし、一部例外あり)
システムに関しては、様々な提案やら、様々な売り込みがありましたが、試行錯誤の末に「くる天」さんのシステムを利用させていただくことになりました。
ここは、当方の遠藤顧問(最近は映画制作者として活躍中で、なかなかうちに原稿を書いてくれない!)が、知り合いに探させて紹介してくれてものです。
「くる天」
有料サイトの運営に必要な、個人情報の保護、課金決済の安定性、信頼性、利便性などを考えた末です。さらに、こちらが、運用できるかどうか?も重要な条件でした。くる天さんは、すでに稼働しており、課金システムも安定している。経営規模としては、まださほど大きくありませんが、今後、成長する可能性がある。
くる天さんのプライバシーポリシー:
http://kuruten.jp/blog/policy
くる天さんが利用している課金システム:
テレコムペイメントのあんしん決済
http://www.telecompayment.com/
くる天さんのシステム運用:
株式会社イーステム・テクノロジー
http://www.eastemtech.com/
ということで、「くる天」さんに全面的に依拠することになりました。
なによりも一番の理由は、IT音痴の雑誌記者でもさほど苦労することなく利用できる。面倒なシステムの構築やそのシステムのメンテナンスや運用に時間をさくことなく、記事作りに没頭できる。
というのが、「くる天」さんを利用させていただく最大の理由になります。
そういう意味では、課金システムを考えている他のブロガーさんにも大いに利用してもらいたくおもいます。(推薦するわけではありません。参考にしてくださいという意味です)
よちよち歩きで、当初は、「有料サイトの運用」に反対していたボスを、押し切ってのスタートです。いたらぬところも多々あるかとおもいますが、「座して死をまつよりも、何かしてから死を待て」(ボス談)という名言・迷言・笑にしたがいスタートさせていただきます。
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実はマーケットとして成立していない課金サイト、有料サイト
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「
それは理由があります。
ふだんはずぼらで、どうしょうもないボスですが、変なところが用意周到です。
「自立できる媒体として有料サイトをたちあげたい」とボスに申し入れたところ、「ま、研究しなさい」(ボス談)ということだったのですが、実はこの人は、こっそりでもないけれど、知り合いにしっかりと「マーケット調査」をさせていた・笑。
実は、有料、課金のシステムというのは、既存の新聞社、出版社にとっても、緊急にして重大な課題であるわけです。とくにマスの雑誌のここ数年の部数減は、すさまじいものがあります。
「年内に、マスの雑誌は半分になるかもしれない」
「数年後に紙媒体のマスの雑誌はほぼ死滅するかもしれない」
と業界ではいわれているぐらいです。その原因は、記事内容がつまらないという、本質的な問題があるかもしれませんが、やはり、ネットの存在を抜きにしては語れません。
しかし、ネットというのは、自由に検索して、無料でみることができる・・・・というのが、最大のメリットです。
しかし、元の記事をつくるには、取材をしなくてはならないし、記者も、編集者も必要。かなりの出費になります。しかし、それをいざ、課金記事、有料記事として提供した場合にどうなるでしょうか?
ネットの先進国である米国で、「一部ニュースサイトが運用して、やっと定着したかしないかの状態。しかし、マーケットはまだ小さい。今後さらにひろがるとおもう」という状況です。欧州では、「まだまだ、これから。ただし、参入者はあとをたたないが、撤退組もおおい」という状況なのです。
では、日本ではどうでしょうか?
「個人的に運用するサイトがいくつかあるが、実態は不明。基本的にマーケットとしては成立していない。しかし、今後、こうしたマーケットをつくりだす必要性があるし、マーケットはできてくるとおもう」
というのが結論となります。
つまり、「ビジネスモデルとしては成立していない」ということになります。
ネットで商業的に運用する場合は、「まだまだ、広告依存の域をでていない」というのが実態なのです。これでは、既存の媒体とまったくかわらないことになります。
しかし、新聞社、大手出版社が、これからぞくぞくと参入してくることは間違いありません。というか、それしか、マスメディアが生き残れる道がないからです。
簡単なマーケット数字があります。
これは大変に興味深い数字です。
現実の数字です。詳細は守秘義務があるため公開できませんが、さわりの部分だけ紹介しましょう。(これは了解をとりました)
条件 記事あたりの単価を100円と設定した場合の一日の見込み売り上げ
アクセス数 1万/day 1%で100アクセス。これがマーケット対象。
つまり、購読する可能性のある読者数となります
実際の見込み売り上げは、そこから2%か5%。
つまり、2アクセスから5アクセス。
つまり、100円の単価として、200円から500円の売り上が見込める。
つまらない記事だと、0円もありえそうです。
いや、これが現実の数字かもしれません・笑。
ということになるそうです。もちろん、記事内容によりますので、一概にいえまえんが、これが専門といわれているマーケットのプロがだした数字です。
