西欧列強と、ご先祖様はこうやって渡り合ってきた・・・・・

西欧列強とご先祖様は、こうやって渡り合った1 「日露戦争 極秘電報154号」

 につづいて、パート2。
日米開戦とハル・ノート」についていきます。
 これは、なんせ「リベラルなボスでさえ納得できるような、エントリー」にしなくてはならないという、大変に困難をともなう作業です。

 当然、日教組の人も、「昭和の時代に文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われ、また、国家が存亡の淵に立たされたことは、忘れてならない過去の過ちであります」とおもわず日教組教育の影響を暴露してしまった参議院外交防衛委員長の民主党の北澤俊美氏でも、納得しないまでも、少しは、考えてもらえるような、内容にしなくてはなりません。
 しかも、簡潔にして、「リベラル」でなくてはいけません。

 ということで、また、NHKさんの番組を、ネタにしての「リベラル」なスタートです。

 

日米開戦の真実1/5
日米開戦の真実2/5
日米開戦の真実3/5
日米開戦の真実4/5
日米開戦の真実5/5

 さて、ここでおっちょこちょいな日教組の人がいてはいけないので、このNHKの番組に対して、「このハル・ノートを、最後通告と批評するのは、陰謀史観のひとつである。これが歴史の転換点であったかのように評価するのは一方的。すでに、その時点で、日本軍は対米戦争の準備をしていた」(日教組系の学者さん・あえて匿名)というのもあります。さすがは日教組です。NHKの番組は「陰謀史観」を助長するもの・・・・・というわけで、その後、正式に抗議するかとおもったのですが、どうも抗議していませんね。「正式に抗議するかとおもって楽しみにしていたのだが、残念。これで議論が深まるとおもったのだが」(ボス談)・・・ということがありました。日教組のいくじなし!

 で、うちはリベラルで、日教組と違うので、両論併記でいきます。
 というか、そんな大げさでなくて、ウィキペディア(Wikipedia)にいったら、たくさん書いています。

 ハル・ノート(Hull note、正式にはOutline of proposed Basis for Agreement Between The United States and Japan、合衆国と日本の間の協定で提案された基礎の概要)は、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦直前の日米交渉において、1941年(昭和16年)11月26日にアメリカ側から日本側に提示された交渉文書である。

 ハル・ノートに関しては、「(事実上の)最後通牒であった」とする解釈と、「最後通牒ではない」とする解釈とがある。


 最後通牒派

 現在日本人歴史家にはハル・ノートにより日本は対米開戦を余儀なくされた、最後通告であると批評している人たちが多くいる。これは日本人の書いた多数の歴史書がハル・ノートの存在を強調し、NHK番組でここが歴史の転換点であったかのように描く事から確認できる。
 開戦に至る経緯を、基本には中国共産党の漁夫の利・中国の政権奪取を狙う為に国民党と争わせる為に多大な日本への挑発に対抗する日本の強い意志がありこれの維持のため南方に進出したが、蒋介石国民党を通して中国大陸の権益拡大を目論むアメリカ、そしてそこでの権益を失うことを恐れるイギリス等による経済制裁によって石油などを禁輸されこのため戦略資源の窮乏による国家的危機を迎えた。
 日本にはまだ外交交渉による平和維持の意志があったが、アメリカの全ての植民地を放棄せよという強硬な対日要求によりやむなく開戦に至ったと考えている。この解釈は帝国主義が大国の常識であった当時において、中国侵攻は侵略的行為だが南印進駐はそれを維持するための行為であり、むしろアメリカの対日禁輸政策が日本のアジアでの権利を犯す行為であるとするもので、太平洋戦争は自衛の為の戦争であるという考え方の背景にもなっている。


 最後通牒ではない派

 アメリカおよび日本の一部は、ハル・ノート如何によらず基本的に日本が11月15日の御前会議で決定された国家方針により戦争を開始したのであり、ハル・ノートは外交交渉上の一案にすぎず、大きな意味はないとしている。アメリカの教科書や歴史書ではハル・ノートは言及されず単に日本が警告なく攻撃をしかけたと記述される。日本の教科書でもハル・ノートに触れていないものもある。
 アメリカ側から見ればハル・ノートの中国からの撤兵など厳しい対日要求も、アメリカのアジアでの基本政策の確認にすぎず、ここから交渉すべきものであり問題にはならない。ここにはそれまでの交渉経緯や、日本が11月末で外交交渉を打ち切ろうとしている時期に交渉困難な案が軍事行動を促す可能性への考慮はない。そこではあくまで日本が先に軍事行動を行ったことが問題にされる。
 秦郁彦などは11月26日に既に機動部隊が出航していることを重視し、ハル・ノート如何によらず既に日本は対米開戦の意志を持っていると見なしている。また、同年9月の帝国国策遂行要領を天皇は拒否したが、陸海軍首脳部はこの時点で開戦を決心したと見ることもでき、9月以降、参謀本部命令で南方各地の兵要地誌の収集と各在留邦人との接触や、まだ研究訓練段階であった落下傘部隊を早急に戦力化するよう督促している。
  こうしたアメリカ側の立場から見れば、多くの日本人の歴史認識は「アメリカにより開戦を強いられた」という「広義の陰謀論者」となる。
 スティネットらの主張する陰謀説はルーズベルト大統領が事前に真珠湾攻撃を知っていたとする「狭議の陰謀論」だが、それはアメリカを対ドイツ戦争に引き入れるための大きな計画のための方策であり、彼ら陰謀論者と言われるアメリカ側も日本の多数派と同じ批評をしている。このようにハル・ノートの批評はどんな事実があったかという問題と共に、戦争における対立する両国の立場を反映している。

