条約改正の完結編です。
前編は、条約改正(前編)
遠藤顧問の歴史だよ!
条約改正(後編)
by 遠藤顧問
・・・・・・不平等条約の弊害を完全に払拭するのに、我々の先人たちが74年もの年月を要したという史実を忘れてはならない。
そしてまた、そのわずか3年後(1945年)の敗戦によって、新たな条約上の弊害が生じたことも再認識しておくべきである。
敗戦後に結ばれた日米安保条約に基づくいわゆる「日米地位協定」は、現在も国民、とりわけ沖縄県民に大きな弊害をもたらしている。
この協定があるため、日本で罪を犯したアメリカ人(軍人・軍属)を日本側が逮捕し、裁判にかけることは容易ではない。
独立国とは思えないこのような状況が、今日まで64年間も続いているのである。
かつて板垣退助は、「条約を改正しようとすれば、日本の指導者は、大胆な、異常の決意をする必要がある」と強調した。
彼は、この目的達成のために
1)先進国の国民すら称賛せざるをえないような卓越した政治体制を作るために改革をおこない、
2)日本の軍備を強化する、という解決策を示した。(アキタ前掲書)
まことに現実的な解決策であり、我々の先人たちは気の遠くなるような年月をかけて、これを実行したのである。
21世紀の現在、はたして日本の指導者は、いつ「大胆な、異常な決意」をするのであろうか・・・・・・・(本文より)
遠藤顧問の歴史だよ!
条約改正(後編)
by 遠藤顧問
小見出し
憲法発布の1889(明治22)年、条約改正は成功するかにみえた
憲法違反の疑義が生じ、大隈に対するテロ事件が発生した
日英両政府は、日本の議会の力を恐れた
政府内部の統一と国際情勢の変化が、条約改正を進展させた
民党側は分裂し、政府は解散を連発した
改正交渉は大詰めを迎え、陸奥たちの関心は日清開戦に移った
不平等条約の弊害は、74年間も残っていた
参考文献:
条約改正―明治の民族問題 (1955年) (岩波新書)
著者:井上清
販売元:岩波書店
発売日:1955
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日本外交史〈2〉条約改正問題 (1970年)
販売元:鹿島研究所出版会
発売日:1970
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条約改正交渉史―1887~1894
著者:大石一男
販売元:思文閣出版
発売日:2008-10
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条約改正関係日本外交文書〈第1巻〉
販売元:巌南堂書店< BR>発売日:2005-06-25
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明治・大正・昭和大事件史―新聞記録集成 (1964年)
販売元:錦正社
発売日:1964
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近代日本思想大系 (4)
著者:陸羯南
販売元:筑摩書房
発売日:1987-03
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明治立憲政と伊藤博文 (1971年)
著者:ジョージ・アキタ
販売元:東京大学出版会
発売日:1971
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条約改正史 (1943年)
著者:山本茂
販売元:高山書院
発売日:1943
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条約改正(後編) 2010年1月4日