アクセス 1万/dayというのは、ちょうどうちの数字です。
その売り上げから、30−40%の手数料を差し引かなくてはなりません。
月額購読の場合
月額1000円とか設定します。これもおなじことです。
ただし、ここで注目してほしいのは、月単位では、アクセス数は30万/monthとなりますが、マーケット対象は、30万の1%とはなりません。それは、同じ読者が何度もおとずれているケースもあるからです。
これも、上の数字があてはまるそうです。実際の見込み売り上げは、そこから2%か5%。
つまり、2アクセスから5アクセス。
つまり、1000円の単価として、月額2000円から5000円の売り上が見込める。
こうした数字をみて、当方のボスが、
「有料サイトをたちあげて、いらぬ腹をさぐられる。勘違いして近寄ってくるやつもでてくるかもしれない。そんなもの、やめちまえ!これなら、おれが、どこかでヨタ記事でも書いていたほうがよっぽどまし」(ボス談)となったのです。
つまり、うちのサイトレベルですと、有料サイトを立ち上げても、ほとんど収入につながらないということです。これなら、今のアフィリエイトの売り上げのほうがまだ、ましです・笑。
ボスだけでなくて、「そんなのやめっちまえ!」となるのが当然でしょう。
もし、成立するとするなら、二階堂ドットコムさんや、ネット潜水艦さんぐらいに、一日10万アクセス。月300万アクセス。ぐらい必要になります。すでに有料記事を配信している二階堂ドットコムさんで、なんとかやっていけるという状況のようなのです。
しかし、それでも、うちのように少人数とはいえ、組織的にやっているところは、とてもじゃないけれど、ネット課金システムに依拠できるような話ではありません。
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では、それでなぜ、ボスの反対をおしきってスタートさせたのでしょうか?
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「つまり、現在はマーケットはないに等しいが、今後、マーケットが成立する可能性がある」という将来の可能性にかけてみようとおもったわけです。
ボスの友人のプロのマーケット調査マンの話を掲載しましょう。
「これは、マーケットを育てるという発想が必要。ネット課金のシステムそのものもかなりひろがってきた。それでもまだまだ。これは、業界的には、倍々ゲームで成長するとみている。今のところは、物品の売買のマーケットでしかないが、急成長している。その次に、エロやポルノをのぞいた、文章や記事といったソフトでしょう」
「オフイス・マツナガさんの、アクセス分析を簡単にさせてもらったら、いわゆる一般の人気サイトといわれているところと決定的な違いがある。マスコミ関係、政界、官界、一流企業からのアクセスが、半数近くしめていると見られる。いわゆるこれは、固定客層とみていい。この種の固定客層というのは、マーケット成立以前に、客層として成立する可能性がある。これに一般客層もついてくる可能性がある。つまり、ないといわれているマーケットを育て、つくることができるかもしれない。3年ぐらい腹をすえてやってみてもおもしろい。その間に、マーケット事情もかわってくるかもしれません。ネットユーザーの意識もかわるかもしれない。ちゃんとした情報や記事は、無料では読めない!という意識が芽生えてくるかも知れない」
ということです。
そして、ここで登場したのが、北岡記者です。
「わかった。うちが『捨て石』になれば良い。うちがまず、鉄砲玉として飛び込む。そこで石の上にも3年でやってみる。心配ない。3年ぐらいの兵糧なら、ボスのマンションでも売っぱらえば、なんとかなる。そうして、マーケットを育てる。マーケットをつくるのだ!
いいか、ただし、ボスには、マンション売れとはいうな。あの人は結構、ケチなところがあるから、すぐにマンションを手放したりしない(ちゅうか、当たり前だろう・笑)
『うちが捨て石になります』といえ!」(北岡記者談)
ほほう、さすがは、北岡記者である。
ボスの性格を知り尽くしている。
しかし、オレでは役不足だろう。
ここは、大番頭である辻野記者に登場願おう。
そして、辻野記者がボスを口説いたのです。
「みんながやりたがっているから有料サイトやります。ボスには、捨て石になってもらいます」(辻野記者談)
「うん?そんなカネにならんこと、みんなやりたがっているのか?貧乏する覚悟あるのか?」(ボス談)
「雑誌業界は、どうせこのまま放っておいたらみんな貧乏します。覚悟もくそもない。問題は、ボスが捨て石になるかどうかです」(辻野記者談)
「捨て石か?ならやれ!」(ボス談)
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これが、本当の実態です。
簡単でした・笑。
こうして、「ニュースソース NewsSource」が誕生しました。
しかし、ボスは、一人では不安だったようで、ボスの先輩格にあたる中里憲保記者に相談したようです。
中里さんも、潔い人で、
「捨て石の数が松永一人ではたりないのか?おれも捨て石の一個になれということか?ま、石ころだから、一個も二個もおなじか。」(中里記者談)
ということで、中里憲保さんが主催している「WITT」と共同運営になったのでした。
参考:ボスが唯一いうことを聞く先輩記者は中里憲保氏
以上