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 条項を読めば判るとおり、日本側からみれば、提案をするだけで平和条約締結の約束はしておらず(具体的には日本と戦争中であった中国を含む包括的な条約であるため実現性が無い)、また、貿易条約再締結の交渉を始めるだけといったほぼ白紙に近い条件であった。

 一方で日本には、直ちに全ての軍事同盟を破棄させ、海外における権益の全てと、実質上、領土の3分の1を放棄させるという、極めて厳しい条件であった。特に当時の日本政府が受け入れがたい条項と問題視したのが、上記項目3,4,9。

 日本側からみれば、それまでの交渉経緯で譲歩を示したとの認識であったことが、ハル・ノートでの中国に関する非妥協的提案が、態度を硬化させる一因であるともいわれる。

 後の東京裁判で、弁護人ベン・ブルース・ブレイクニーは、
もし、ハル・ノートのような物を突きつけられたら、ルクセンブルグのような小国も武器を取り、アメリカと戦っただろう」。
 判事であった、ラダ・ビノード・パールも後に引用。


参考文献:

中村粲『大東亜戦争への道』展転社 1991年
「ハル・ノートはそれまでの交渉経過を無視した全く唐突なものだった。日本への挑戦状でありタイムリミットなき最後通牒であると東郷が評したのも極論とは言えまい」
「この提案の中にはいささかの妥協や譲歩も含まれておらず、ハルもルーズベルトも日本がこれを拒否するであろうことは十二分に承知していた」
「ルーズベルトは対日戦争を策謀していた、11/25の会議で議題としたのは和平ではなく、戦争をいかにして開始するかの問題だった」

ハーバート・ファイス『真珠湾への道』みすず書房 原著刊行1950年
「ハルノートは米国の東洋全般にわたる政策の最大限の要求」
「この米国の対案(ハルノート)を最後通牒と見なすのは政治的にも軍事的にも妥当ではない」
「東郷等の態度は妥当ではない。日本は武力で占拠した地域からの退去を要求されただけだ、日本の独立はなんら犯されていない、日本軍は安泰である」
 一方日本の乙案の評価についてはハル長官の言葉を批判せず引用している「日本の乙案を受け入れることは、全く降伏に等しいものだ」そしてこの乙案に同意しても戦争は避けられなかっただろうとしている。

アメリカの高校歴史教科書『アメリカンページェント共和国の歴史 The American Pageant』2002年版(アメリカの教科書に書かれた日本の戦争、越田稜編、梨の木舎、2006年)
「日本との最後の緊迫した交渉が1941年11月から12月初めにワシントンで行われた。国務省は日本の中国からの撤退を主張し、限られた規模での貿易再開を申し出た。日本の帝国主義者は面子を失うことを恐れ同意せず、アメリカに屈従するか、中国での侵略を続けるかの選択に迫られ、剣を選んだ」
「攻撃は東京が意図的にワシントンで交渉を長引かせている間に真珠湾で行われた」

J・プリチャード 他『トータル・ウォー 第二次世界大戦の原因と経過』河出書房新社、原著刊行1972年
「(日米開戦は)米国が加えた対日経済制裁と、適度の強さ・柔軟性・想像力で外交交渉を行うのに米国が失敗したため必然的に生じた結果」
「日本人と同じく、力づくでなければ通じないと思いこんだ米国は交渉への取り組みが異常なほどかたくなで、日本が納得しうる妥協を切望しているのを判断し損なった」
「米国が中国の陳情とチャーチルの言葉通りにすると、真の暫定協定の可能性も消えた、日本はこれ以上の話し合いは全く無益であると悟った」



 なお、このハルノートに関しては、

ハリー・ホワイト

ベノナ計画(Venona project)

 についても触れなくれてはならないが、次の機会にゆずります。
 というか、日教組の人は、それまでに検証しておいてください。

以上