【時代小説発掘】
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概:

 謎の乙女・咲椰に連れられて、隠れ里に連れて行かれた早船飛十郎は、五人のならず者にかどわかされた母親を救う手助けをしてくれと頼まれる。黄金一袋の謝礼で助太刀を引き受けた飛十郎は、女軍団と共に地獄谷へむかう。壮絶な闘いのすえ四人を倒した飛十郎の前に、元小田原藩士で剣の達人・波切平助が現れる。名月の下、対決した浪人ふたりは死力をつくすが、平助のあまりの強さに、ついに飛十郎は秘剣虎走りの奥技を使ったが………。

 この技は流祖・林崎甚助が戦場において編み出した秘剣だといわれている。枯れ草の間に身をひそめた甚助が、その姿のまま敵に駆けより一刀のもとに切り捨て、後ずさりをして戻った技が、まるで虎が獲物を一撃で仕止める姿に似たりと、虎走りと名付けられたと伝えられる。よほどの腕をもった弟子でなければ師匠から口伝されないという秘技であった。
〈本文より〉


【プロフィール】:
花本龍之介。尾道市生まれ。居合道・教士七段。現在逗子に居住している。


これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯

猿ごろし

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〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り2010年11月19日